株式会社Magic Shieldsと東京医科歯科大学との共同研究が、経済産業省主催第2回新事業創出ワーキンググループで紹介されました

~株式会社Magic Shieldsと東京医科歯科大学との共同研究により、「転んだ時だけ柔らかい床"ころやわ"」の衝撃吸収効果(=転倒骨折予防効果)を世界に先駆けて実証~

株式会社Magic Shields

2022年2月17日に経済産業省商務情報政策局 商務・サービスグループ ヘルスケア産業課主催の第二回新事業創出ワーキンググループが行われ、そのなかで国立大学法人 東京医科歯科大学(以下、東京医科歯科大学)(研究責任者:王耀東(整形外傷外科治療開発学講座))と株式会社Magic Shields(以下、マジックシールズ)が行っている共同研究の事例が取り上げられました。
本共同研究は、経済産業省ヘルスケア産業課(以下、ヘルスケア産業課)主催のヘルスケア系ビジネスコンテストである、ジャパンヘルスケアビジネスコンテスト(以下、JHeC)と、同じくヘルスケア産業課が運営するヘルスケア系ベンチャー企業などのワンストップ相談窓口であるHealthcare Innovation Hub(以下InnoHub)を介した共同研究であり、ヘルスケア産業課が取り組む、新たな産業の創出のためのヘルスケア・ライフサイエンス分野のエコシステムの構築政策の好事例として本ワーキンググループで紹介されました。 

 


■背景
2020年7月31日、我が国の健康・医療戦略を踏まえ、健康長寿社会の形成に資する新産業創出に向けて、官民一体となって具体的な対応策の検討を行うため、健康・医療新産業協議会が開催されました。
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/kenko_iryo/pdf/20201120_1.pdf

健康長寿社会の形成に資する新産業創出等の検討を行う健康・医療新産業協議会の下に、適正なサービス提供のための環境整備等について専門的な検討を行うため、2021年1月29日に第1回新事業創出ワーキンググループが開催されました。
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/kenko_iryo/shin_jigyo/001.html

第2回となる今回は、産・官・学から有識者が一堂に会し、今後の政策の方向性について議論が行われました。具体的には、以下​の4点に整理し、現状の政策の紹介とともに専有識者からのコメントや質疑応答が行われました。
  1. ヘルスケア産業を取り巻く状況
  2. サービスの信頼性確保
  3. データ利用促進
  4. 新たな産業創出

https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/kenko_iryo/shin_jigyo/002.html


■共同研究の概要と成果

大腿部近位部骨折は日本において年間約20万件発生しており、高齢化社会の進行に伴い今後さらに増加することが予想されています。

大腿部近位部骨折の臨床的な問題点として、機能障害を生じやすいこと、生命予後が不良であること、二次骨折リスク(脆弱性骨折のドミノ現象と呼ばれます)が高いことなどが挙げられます。

大腿部近位部骨折に関する医療・介護費は年間約2兆円にも達するとされており、医療経済的にも大きな課題であると言えます。
 

脆弱性大腿骨近位部骨折の予防には薬物療法(骨強度の改善)、運動療法(転倒予防)、住環境改善、ヒッププロテクターなどが有効と報告されております。

装着率が低いヒッププロテクターの代替策として衝撃吸収スポンジマットが用いられることがありますが、スポンジが柔らかすぎるために歩行・移動時の安定性に課題が残ります。
 

そこでマジックシールズは、歩行時や車椅子移動時の硬さと転倒時の衝撃吸収力を両立する荷重特性を構造で実現した、転んだ時だけ柔らかくなる置き床“ころやわ”を開発し(図1)、"ころやわ”を用いて医療・介護施設や家庭における転倒による脆弱性骨折を予防することで高齢者とその家族を守り、最期まで尊厳を持って生きられる社会を実現することをミッションに掲げています。
 

図1:転倒時にクッション効果を示す「ころやわ」図1:転倒時にクッション効果を示す「ころやわ」

 

