ガザの人びとの命をつなぐ継続支援『パレスチナ・ガザ緊急支援サポーター』募集中
国際協力NGOパルシック(所在地:東京都千代田区、代表理事:穂坂光彦)は、2023年10月以降、壊滅的な被害を受けているパレスチナ・ガザ地区において、人びとの命をつなぐ継続的な支援を届けるため、「パレスチナ・ガザ緊急支援サポーターキャンペーン」を開始しました。衛生用品の配付、子どもたちの栄養につながる支援、家庭菜園といった具体的な支援を、ガザの現地スタッフの声をもとに実施します。募集期間は、8月31日(日)まで。目標人数は、200名です。

ガザの人びとを支える「パレスチナ・ガザ緊急支援サポーター」とは
月額500円から参加できる継続寄付プログラムで、パルシックが現地スタッフと連携して以下のような支援を届けます。
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衛生用品(害虫駆除スプレー、清掃道具など)の配付
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養鶏農家と連携した卵の提供(栄養不良の子どもへ)
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生ごみコンポストによる家庭菜園支援
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新生児へ粉ミルクとおむつの提供
サポーターには、活動レポートの郵送や、パレスチナ駐在員との交流会のご案内をお送りします。
募集期間:2025年6月1日(日)~8月31日(日)
目標人数:200名
▶ 募集ページ:https://www.parcic.org/palestine_gazasuppoter_2025.html
ガザの今:5万5千人以上が死亡、9割が家を失う
2023年10月7日以降、ガザ地区は壊滅的な破壊に見舞われ、現在でもイスラエル軍による大規模攻撃は続いています。ガザでの死者は5万5千人を超え、人口の9割以上が家を追われて避難生活を余儀なくされています。軍事封鎖によって物資の入域が厳しく制限され、食料、水、医薬品、燃料など、あらゆる物が不足し、高まる餓死のリスクに加え、不衛生な環境下で皮膚病や呼吸器疾患、赤痢、シラミなどの病気や感染症も蔓延しています。


パルシックのパレスチナでの活動
パルシックは、2014年のガザにおける51日間戦争の後、パレスチナでの支援活動を開始しました。農家や女性世帯への農業支援、子どもたちへの心理ケアに加え、2016年からは、ヨルダン川西岸地区でも耕作放棄地への植樹や、生ごみを活用した堆肥づくりなど、地域循環を目指す取り組みを進めています。
2018年以降はガザ南部で女性グループを対象に酪農支援を行い、現在もハン・ユニス県において羊の畜産農家の生計向上支援を続けています。畜産農家は、食料難が深刻化する中でも、羊肉を地域の人びとに届けるべく、困難な状況下で飼育を続けています。
また、未曾有の人道危機が続く中、食料や衛生用品、衣類などの生活物資の配付、水タンクの設置などに加え、ガザで農業を続ける農家や、製造した乳製品を販売して避難民に届けることを目指す女性協同組合への支援も継続しています。


さまざまな緊急支援を届けています
2023年10月7日以降、パルシックは日本の皆さまからのご寄付を広く募り、またジャパン・プラットフォームの助成を受けて、さまざまな緊急支援を実施してきました。
ご寄付により、現金を116世帯に、新鮮な野菜や鶏肉を含む食料バスケットを313世帯に、おむつを135世帯に、仮設テント補強用のナイロンシートを120世帯に、水汲み容器を1,420世帯に、子ども服セットを940人に届けました。また、仮設トイレを3基、避難民キャンプに建設したほか、水へのアクセスが閉ざされていたガザ地区中部の8カ所の避難民キャンプに、飲料水用水タンク26基を設置しました。
あわせて、ジャパン・プラットフォームの助成金を活用し、ガザ地区中南部の避難民を対象に、食料バスケットを5,340世帯に、衛生用品を2,719世帯に、衣料品を900世帯に、農業資材を100世帯に配付しました。


