Shopify導入によりB2C/B2B/越境販売の一元管理を実現。エシカルペットブランドによる新たな事業展開への挑戦

18年目の商社ヘンリー株式会社が、新規事業Hoippoを通じて従来のビジネスモデルから脱却し、自社ECの構築に踏み切った背景とは。食品ロスの解決と新たな事業展開を目指す、Hoippoの挑戦を追う。

株式会社Tsuzucle

2025年1月6日 16時00分

本インタビューのポイント

商社として18年目を迎えるヘンリー株式会社が自社ブランドと越境ECを軸にビジネスモデルを転換
Shopifyを活用し、BtoC・BtoB・越境販売を一元管理
本当の「ペットの健康を考える商品」として環境配慮や食品ロス削減を掲げ、グローバル展開と新たな顧客体験の創出を狙う

1. 商社ビジネスの限界 - EC事業立ち上げの背景

従来のビジネスモデルで感じていた課題とは？

18年目を迎えた商社ヘンリー株式会社は、従来のビジネスモデルに根本的な限界を感じていました。輸出入ビジネスが一般化する中で、商社を通さずともメーカーやブランドが直接海外と取引できる時代が訪れ、中間業者である商社の立場は年々弱まっていました。

さらに、ペットフード業界特有の問題として、賞味期限が半年を切った商品は店舗で販売しにくくなり、返品や割引対応などをメーカー側が負担することが常態化していました。これにより廃棄ロスが増え、環境配慮を理念として掲げる私たちにとって、非常に大きな悩みとなっておりました。

なぜECサイト構築を選択したのか

店舗販売では難しかった在庫管理や利益確保の問題はもちろん、顧客に対して私たちが伝えたい想いや環境配慮の取り組みを直接お届けするため、私たちは自社ECを立ち上げ、オンラインで販売する道を選びました。

自社ECであれば、顧客とのダイレクトなコミュニケーション、定期購入モデル、そして賞味期限間近の商品をスムーズにオンラインでさばく仕組みを整えられます。単なる「利益確保」にとどまらず、「食品ロス軽減」や「環境配慮」といった私たちのコンセプトを直接伝え、ファンを育て、新たな価値を創出できると考えました。

2. Shopify導入の決め手 - グローバル展開への第一歩

Shopifyを選んだ理由は？

私たちがShopifyを選んだのは、シンプルな操作性や拡張性の高さ、そしてグローバル展開への柔軟な対応力に魅力を感じたからです。多言語・多通貨対応が容易なため、将来的に欧米市場を目指す上でも、Shopifyは理想的なプラットフォームでした。

例えば、従来であれば、商品説明を詳細に記すと、ページが文章過多になり見づらくなってしまいます。しかし、Shopifyのメタオブジェクトを使えば、複雑な情報を体系的に管理しながら、リッチなサイトデザインに自動で反映できます。このような柔軟性は、海外展開の土台となると確信しました。

どのような越境EC機能を実現したか

私たちは台湾の代理店と連携し、Shopify上で通貨・為替レート・言語対応機能を実装することで、台湾をはじめ海外のお客様にもスムーズにアプローチできる環境を整えました。

また、このECサイトを海外のパートナーや顧客に共有することで、Instagramや既存のオンライン販売チャネルでは十分伝えきれなかった「エシカル」「環境配慮」というメッセージも、国境を越えて直接発信できるようになりました。

3. Tsuzucleはシステム構築における技術的な強みが魅力

Tsuzucleとの協業で実現したこと

多くのITパートナーがいる中で、私たちがTsuzucleさんを選んだのは、細かな要望に対する迅速かつ的確な対応、そしてShopifyを最大限に活用できる技術力を評価したからです。

Tsuzucleさんは、私たちが希望する様々な要件を盛り込んだECを構築してくださいました。

BtoC、BtoB、越境ECの一元管理による業務効率の向上
顧客や商品ごとに異なる掛け率を、スムーズに管理できる卸売システム
ブランドの世界観を余すことなく表現しつつ、高い保守性を実現するデザインと情報設計
Shopifyの自動化機能やロジレスを駆使した日々の運用コストの削減

これにより少人数での運用が可能になり、私たちは本来注力すべき商品開発や顧客とのコミュニケーションにリソースを振り向けられるようになりました。

ブランドの世界観を表現するUI/UX

「エシカル」「環境配慮」というHoippoブランドの世界観を、Tsuzucleさんにサイトデザインの随所に反映していただきました。ユーザーが楽しめるポイント機能・お気に入り機能などを搭載し、使いやすさと世界観の両立を図っています。

また、複雑なカスタマイズ要望にも柔軟に対応してもらえたおかげで、ビジネス拡大時にもスムーズに機能を追加できます。こうした取り組みにより、私たちの考えや価値観をわかりやすく発信できる「場」として、ECサイトの完成度が格段に高まったと感じております。

4. プロジェクト成果と今後の展望導入後に感じた変化

ECサイトオープンからわずか2週間で売上が上がり始め、Instagramフォロワー1,800人との間に「より深い関係」を築ける可能性が見えてきました。ECを通じて顧客と直接つながることで、従来よりも顧客との距離が近くなり、定期購入や廃棄ロス削減につながる施策を展開しやすく、顧客からのフィードバックを受けながらブランド価値を高めるサイクルが生まれています。

将来的な事業展開

私たちは今後、ペット用品だけでなく日用品ブランドへの展開や、機能性と環境配慮を兼ね備えた新商品の開発、エシカルやオーガニック志向が強い欧州市場へも視野を広げ、アジア圏では「日本製品」への信頼を活かしながら事業拡大を図っていく予定です。また、業界全体で抱える賞味期限問題や在庫廃棄問題にもHoippoならではの解決策を提示し、持続可能なビジネスモデル構築の一端を担うことを目指しています。

5. 理想的なパートナーとしてのTsuzucle

なぜTsuzucleを選んだのか

Tsuzucleさんをパートナーとして選んだ背景には、補助金申請など幅広いサポートへの対応力、そして私たちのブランドコンセプトや理想を理解し、伴走してくれる姿勢があります。

他社では難しい細やかな要件にも応じてもらい、理想とするビジネスモデルの構築へと導いていただいたことは、私たちの信頼と安心感につながりました。

プロジェクトを通じて感じた手応え

越境EC、BtoB・BtoC、環境配慮を前面に打ち出したブランディング、これらをすべて1つのShopifyサイト上で統合的に運用できる仕組みを整えられたことは、Hoippoにとって大きな前進です。

Tsuzucleさんは単にシステム構築を請け負うのではなく、私たちが迷わず成長していけるよう、中長期的な視野でアドバイスや機能追加提案をしていただきました。Shopifyが持つ拡張性をフルに活用し、「何を優先すべきか」を明確化するその支援は、私たちが持続可能なビジネスモデルを実現する大きな助けとなっています。今回整えた基盤を活かし、私たちはさらにブランド価値を高め、理想とする方向へと向かって歩み続けていきます。