九州博報堂のグローバルマーケティングチーム「HAKUHODO PADDLE」が『訪九アジア生活者実態把握調査2025』を実施

九州を訪れるアジア生活者のキーワードは「My Fit Travel」。定番の観光スポットを巡るだけではなく、自分自身の感性にフィットした旅をしたい

株式会社九州博報堂

株式会社九州博報堂(本社:福岡県福岡市、代表取締役社⻑:江﨑信友)のグローバルマーケティングチーム『HAKUHODO PADDLE』は、株式会社博報堂DYホールディングスの研究開発部門マーケティング・テクノロジー・センター、およびアジア各国でグローバルトラベルSIMカードを提供するビリオン・コネクト・ジャパン社と共同で、九州に訪れた中国、台湾、香港、韓国4エリアの訪九アジア生活者を対象に訪九動態調査を実施しました。

旅ナカ(旅行中)の位置情報ビッグデータを活用しており、従来のリサーチによる意識調査だけでは把握が難しかった、訪九アジア生活者独自の生活者意識や旅行動態の調査、分析を行いましたのでお知らせします。

参考:本調査に使用したリサーチソリューションの詳細

(マーケティング・テクノロジー・センター発表リリース)

https://www.hakuhodody-holdings.co.jp/news/corporate/2025/02/5277.html

図1 本調査におけるリサーチソリューションについて
図2 本調査におけるスキーム

■調査結果サマリー

1) 訪九アジア生活者全体の旅行行動について

・対象者へのアンケートによると、最も訪問優先順位が高い都道府県は「福岡県」で58%の訪九アジア生活者が第一目的地としている。次点は「熊本県(8%)」、「東京都(7%)」。

・位置情報ビッグデータから見る実際の訪問地は、「福岡県(92%)」、「熊本県(34%)」)、「大分県(34%)」と福岡県を起点にトライアングルを形成。次いで「佐賀県(19%)」、「山口県(17%)」、「長崎県(11%)」と続き、「宮崎県(7%)」「鹿児島県(7%)」が九州内では相対的に低い結果となっている。

・位置情報ビッグデータの分析では「福岡県」「大分県」「熊本県」を実際にトライアングルで周遊している旅行者も17%となっている。

2) 訪九アジア生活者全体の旅行意識について(対象者へのアンケート結果より)

・旅行目的は「買い物/ショッピング(41%)」、「食べ歩き(39%)」などの都市型観光がTOPな一方で、「自然・景勝地の観光(29%)」「温泉入浴(24%)」などの目的型観光が続く。「日本のポップカルチャーを楽しむ(18%)」が高ランクにつけており、コンテンツ型観光にも集客が見込めるポテンシャルがある。

・旅行の同行者は「配偶者(30%)」「子ども(24%)」と家族旅行がTOPとなっており、次いで「友人(20%)」「母親(18%)」「恋人(15%)」「ひとり(15%)」と続く。

・宿泊施設は「ビジネスホテル(34%)」が最も多いものの、グレードの高い「シティーホテル(33%)」「ラグジュアリーホテル(18%)」「リゾートホテル(15%)」「旅館(14%)」と単価の高い宿泊施設を選ぶ傾向も強い。一方で、「民泊(11%)」を選ぶ旅行者も一定数存在した。

・旅行意識においては「都市部だけに限定せず、観光スポットやお店をいろいろ回りたい」「旅行においては、有名な場所やお店でなくても、自分の中で気になった場所やお店に行くことが楽しい」「多くの観光客で混雑している観光スポットやお店よりも、穴場的なスポットやお店を選びたい」という意識が高く出ており、自分自身の感性や目的に沿った「My Fit Travel」を重視する傾向がみられる。

【調査概要】

調査名称:「訪九アジア生活者実態把握調査2025」

調査方法:WEBアンケート調査/ 行動ビッグデータ分析

実施時期:2024年7月1日(月)~10月13日(日)

