QPS研究所、九州電力、JAXAで小型SAR衛星群による新たなサービス創出等に向けたJ-SPARC事業共同実証を開始
株式会社QPS研究所(本社:福岡県福岡市、代表取締役社長:大西俊輔、以下「QPS研究所」)、九州電力株式会社(本社:福岡県福岡市、代表取締役社長執行役員:池辺和弘、以下「九州電力」)及び国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(本社:東京都調布市、理事長:山川宏、以下「JAXA」)は、「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)(※1)のもと、小型SAR(※2)衛星コンステレーション(※3)による準リアルタイム(※4)データ提供サービスの実現並びに同データを活用したインフラ管理業務の高度化・効率化や新たなサービス創出に向け、本日、覚書を締結し、共同実証を開始しました。
本共同実証において、QPS研究所は、衛星による撮像からユーザーにSAR画像を提供するまでの時間短縮に向けて、現在開発中の小型SAR衛星3号機に軌道上画像化装置(※5)を搭載・実証し、軌道上で画像化されたSAR画像の有効性評価を含めた事業成立性を検証します。加えて、事業性検討の一環として、九州電力が進める取り組みへのデータ提供等の支援を行います。
九州電力は、電力設備及び設備周辺環境の巡視点検や非常災害時の被害状況把握などインフラ管理業務の高度化・効率化策の検討や、地域・社会の課題解決に繋がる新たなサービスの検討を行うため、SARデータ(準リアルタイムデータ含む)の有効性評価やニーズ調査を実施します。
JAXAは研究開発成果である軌道上画像化装置の軌道上実証を行うほか、QPS研究所の小型SAR衛星のリスク分析支援(※6)を行い、その活動を通じて小規模でスピード重視の開発方式に適した将来のミッション保証方法の確立(※7)を目指します。さらには、九州電力のSARデータ評価やサービス検討への技術的協力を通じて、衛星データ利用の拡大を目指します。
QPS研究所、九州電力及びJAXAの3者は、本共同実証を通じ、小型SAR衛星コンステレーションによる準リアルタイムでの画像提供がもたらす新たな価値の創出及び社会課題解決への衛星データ利用の拡大を目指していきます。
<各機関からのコメント>
QPS研究所は小型SAR衛星を開発・運用しており、36機を打ち上げてコンステレーションを組み、準リアルタイムデータ提供サービスをすることで人類の発展に貢献することを目指しています。2021年5月には衛星2号機による日本初の分解能70cmという高精細画像の取得成功を発表いたしました。このプロジェクトを促進するため、2020年2月のJ-SPARC事業コンセプト共創を経て、この度、事業共同実証の活動に移行できることを嬉しく思います。中でも、フレッシュなデータ提供につながる軌道上画像化装置を3号機以降に搭載できる機会に大変感謝しております。また、九州の雄である九州電力と一緒に実装段階に進むことにより、弊社創業当時からの想いである九州に宇宙産業を根付かせることへ大きく前進できると期待しております。
(写真左から)土木建築本部 :川上 馨詞、村上 和磨
企画・需給本部:吉原 大介、川越 英文
今回、QPS研究所、JAXAと衛星データを活用した新たな取組みを開始できたことを嬉しく思います。本実証では、衛星データやAI等のデジタル技術を活用してインフラ設備等を監視することで、日常の保守管理や非常災害時の対応の高度化・効率化を目指します。また、地域・社会の課題解決に繋がる新たなサービスの創出に向け、企業や自治体等の様々な方々との連携を積極的に模索し、幅広く衛星データの活用可能性を検討していきます。QPS研究所は九州の地場企業と衛星の開発・製造に取り組む「九州の下町ロケット」とも呼べる有望なベンチャー企業であり、共に九州から宇宙産業にイノベーションを起こし、九州を元気にするためにチーム一丸で取り組みます。
小澤 悟 研究領域主幹(写真左)
筒井 雄樹 研究開発員(写真右)
本共創にて、JAXAがこれまで研究開発を行ってきたSARの軌道上画像化装置を初めて軌道上実証できる機会に恵まれました。軌道上で所定の性能を発揮することで、QPS研究所の事業価値が向上し、かつJAXAの将来研究に対する有益な知見の獲得に繋がることを目指します。また、生活インフラに欠かせない事業に取り組む九州電力の参画は、研究開発成果の社会実装を目指すJAXAにとっても大変喜ばしく、この共創を通じて国内外における衛星データを活用したソリューション事業が加速することも期待しています。入口(ものづくり)から出口(データ・ソリューション提供)まで、各パートナーと共に事業共同実証活動に取り組み、早期の事業化を図るとともに宇宙産業振興・宇宙利用拡大にも貢献していきます。