サポーターとともに実現したい支援内容
ガザには、現在4名の現地スタッフがいます。彼らは自らも被災し、家族や大切な人を失うという経験をしながらも、日々、ガザの人びとのために支援活動を続けています。その4名が、今、もっとも必要だと考えている支援内容を紹介します。ぜひ、サポーターとして、パルシックのガザでの活動を支えてください。
◆ サハル(プロジェクトマネージャー)
「感染症の拡大を防いで、過酷な避難生活を続ける人びとの命を守りたい」
ネズミや害虫が増え、不衛生なテント生活を送る人びとの間で感染症の拡大が懸念されています。体力や免疫力の低下した人たちにとっては命に関わる問題であり、少しでも衛生環境を改善するため、衛生用品を届けたいと考えています。
▶15,000円で、1世帯分の衛生用品
◆ マハムード(畜産専門家)
「栄養不良の子どもたちに、新鮮な卵を。養鶏農家との協力で届けたい」
ガザでは卵の価格が高騰し、多くの人にとって手の届かない食べものになっています。飼料不足に悩む養鶏農家に飼料を提供し、代わりに卵を受け取って子どもたちに届けます。栄養不良の子どもたちと農家の双方を支える仕組みです。
▶ 12,000円で、飼料10kgと卵10個を交換
◆ タグリード(プロジェクトオフィサー)
「ごみを肥料やプランターに。食と環境を改善する家庭菜園支援」
戦争でごみ回収が止まり衛生環境が悪化。飢餓の危機にも直面するなかで、生ごみを肥料に、空き缶などのごみは容器として活用し、避難先で家庭菜園を広げたいと考えています。食の支援とごみ削減の両立をめざします。
▶ 8,000円で、苗とコンポスト作りの道具1セット
◆ アブダッラー(農業専門家)
「ガザに生まれてきてくれた赤ちゃんに粉ミルクとおむつを届けたい」
戦争のさなかにも、ガザではたくさんの赤ちゃんが生まれています。しかし粉ミルクやおむつは価格が高騰し、手に入れることすら困難になっています。小さな命を守るため、必要な物資を届ける継続的な支援の輪を広げたいと考えています。
▶ 12,800円で、1週間分の粉ミルクと10日分のおむつ2袋

パルシック代表理事よりメッセージ
いま私たちの眼前にあるのは、史上稀にみる人道危機です。ガザの2百万の人びとは水も食糧も医薬品も断たれ、子どもたちは餓死寸前の状態にあり、それでもまた今日も大量殺戮は続いています。それとともに、家を破壊された後もなお羊を飼い、チーズをつくって生活を守る女性たちや、空爆の下で彼女たちを励まし続けるパルシックの現地スタッフも、そこに暮らしています。
パレスチナそのものが抹殺されようとする中で、国際的な抗議を期待してきたパレスチナの人びとの声すら絶望とともに消え去ろうとしています。私たちは、なんとか日本からパレスチナの人びととともにあろうとする思いを送り続け、支援の輪を広げたいと考えます。それは停戦と復興に向けた国を越える市民ネットワークに連なることでもあります。
パレスチナサポーターとしてのみなさまのご意思は、ガザの人びとの生命と尊厳を守るための緊急物資として、そしてそれを通じてガザ市民への連帯の表明として、現地にお届けすることをお約束いたします。どうかパルシックと継続的に息長く行動を共にして下さるようお願いいたします。
(パルシック代表理事 穂坂光彦)
<お問い合わせ・団体概要>
特定非営利活動法人パルシック
広報担当:今村仙子
E-mail:office@parcic.org
▼パルシックとは
https://www.parcic.org/
特定非営利活動法人パルシックは、地球の各地で暮らす人と人が、国家の壁を越えて助けあい、支えあい、人間的で対等な関係を築くことを目指して活動するNGOです。国際協力とフェアトレードを主な活動内容としています。現在は、 東京のほかに、パレスチナ、レバノン(シリア難民支援)、東ティモール、スリランカに事務所があります。現地の方たちが農業や加工食品などで生計をたて、経済的自立はもちろん、誇りをもって、生活を送るためのサポートをしています。最近では特に、外国の占領や侵略あるいは紛争の下で、自立的な発展を阻まれた人びとが暮らしを取り戻す活動に力を入れています。
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