調査対象者:期間中、沖縄を除く九州7県に韓国・台湾・中国・香港エリアから訪れた訪九アジア生活者

調査機関:博報堂DYホールディングス/九州博報堂/ビリオン・コネクト・ジャパン/

アンケート聴取サンプル:n=927


HAKUHODO PADDLEについて

「HAKUHODO PADDLE」は、今後も継続的に九州とアジアの関係性を深めていき、九州の事業者が持つビジネス課題を解決するための調査、研究を行い、情報発信およびソリューション開発を推進してまいります。

また、博報堂グループの持つ海外ネットワークおよび研究開発ソリューションを生かし、九州のインバウンド、アウトバウンド事業者の事業戦略、商品開発、マーケティングコミュニケーション、越境EC、現地でのPR、プロモーション、CRM施策などワンストップに支援できる体制を構築してまいります。


■調査結果発表セミナーの開催

今回、新たな手法でリサーチした訪九アジア観光客の価値観、旅行意識、行動ビッグデータと、それらをかけあわせた分析で見えてきた各エリア観光客の特徴や、九州を訪問するアジア観光客の5つのクラスターの詳細は、今後WEBサイト(https://h-paddle.jp/)にて随時情報を発信していきます。

また、2025年3月5日(水)13:00-14:30に今回の調査結果についてのセミナーをオンラインおよびオフラインにて開催します。

詳細確認、お申込みについては下記URLよりお願いいたします。

[セミナーについて]

https://h-paddle.jp/article/20250226

[セミナーお申込み](申込締切:2025年3月4日(火))

https://share.hsforms.com/1vAqTiJqwTMiYWrz4m4gkzgcjqds


■参考資料/調査結果詳細

1) 訪九アジア生活者全体の傾向

<優先度の高い訪問先/実際の訪問先>

図3 優先度の高い訪問先/実際の訪問先                                           上部棒グラフ数値(左図)は各回答者(Total)の回答率<SA>                                              上部棒グラフ数値(右図)は全回答者(Total)の訪問者率

訪九アジア生活者の第一目的地は「福岡県(58%)」が顕著に多く、次いで「熊本(8%)」、「東京都(7%)」と続いており、福岡県を起点に多くのインバウンド旅行者が行動をしていることが推察される。また、位置情報ビッグデータから見る実際の訪問地は、「福岡県(92%)」、「熊本県(34%)」)、「大分県(34%)」と福岡県を起点にトライアングルを形成。次いで「佐賀県(19%)」、「山口県(17%)」と続く。

<福岡県を起点にした移動エリア比較>

図4 福岡県を起点にした移動エリア比較                                                      上部棒グラフ数値は全回答者(Total)の訪問者率

福岡県を起点としたそれぞれの都道府県への訪問率を見てみると、「福岡県⇔大分県間での移動(34%)」、「福岡県⇔熊本県間での移動(32%)」が多く発生していることが推察される。また、相互間移動だけではなく「福岡県」「大分県」「熊本県」を実際にトライアングルで周遊している旅行者も17%となっている。

<旅行目的/同行者>

図5 旅行目的 上部棒グラフ数値は各回答者(Total)の回答率<MA>TOP10項目を抜粋
図6 同行者 上部棒グラフ数値は各回答者(Total)の回答率<MA>

旅行目的は「買い物/ショッピング(41%)」、「食べ歩き(39%)」などの都市型観光がTOPな一方で、「自然・景勝地の観光(29%)」「温泉入浴(24%)」などの目的型観光が続く。福岡県での観光では都市型観光を楽しみ、それぞれの目的によって九州他県の観光を組み込むスタイルが推察される。また、「日本のポップカルチャーを楽しむ(18%)」が高ランクにつけており、コンテンツ型観光にも集客が見込めるポテンシャルがある。旅行の同行者は「配偶者(30%)」「子ども(24%)」と家族旅行がTOPとなっており、次いで「友人(20%)」「母親(18%)」「恋人(15%)」「ひとり(15%)」と続く。