JHeC2021にてマジックシールズがグランプリを獲得したことで、"ころやわ"の有用性について注目が集まっています。

さらなる"ころやわ"の普及のため、"ころやわ"の工学的エビデンスとともに、医学的エビデンスの必要性が考えられ、InnoHubサポーター団体である東京医科歯科大学が紹介されたところ、骨折治療と生体力学解析の専門家である整形外傷外科治療開発学講座王耀東先生が共同研究の意思を示し、2021年7月27日に共同研究契約が締結されました。

具体的には有限要素法という数値解析手法を用いて、床材による転倒衝撃吸収効果・脆弱性大腿骨近位部骨折予防効果を検証する目的で、実存する患者さんの大腿骨CT DICOMデータから大腿骨の三次元モデルをコンピューター上に作成し、転倒時に直接大きな外力が加わる大腿骨大転子部に各種床材の物性データに基づき作成した材料を接触させた転倒モデルでシミュレーションを行っております(図2)。
 

図2:CT有限要素解析による転倒モデルのシミュレーション図2:CT有限要素解析による転倒モデルのシミュレーション

 


高齢者を実際に転倒させ床材の効果を実験・実証することは倫理上決して許されることではありません。本共同研究における最大の特徴は、既存のCT DICOMデータを用いて生体力学解析を行うため、危険や不利益など患者さんへの直接的影響が全くないことであり、本共同研究を行うに当たっては東京医科歯科大学医学部倫理審査委員会に計画書を申請し承認され、機関の長の許可を得ております(2021年7月13日、第M2021-093番)。

本共同研究において、コンクリート床の上に各種床材を設置したモデルを作成し、転倒時エネルギーと同等の落錘式衝撃試験(質量11kg、落下高23cm)を再現した動解析で床材3種の大腿骨近位部骨折予防効果を比較検討した結果、医療・介護施設で一般的に用いられるビニルシート(2mm厚)では骨折が生じる状況において、歩行・移動時には硬く安定している"ころやわ"(22mm厚)が、柔らかいが歩行・移動時に不安定性なスポンジマット(40mm厚)とほぼ同等の衝撃吸収効果(=転倒骨折予防効果)を示すことが世界に先駆けて実証されました
(図3)。

 

図3:「ころやわ」による大腿骨近位部骨折予防効果のデータ図3:「ころやわ」による大腿骨近位部骨折予防効果のデータ


■まとめ
本共同研究は経済産業省のJHeCやInnoHubなどの政策をもとに始まった産学連携研究であり、このような取り組みが進むことで産学官エコシステムが促進されることが期待されます。
 

<東京医科歯科大学について>
名称: 国立大学法人 東京医科歯科大学
所在地 : 東京都文京区湯島一丁目5番45号
代表者 : 学長 田中 雄二郎
設立年月:1928 年 10 月
URL:http://www.tmd.ac.jp/index.html

<マジックシールズについて>
名称: 株式会社Magic Shields
所在地 : 静岡県浜松市中区鍛冶町100-1 ザザシティ浜松中央館 B1F・FUSE
代表者 : 代表取締役 下村 明司
設立年月 : 2019 年 11 月
URL : https://www.magicshields.co.jp/coroyawa/

<本件に関するお問い合わせ先>
◇ころやわ製品について
株式会社Magic Shields
お問い合わせ:https://www.magicshields.co.jp/inquiry.html
 
◇共同研究内容について
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科整形外傷外科治療開発学講座 王 耀東
E-mail : oh.orth@tmd.ac.jp

◇経済産業省のヘルスケア政策について
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科包括病理学分野 山本 浩平
E-mail : yamamoto.pth2@tmd.ac.jp

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会社概要

株式会社Magic Shields

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URL
https://www.magicshields.co.jp/coroyawa/
業種
製造業
本社所在地
静岡県浜松市中央区鍛冶町100-1 ザザシティ浜松中央館 B1F・FUSE
電話番号
050-1742-4400
代表者名
下村明司
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2019年11月