※1:JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)
J-SPARCは、宇宙ビジネスを目指す民間事業者等とJAXAとの対話から始まり、事業化に向けた双方のコミットメントを得て、共同で事業コンセプト検討や出口志向の技術開発・実証等を行い、新しい事業を創出するプログラムです。2018年5月から始動し、これまでに30を超えるプロジェクト・活動を進めています。事業コンセプト共創では、マーケットリサーチ、事業のコンセプト検討などの活動を、事業共同実証では、事業化手前の共同フィージビリティスタディ、共同技術開発・実証などの活動を行います。
https://aerospacebiz.jaxa.jp/solution/j-sparc/
※2:SAR
合成開口レーダー(Synthetic Aperture Radar)の略。地表にマイクロ波を照射し、反射して返ってきた信号を分析することで昼夜や天候に関係なく地表の状況を把握することができます。
※3:衛星コンステレーション
複数の人工衛星によって、高度な価値を提供するシステムを衛星コンステレーションと言います。
※4:準リアルタイム
QPS研究所のサービスでは、地球上のほぼどこでも平均10分で観測すること、もしくは特定の地域を選んで平均10分ごとに定点観測することを「準リアルタイム」と定義しています。
※5:軌道上画像化装置(FLIP)
JAXAとアルウェットテクノロジー株式会社が共同開発した、人工衛星搭載のSARデータを軌道上で画像化する装置。これにより、SAR観測データを軌道上の衛星内で処理することで衛星からのダウンリンク量の大幅な圧縮が可能となり、即応性の高い観測ニーズに応えられるようになることが期待されます。
https://www.jaxa.jp/press/2020/02/20200226-1_j.html
※6:小型SAR衛星のリスク分析支援
JAXAが開発した「システム視点での軌道上動作保証手法」を用いて、小型SAR衛星の設計面及び運用面でのリスク分析、信頼性向上を支援します。
※7: ミッション保証
宇宙システムの開発・運用において設定したミッションを確実に遂行するために必要な信頼性確保及び、品質保証に係る活動をいいます。世界では、「アジャイル方式」を取り入れ、小型衛星をスピード重視で開発するベンチャー企業が台頭してきており、JAXAではそれらのプレーヤーに対するミッション保証の在り方についてNASAやESAなどと連携しつつ議論しています。
九州電力は、電力設備及び設備周辺環境の巡視点検や非常災害時の被害状況把握などインフラ管理業務の高度化・効率化策の検討や、地域・社会の課題解決に繋がる新たなサービスの検討を行うため、SARデータ(準リアルタイムデータ含む)の有効性評価やニーズ調査を実施します。
JAXAは研究開発成果である軌道上画像化装置の軌道上実証を行うほか、QPS研究所の小型SAR衛星のリスク分析支援(※6)を行い、その活動を通じて小規模でスピード重視の開発方式に適した将来のミッション保証方法の確立(※7)を目指します。さらには、九州電力のSARデータ評価やサービス検討への技術的協力を通じて、衛星データ利用の拡大を目指します。
QPS研究所、九州電力及びJAXAの3者は、本共同実証を通じ、小型SAR衛星コンステレーションによる準リアルタイムでの画像提供がもたらす新たな価値の創出及び社会課題解決への衛星データ利用の拡大を目指していきます。
<各機関からのコメント>
株式会社QPS研究所 代表取締役社長 大西 俊輔
QPS研究所は小型SAR衛星を開発・運用しており、36機を打ち上げてコンステレーションを組み、準リアルタイムデータ提供サービスをすることで人類の発展に貢献することを目指しています。2021年5月には衛星2号機による日本初の分解能70cmという高精細画像の取得成功を発表いたしました。このプロジェクトを促進するため、2020年2月のJ-SPARC事業コンセプト共創を経て、この度、事業共同実証の活動に移行できることを嬉しく思います。中でも、フレッシュなデータ提供につながる軌道上画像化装置を3号機以降に搭載できる機会に大変感謝しております。また、九州の雄である九州電力と一緒に実装段階に進むことにより、弊社創業当時からの想いである九州に宇宙産業を根付かせることへ大きく前進できると期待しております。