<宿泊形態/旅行意識>

図7 宿泊形態/旅行意識 上部棒グラフ数値は各回答者(Total)の回答率<SA>                                        旅行意識においては、各解答者(Total)の旅行意識6段階聴取(非常にそう思う/かなりそう思う/ややそう思う/あまりそう思わない/かなりそう思わない/まったくそう思わない)のうち、「非常にそう思う」回答者率のTOP3、BOTTOM3設問を抽出

宿泊施設は「ビジネスホテル(34%)」が最も多いものの、グレードの高い「シティーホテル(33%)」「ラグジュアリーホテル(18%)」「リゾートホテル(15%)」「旅館(14%)」と単価の高い宿泊施設を選ぶ傾向も強い。一方で、「民泊(11%)」を選ぶ旅行者も一定数存在した。旅行意識においては「都市部だけに限定せず、観光スポットやお店をいろいろ回りたい」「旅行においては、有名な場所やお店でなくても、自分の中で気になった場所やお店に行くことが楽しい」「多くの観光客で混雑している観光スポットやお店よりも、穴場的なスポットやお店を選びたい」という意識が高く出ており、自分自身の感性や目的に沿った「My Fit Travel」を重視する傾向がみられる。

2)各エリア訪問者の特徴について

<エリア別来日回数>

図8 エリア別来日回数 上部棒グラフ数値は各エリア総計(Total)の回答率<SA>

韓国エリア来訪者は「3~5回目(36%)」、「10回以上(22%)」という回答が最も多い。

台湾エリア来訪者は「6~10回目(27%)」という回答が最も多く「今回が初めて(9%)」という回答が最も少ない。

中国エリア来訪者は「今回が初めて(24%)」という回答が最も多く、「10回以上(11%)」という回答が最も少ない。

香港エリア来訪者は「今回が初めて(18%)」という回答と「10回以上(21%)」という回答がそれぞれ高くなっている。

<エリア別訪問同行者>

図9 エリア別今回の九州旅行の同行者 上部棒グラフ数値は各エリア総計(Total)の回答率<MA>

韓国エリア来訪者は、「父親(7%)」、「母親(12%)」との家族旅行が少ない傾向にあり、「恋人(17%)」、「配偶者(29%)」、「友人(20%)」、「ひとり旅(16%)」といった同行者との旅行割合が高い。

台湾エリア来訪者は「子ども(31%)」や「配偶者(35%)」、「父親(14%)」、「母親(27%)」といった2世代または3世代家族の割合が高く、「恋人(11%)」や「一人旅(9%)」の割合が低い。

中国エリア来訪者は「配偶者(30%)」、「子ども(25%)」との2世代旅行や「ひとり旅(18%)」の割合が高く、「恋人(12%)」の割合が低い。

香港エリア来訪者は「父親(16%)」、「母親(26%)」など両親との旅行割合が高く、「恋人(26%)」との旅行割合も顕著に高い。

<エリア別訪問場所>

図10 エリア別訪問場所・移動経路比較 マップ上に各エリアアンケート聴取サンプルの訪問場所・移動経路をプロットした図

韓国エリア訪問者の行動ルートは「福岡市近郊」「北九州市近郊」「大分県由布市・別府市近郊」のトライアングルを形成しており、その他スポットへの訪問が少ない。特に他エリアと比較して「熊本県」への入込率が顕著に低いことが特徴。

台湾エリア訪問者の行動ルートは「福岡県」「熊本県」「大分県由布市・別府市近郊」のトライアングルを形成しており、「熊本県」への入込率の高さが特徴。また、特異的なスポットとして「宮崎県高千穂町」「福岡県柳川市」に他エリアよりも多く訪問している。

