NewsRelease/NPOカタリバ、環境や課題が共通する学校同士で探究カリキュラムを相談する「カリキュラム相談会」を開始

2022年度から教科化「総合的な探究の時間」の教員支援

認定特定非営利活動法人カタリバ(本部:東京都杉並区、代表理事:今村久美、以下 カタリバ)は、実践型探究学習プログラム「マイプロジェクト」事業の一環として、全国の高校を対象に、探究カリキュラムについて検討を行う「カリキュラム相談会」を月に1回程度開催します。

■開始まであと1年を切る中、約4割の教員が「準備していない」総合的な探究の時間
「探究学習のカリキュラムについて検討する十分な時間が取れない」
「教科書もなく、何を参考にカリキュラムを考えればよいのかがわからない」
「始めたばかりで、今取り組んでいることをこのまま続けて良いのか不安」
探究・マイプロジェクトを学校授業で実現しようと奮闘するパートナー教員からは、上記のような声が多く聞かれます。

総合的な探究の時間が新設された新学習指導要領の施行まであと1年となる中、38%もの教員が総合的な探究の時間に向けて「準備をしていない」と回答をしており、「準備をしていない」と答えた教員の3割は「カリキュラムがわからない」ことを理由にしているという調査もあります(※1)。

また近年教育現場では、学習指導要領等に基いた教育課程の編成と実施を行う「カリキュラムマネジメント」の重要性が叫ばれるようになりました。カリキュラム・マネジメントについて、中央教育審議会では「管理職のみならず全ての教職員がその必要性を理解し、日々の授業等についても、教育課程全体の中での位置付けを意識しながら取り組む必要がある」との発言もなされています(※2)。こと総合的な探究の時間については、探究を核に横断的なカリキュラムを展開することが期待されることから、カリキュラムマネジメントの軸になるものと考えられています。その意味でも、他校の探究カリキュラムとの比較を通して自校の探究カリキュラムを客観視することは、自校の強みや特異点を見出していくうえで重要な示唆を与えるものと考えられます。

一方、探究の取り組みが教育課程内で始まったばかりであるからこそ、先進事例は全国各地に散らばった状態のままであり、情報共有される仕組みもまだまだ発展途上です。かと言って、悩みや課題があっても校内に相談できる先があるわけではなく、教員が悩んでいてもそれを解決できないという問題があります。

上記のような背景から、2013年から探究・マイプロジェクトに取り組む全国の高校と協働してきたカタリバのマイプロジェクト事業は、ある程度類似した環境や課題感を持っている学校同士がオンラインでつながり、それぞれのカリキュラムやカリキュラムの遂行に伴う課題などを定期的に話し合う「カリキュラム相談会」を立ち上げました。
【出典】
※1:「「総合的な探究の時間」に関する高校教員を対象とした調査」株式会社クロス・マーケティング
※2:「中央教育審議会 初等中等教育分科会 資料1 教育課程企画特別部会 論点整理4.学習指導要領等の理念を実現するために必要な方策」文部科学省

■探究的な学びに悩みを抱える学校同士をつなぐ「カリキュラム相談会」
マイプロジェクト事務局では、高校生たちの主体的な探究やアクションを伴うマイプロジェクトの学びに伴走する教育関係者を対象としたコミュニティ「パートナー制度」を2019年度から展開しています。2020年度は455団体(うち学校322校)の登録があり、2021年度も既に500を超える団体にご登録をいただいています。



「パートナー制度」パートナー向けのサポートとして、探究・マイプロジェクトに関する情報誌の提供や先進事例校の教員をゲストに招いた月1回程度のオンライン勉強会の開催に加え、今年度新しく始めたのが「カリキュラム相談会」です。これは、探究的な学びを推進する学校の環境や課題感などにおいて、似たような状況にある学校の教員同士でペアを組み(期間中は原則同じペアでご参加いただくことを想定します)、定期的にカリキュラム相談を行うものです。