九州電力株式会社 プロジェクトメンバー
(写真左から)土木建築本部 :川上 馨詞、村上 和磨
企画・需給本部:吉原 大介、川越 英文
今回、QPS研究所、JAXAと衛星データを活用した新たな取組みを開始できたことを嬉しく思います。本実証では、衛星データやAI等のデジタル技術を活用してインフラ設備等を監視することで、日常の保守管理や非常災害時の対応の高度化・効率化を目指します。また、地域・社会の課題解決に繋がる新たなサービスの創出に向け、企業や自治体等の様々な方々との連携を積極的に模索し、幅広く衛星データの活用可能性を検討していきます。QPS研究所は九州の地場企業と衛星の開発・製造に取り組む「九州の下町ロケット」とも呼べる有望なベンチャー企業であり、共に九州から宇宙産業にイノベーションを起こし、九州を元気にするためにチーム一丸で取り組みます。
宇宙航空研究開発機構(JAXA) 研究開発部門(J-SPARC共創メンバー)
小澤 悟 研究領域主幹(写真左)
筒井 雄樹 研究開発員(写真右)
本共創にて、JAXAがこれまで研究開発を行ってきたSARの軌道上画像化装置を初めて軌道上実証できる機会に恵まれました。軌道上で所定の性能を発揮することで、QPS研究所の事業価値が向上し、かつJAXAの将来研究に対する有益な知見の獲得に繋がることを目指します。また、生活インフラに欠かせない事業に取り組む九州電力の参画は、研究開発成果の社会実装を目指すJAXAにとっても大変喜ばしく、この共創を通じて国内外における衛星データを活用したソリューション事業が加速することも期待しています。入口(ものづくり)から出口(データ・ソリューション提供)まで、各パートナーと共に事業共同実証活動に取り組み、早期の事業化を図るとともに宇宙産業振興・宇宙利用拡大にも貢献していきます。
※1:JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)
J-SPARCは、宇宙ビジネスを目指す民間事業者等とJAXAとの対話から始まり、事業化に向けた双方のコミットメントを得て、共同で事業コンセプト検討や出口志向の技術開発・実証等を行い、新しい事業を創出するプログラムです。2018年5月から始動し、これまでに30を超えるプロジェクト・活動を進めています。事業コンセプト共創では、マーケットリサーチ、事業のコンセプト検討などの活動を、事業共同実証では、事業化手前の共同フィージビリティスタディ、共同技術開発・実証などの活動を行います。
https://aerospacebiz.jaxa.jp/solution/j-sparc/
※2:SAR
合成開口レーダー(Synthetic Aperture Radar)の略。地表にマイクロ波を照射し、反射して返ってきた信号を分析することで昼夜や天候に関係なく地表の状況を把握することができます。
※3:衛星コンステレーション
複数の人工衛星によって、高度な価値を提供するシステムを衛星コンステレーションと言います。
※4:準リアルタイム
QPS研究所のサービスでは、地球上のほぼどこでも平均10分で観測すること、もしくは特定の地域を選んで平均10分ごとに定点観測することを「準リアルタイム」と定義しています。
※5:軌道上画像化装置(FLIP)
JAXAとアルウェットテクノロジー株式会社が共同開発した、人工衛星搭載のSARデータを軌道上で画像化する装置。これにより、SAR観測データを軌道上の衛星内で処理することで衛星からのダウンリンク量の大幅な圧縮が可能となり、即応性の高い観測ニーズに応えられるようになることが期待されます。
https://www.jaxa.jp/press/2020/02/20200226-1_j.html
※6:小型SAR衛星のリスク分析支援
JAXAが開発した「システム視点での軌道上動作保証手法」を用いて、小型SAR衛星の設計面及び運用面でのリスク分析、信頼性向上を支援します。
※7: ミッション保証
宇宙システムの開発・運用において設定したミッションを確実に遂行するために必要な信頼性確保及び、品質保証に係る活動をいいます。世界では、「アジャイル方式」を取り入れ、小型衛星をスピード重視で開発するベンチャー企業が台頭してきており、JAXAではそれらのプレーヤーに対するミッション保証の在り方についてNASAやESAなどと連携しつつ議論しています。
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