中国エリア訪問者の行動ルートは「福岡県」「熊本県」「大分県由布市・別府市近郊」のトライアングルと合わせて、「鹿児島県」への入込率が唯一高い。また、「長崎県長崎市」「佐賀県佐賀市」への訪問率も他エリアと比較して高く、広いエリアで九州を周遊していることが伺える。

香港エリア来訪者の行動ルートにおいても「福岡県」「熊本県」「大分県由布市・別府市近郊」のトライアングルを形成しており「福岡県糸島市」「佐賀県鳥栖市」「大分県宇佐市」への訪問が他エリアと比較して高くなっている。

3)訪九アジア生活者の分析から見えた5つのクラスター

本調査における調査・分析から、「訪九アジア生活者」の旅行意識や行動特性を5つのクラスターに分類しました。

<クラスター①:堅実バランス旅派 n=464> 

しっかりと情報収集を行い旅の計画を立てる慎重派。その場でしか楽しめない体験を重視

台湾エリア来訪者の比率が高く、中国エリア来訪者の比率が少ないのが特徴。他クラスターと比較して、インフルエンサー・SNSの情報や周囲の意見を参考に、金額相応の体験価値があるかを慎重に見極め旅行行程を決める傾向がある。自身の子どもや配偶者との家族旅行の割合が高い。ショッピングや食べ歩きよりも、史跡の見学や伝統文化体験。アウトドアアクティビティや現地の大衆料理を楽しむなど、その場でしか楽しめない「体験」を重視する。

<クラスター②:映え話題性重視旅派 n=82>

SNS投稿を意識した旅行スタイル。第一発見者になるよりもトレンドフォローを重視

韓国・中国エリア来訪者でおよそ7割を占めており、20~30代の若年層が中心。 自身が情報を発信したいという意識が高いわけではなく、口コミや評判の良い観光スポットを下調べしたうえで、「間違いのないスポット」を好む傾向が強い。同行者は「友人」との旅行割合が顕著に高く、食べ歩きやショッピングが旅行の主目的。

<クラスター③:趣味と品質追及旅派 n=190>

王道旅よりも、自身の満足する体験ができるかどうか。こだわりオーダーメイド旅を楽しむ

日本旅慣れしており訪問回数が多い。信頼する投稿は、有名人の発信やいいね数の多さではなく、自分の興味関心にフィットするかどうかが大事。自分へのご褒美として少し価格帯の高い旅館での宿泊をしながら、食べ歩きを楽しむことが推察される。バスの利用も顕著であり、王道ではないスポットも楽しんでいる様子。

<クラスター④:よくばり満喫旅派 n=55>

朝から夜まで九州を楽しみつくす。オールナイト満喫旅を求めるよくばり派

中国・台湾エリア来訪者でおよそ7割を占めている。宿泊地はビジネスホテルかラグジュアリーホテルがトップ2である中、訪問先としてはナイトスポットが特徴的。日中は北部九州の王道エリアを中心に観光しながら、夜までホテルやナイトスポットを満喫する「オールナイト満喫型」の旅をする様子が推察される。

<クラスター⑤:隣町ぶらり旅派 n=54>

「旅というよりもお出かけ感覚」福岡中心に頻度高く来日を重ね、新しい価値観を持つ

韓国エリア来訪者で7割を占めている。20代男性や30代女性が中心でありながら、旅慣れた旅行者であることが伺える。福岡市近郊を拠点に観光を行いながら、従来の韓国エリア来訪者の観光ルートと異なり温泉を楽しむ「福岡-大分」ルートではなくテーマパークをルートに加える「福岡-佐世保」ルートの比率が高いなど、既存ゴールデンルートに依らない新ルートを開拓するポテンシャルが見受けられる。

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


関連リンク
https://h-paddle.jp/
ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

株式会社九州博報堂

5フォロワー

RSS
URL
-
業種
サービス業
本社所在地
福岡県福岡市中央区天神1-4-1 西日本新聞会館14階
電話番号
092-711-3111
代表者名
江﨑信友
上場
未上場
資本金
6000万円
設立
-