今年度、初回となる第一期(2021年5〜11月開催)には、公立学校8校、私立学校4校、合計12校の探究担当教員の皆様から、カリキュラム相談会への参加を表明をいただいています。

※プログラムのイメージ

今回ペアをつくる上では、
・人数規模(小規模、中規模、大規模)
・公立・私立
・学科の種類(普通科、工業科、商業科など)
・地方・都市
・学力層(進学と就職の比率)
・探究における課題感
などを参考にマッチングを図りました。

会の中ではペアの相手となる他校のほか、探究・マイプロジェクトにおいて先進的な取り組みをしてきた教員をゲストに招き、ペアの中では解消しきれない課題や悩みについても相談も行うことができます。

半年間をかけて、各校で取り組む探究・マイプロジェクトを個々の教員が自分の中に落とし込み、対話を通して抱える課題を解決したり、他校での取り組みを参考にしながら、自校の探究・マイプロジェクトの形をブラッシュアップしたりしていくことを目指します。

■参加予定校(所在都道府県のみ)
公立高校(宮城1、福島1、千葉1、埼玉1、長野1、静岡1、大阪1、滋賀1)
私立高校(三重1、京都1、愛媛2)

■「カリキュラム相談会」概要
・開催日時:原則として5〜11月の第四金曜日20:30〜22:00(祝日にあたる7/23については7/21に開催)
第一回(5月):ペア顔合わせ、各校のカリキュラムに関する情報共有
第二回〜七回(6月〜11月):カリキュラム進捗ならびに課題共有、先進校教員との対話
・場所:オンライン
・対象:下記の条件を全て満たすこと
 ▶探究・マイプロジェクトを教育課程内で実践している高校教員であること
 ▶半年間、参加する意志があること
 ▶自校で取り組む探究、マイプロジェクトの情報を他校に共有できること

※注意事項:上記のスケジュールはあくまで現時点での予定であり、変更される可能性があることをご了承ください。

▼パートナー登録フォーム
マイプロジェクト事務局では、8月からも第二期として同様の「カリキュラム相談会」を実施することを予定しています。参加を希望される方、興味をお持ちの方は、下記よりパートナー登録をお願いいたします。パートナー登録ではカリキュラム相談会以外にも様々なサポートを用意しております。
>>https://myprojects.jp/partner/form/
※締め切り:2021年8月31日(火)

■全国高校生マイプロジェクトについて
身の回りの課題や関心をテーマにプロジェクトを立ち上げ、実行することを通して学ぶために2013年から行っている高校生向け実践型探究学習プログラムです。高校への探究学習プログラム提供、教員向け探究学習勉強会を運営、事例校への直接支援を通し、小さくても実際に起こす「アクション」と、プロジェクトに対する「主体性」を育み、高校時代に正解のない問題に向き合い探究することで未来への創造力を引き出すための探究学習を日本全国の高校生に広げるための取り組みを行っています。

■認定特定非営利活動法人カタリバについて
どんな環境に生まれ育った10代も、未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指し、2001年から活動する教育NPOです。高校への出張授業プログラムから始まり、2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組んでいます。
<団体概要>
設立 : 2001年11月1日
代表 : 代表理事 今村久美
本部所在地 : 東京都杉並区高円寺南3-66-3 高円寺コモンズ2F
事業内容 : 高校生へのキャリア学習・プロジェクト学習プログラム提供(全国)/被災地の放課後学校の運営(宮城県女川町・岩手県大槌町・福島県広野町・熊本県益城町)/災害緊急支援(西日本豪雨)/地域に密着した教育支援(東京都文京区・島根県雲南市・島根県益田市)/困窮世帯の子どもに対する支援(東京都足立区)
URL :  https://www.katariba.or.jp/

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会社概要

URL
https://www.katariba.or.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
高円寺南3-66-3 高円寺コモンズ203
電話番号
03-5327-5667
代表者名
今村久美
上場
未上場
資本金
-
設立
2001年11月