購買意欲が「6割」アップ? その発言、Z世代は見逃さない。

- ブランドの“社会的立場”が購買を左右する時代へ -

株式会社ザ・ゴール

「サステナブル」「人種差別」「ジェンダー格差」

近年SNSや広告で、ファッションブランドが社会的な発信を行う例が増えました。もともと、ファッションは時代を映す鏡とも言われ、ブランドが社会問題に取り組むことは自然なことともいえます。しかし、その発信は本当に共感を呼んでいるのでしょうか。Z世代は、そうしたブランドの「発言内容」や「姿勢」をシビアに見ています。

株式会社ザ・ゴールは全国20〜50代を対象にブランド発信に関する意識調査を実施し、発信が購買や好感度にどう影響しているかを世代別に明らかにしました。


結果、Z世代の好感を得る「刺さる発信」と、信頼を下げる「要注意発信」の違いが浮き彫りに。

今後Z世代向けのマーケティングや商品の強化を検討している方は、ぜひお役立てください。

Topic1. Z世代の「社会問題感度」は高い

調査ではまず、「社会問題への関わり」について各世代の意識と行動を比較しました<data1-1>。

ここでは、全23種の社会問題について、「認知」「興味」「理解」「共有(SNS等での投稿・発信)」「関与経験」「今後の関与意向」のいずれかに該当する割合を世代別に集計しています。

<data1-1>社会問題関与度

その結果、Z世代(20代)は「共有」が20.0%(対30-50代 +10.0pt)、「関与経験」は22.9%(+8.9pt)、「関与意向」は33.7%(+7.0pt)と、社会問題に対し上の世代よりも有意に高い関心と行動意欲を示しています。また、20代前半に限るとこの傾向はさらに顕著で、関与意向は37.7%にも達します。

<data1-2>関与する社会問題(複数回答)

続いて、一定以上のファッション関心層を対象に、関与している社会問題の内訳を詳しく見ると<data1-2>、Z世代においては「森林伐採」、「脱プラスチック」、「労働問題」などがスコアの絶対値・上世代との差分どちらにおいても高くなっています。

このように、Z世代は上世代と比較して社会問題への関与意識が際立って高く、特に20代前半では「問題の当事者」として自分ごと化している様子が伺えます。 中でも環境問題へのアクションと労働問題への関与意向の高さは、単なる社会意識にとどまらず、ブランドや企業の姿勢を評価・選別する視点にもつながっていると考えられます。

Topic2. でも、「ポーズ」には冷める

続いて、具体的に企業のどのような取り組みが消費者に好意的に受け止められているかを世代別に比較しました<data2-1>。

<data2-1>好感のある企業活動 (5段階評価Top2)

Z世代においては「社内制度としての導入」や「商品・サービスへの落とし込み」といった、企業活動の本質に根ざした取り組みに高い好感度が集まっています。加えて、「投票や政治参加の呼びかけ」や「政治的スローガンの活用」といったやや踏み込んだテーマに対しても肯定的な反応が見られ、政治をタブーとしない姿勢がうかがえます。

さらに、企業による社会問題への取り組みの発信が、消費者にポジティブに映るか、ネガティブに映るかを聴取しました<data2-2>。

<data2-2>企業活動の影響度 (5段階評価Top2)

Z世代では、企業の社会的な発信に対して「好感度の上昇」や「購入意向の上昇」といったポジティブな反応を示す一方で、「偽善的に見える」や「商業目的に見える」といったネガティブな反応も上世代と比較して高い割合を示しています。 つまり、Z世代は企業の発信に共感しやすい一方で、その「裏側」にも敏感であり、メッセージの真意や一貫性を鋭く見極めていると考えられます。

このようにZ世代は、企業の社会的発信に対して高い関心と共感を示しており、中でも好感を持たれるのは、活動が日常的な業務や理念に組み込まれ一貫性を伴っているブランドや企業です。Z世代は「社会貢献を語るブランド」ではなく、「社会性が滲み出るブランド」を選んでいるのです。

Topic3. Z世代に「刺さる発信」は?

最後に、企業やブランドが実際に行っている社会問題に関する発信に対してZ世代がどのような印象を持っているのかを分析しました<data3-1>。

ここでは、国内5ブランド・海外21ブランドのファッション企業を取り組み内容に応じて「環境問題」「差別・人種問題」「ジェンダー」「慈善・医療」の4カテゴリに分類し、認知・興味・好感・信頼・購入意向などを集計しています。

<data3-1>企業の社会問題活動評価(複数回答)

その結果、Z世代は上世代に比べていずれのテーマでもポジティブな反応を示す傾向があり、特に「ジェンダー系テーマ」に対しては信頼感が+18.3pt、「環境問題系テーマ」に対しては購入意向が+13.8ptと大きな差が見られました。

このように、環境問題やジェンダーといったファッションと親和性が高く、自分ごと化しやすいテーマへのブランドの取り組みが購入意向を高める傾向にあります。

まとめ Z世代は、企業の「本気」を見抜く。

Z世代は、これまでのどの世代よりも「社会問題」と「企業発信」の接続に敏感です。ブランドのイメージだけでなく、その背景にある姿勢や行動哲学を重視しており、社会的発信は「選ばれる理由」の一つになりつつあります。つまりZ世代にとってブランドを選ぶという行為は、商品を選ぶだけでなく「社会の中で、どんなスタンスを支持するか」を意味しているのです。

今回の調査からも、Z世代は上世代に比べて社会問題に対する当事者意識が強く、企業の発信内容や背景への感度が高いことが明らかになりました。共感すれば購買や信頼につながる一方で、表面的・商業的な印象を受けた場合、反発や不信につながる可能性もあります。


そしてZ世代は、「企業が取り組むテーマ」に加えてどのように取り組んでいるのかに目を向けています。取り組みが企業理念や商品そのものに深く結びついており、一貫性・誠実さ・参加性のあるコミュニケーションを実現するブランドが、これからも好感や信頼を集めていくでしょう。

今後もThe Goalでは、Z世代の“リアル”を可視化し、

企業のマーケティング・ブランディングに役立つ情報をお届けしていきます。

■お問い合わせ先

株式会社ザ・ゴール(https://www.thegoalinc.co.jp/

戦略プランニング部 藤原/岡田/黒川/増野 info@goal.dentsu.co.jp

■調査概要

調査主体 :株式会社ザ・ゴール  

調査委託先 :株式会社 電通マクロミルインサイト

調査期間 :2025年7月  調査手法:インターネット調査

調査対象 :全国20-59歳男女 有効回答数 :500サンプル

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会社概要

株式会社ザ・ゴール

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URL
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業種
サービス業
本社所在地
東京都港区東新橋 1-8-1
電話番号
03-6216-8856
代表者名
赤塚 武継
上場
未上場
資本金
3000万円
設立
2003年10月