セルファイバ、AMED CiCLE事業(ViCLEイノベーション創出環境整備タイプ)に採択 ~細胞医薬品の量産技術開発および拠点整備を加速~
細胞量産技術開発スタートアップの株式会社セルファイバがAMED CiCLE事業に採択、委託費最大8億円にて細胞製造技術開発および拠点整備費用として活用
細胞量産技術開発スタートアップの株式会社セルファイバ(本社:東京都江東区、代表取締役:柳沢佑、安達亜希、以下「セルファイバ」)は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和4年度「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)」に採択され、委託費用最大8億円にて細胞製造技術開発および拠点整備費用として活用いたします。本プロジェクトでは、細胞治療の普及に必要な製造規模である、1バッチあたり10の11乗個の細胞製造を医薬品グレードで実施可能な技術を開発します。また、細胞医薬品製造におけるスケールアップの課題を解決するためのプロセス開発拠点を整備します。
報道関係各位
《2022年11月11日》
株式会社セルファイバ
細胞量産技術開発スタートアップの株式会社セルファイバ(本社:東京都江東区、代表取締役:柳沢佑、安達亜希、以下「セルファイバ」)は、課題名「細胞ファイバ技術を基盤とした細胞大量製造プロセス確立と拠点整備」が国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和4年度「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)」の環境整備タイプにおいて委託費最大約8億円にて採択されたことをお知らせします。
本プロジェクトでは、細胞治療(※1)の普及に必要な製造規模である、1バッチあたり10の11乗個の細胞製造を医薬品グレードで実施可能な技術を開発します。また、事業の主旨に則り、細胞医薬品製造におけるスケールアップの課題を解決するためのプロセス開発拠点を整備します。
■背景
がんをはじめとする疾患・障害の画期的な治療法として、細胞そのものを投与して治療効果を期待する「細胞医薬品」が注目されています。細胞医薬品の臨床試験においては、安全性や薬物動態(※2)を検証する第I相試験が優先されるため、実製造には遠く及ばない小規模の実験で細胞の製造法が決定されるケースが多くあります。しかし、一度決定した製造方法の変更は細胞の品質に影響しうるためハードルが高く、結果として実験室スケールの製造方法で開発が進行することが、細胞医薬品の製造コストを押し上げる主因となっています。実際、細胞医薬品の薬価は1回分あたり数千万円と非常に高額であり、適用がごく一部の患者に限られているのが現状です。■本プロジェクトの目的
セルファイバは、細胞医薬品の開発初期段階から検討可能、かつ商用化を見据えた細胞製造技術の開発を目指します。セルファイバの独自培養技術「細胞ファイバ」(後述)を用いることにより、細胞の品質を担保しながら製造プロセスを大規模化し、大量製造による大幅なコスト減を目指します。製造規模は1バッチあたり10の11乗個を目標とし、閉鎖系かつGMP(※3)グレード下で製造可能とします。また、開発の成果を細胞治療の普及に繋げるため、細胞医薬品開発の初期段階期からセルファイバの技術を利用できるプロセス開発拠点を整備し、治療法の低価格化に貢献します。以上により、細胞治療がより手の届きやすい選択肢となる社会を目指します。
■「細胞ファイバ」について
細胞ファイバ技術とは、髪の毛ほどの細さの中空ハイドロゲル(※4)チューブ内に細胞を封入し、培養する技術です。内部の細胞に生体模倣的な微小環境を与えながら、機械的ストレスから防護し、容易にスケールアップ培養が可能です。また、培養の規模にかかわらず、細胞周囲の環境を一定に保てる特長から、良質な細胞を高密度で培養することができ、製造プロセスを効率化することができる特徴も持っています。セルファイバでは、本技術を用いて、複数細胞種で1バッチあたり最大10の10乗個の生産をすでに実現しており、質的同等性や安全性を示唆するPoC(※5)データも取得済みです。またGMP製造用装置はプロトタイプまで完了しております。
■セルファイバについて
東京大学発スタートアップであるセルファイバは、医療をはじめとした細胞産業の普及に貢献すべく、「細胞ファイバ」技術を利用した細胞量産技術の開発に取り組んでいます。細胞医薬品は再生医療・がん免疫治療等を中心に注目が集まる一方で、依然として手作業に依存した製造工程が主流であり、製造の合理化は喫緊の課題となっています。セルファイバは独自の培養技術を用いて高額な細胞医薬品の大量製造を実現し、誰もが細胞治療に手の届く社会を目指します。
(※1)細胞治療:細胞そのものを投与して疾患や障害の治療効果を狙う医療手段。
(※2)薬物動態:薬剤が体内に投与されてから排泄されるまでの過程
(※3)GMP:Good Manufacturing Practiceの略。医薬品等の製造業者および製造販売業者に求められる「適正製造規範」(製造管理・品質管理基準)のこと。
(※4)ハイドロゲル:固体が水を吸い込んで膨潤し、それ自体に流動性がないもの。ゼリー、寒天、吸水性高分子などはハイドロゲルの一種。
(※5)PoC:概念実証、Proof of Conceptの略。新たなアイデアやコンセプトの実現可能性やそれによって得られる効果などについて検証すること。
・株式会社セルファイバについて
・設立年月:2015年4月1日
・所在地:〒135-0031 東京都江東区佐賀2-9-8 MSC深川ビル2号館 107
・代表者:柳沢 佑、安達 亜希
・資本金:60,000,000円
・事業内容:細胞ファイバ技術を用いた、細胞大量培養ソリューションの開発
・公式サイト:https://cellfiber.jp/
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