フィリピンの貧困層から世界に羽ばたく未来のリーダーが誕生

フィリピン・セブ島で貧困層の子どもたちに教育支援を行うNPO法人DAREDEMO HERO(理事長:内山順子)で、これまで支援を行ってきた奨学生3名が大学を卒業し、就職が決定したことをお知らせします。

NPO法人DAREDEMO HERO

フィリピンの貧困について

フィリピンでは経済成長が進む一方で、農村部や離島では貧困層が取り残され、都市部との格差が拡大しています。2023年の統計によると、全国の貧困率は10.9%ですが、一部地域では依然として高水準です。

貧困の主な要因は、低賃金・不安定な雇用、教育へのアクセス不足などが挙げられます。特に十分な教育を受けることができなかった子どもたちは、高賃金で安定した職に就くことが難しく、教育の格差が貧困の連鎖を生んでいます。また、頻発する自然災害や大規模火災が貧困層に大きな影響を与えています。

こうした課題に対し、DAREDEMO HEROは、貧困層の子どもたちへの長期的な教育支援を通じて、社会の変革を担うリーダーを育成し、持続可能な地域の発展を目指しています。

フィリピン・セブの貧困層の子どもたちを教育で支援する

フィリピン・セブの貧困層の子どもたちを対象に、小学3年生から大学卒業までの包括的な教育支援を2013年に開始しました。

現在57名の奨学生が在籍し、学費・教材費の支援に加え、栄養バランスの取れた昼食の提供、放課後の学習サポート、週末の特別授業、キャリアカウンセリングやリーダーシップトレーニングなど、多面的なサポートを受けています。

さらに、様々な体験学習を通じて、知識だけでなく経験を積んでいます。災害発生時等の緊急支援や医療支援に加え、保護者への教育も実施し、家庭環境の改善にも取り組んでいます。

奨学生から初の卒業生

今回、11年間の継続支援のもと、2013年より支援を開始した奨学生のうち、3名が大学を卒業し、それぞれ就職先が決定しました。

Rさんについて

Rさんは、陰で努力を重ねる性格でした。大きな声で主張することはありませんが、全体を見渡し、問題があればしっかりと指摘できる芯の強い人物に成長しました。彼女の青春時代は、家族の病気や死、パンデミックや台風など試練に満ちていました。学業へのプレッシャーから体調を崩したこともありましたが、信念を貫き、努力を続けました。

その結果、国内最高峰の大学を優秀な成績で卒業し、世界最大級の経営コンサルティングファームに就職。大学では高い成績基準が求められ、多くの学生がドロップアウトする中、彼女は4年間優秀な成績を維持し続けました。現在、サイバーセキュリティーの研修を受けながら、同世代の平均を超える収入を得ています。給料の一部は家族の生活費に充てながらも、貯金や自己投資を行い、人生を切り拓いています。

社会に出て、彼女はDAREDEMO HEROで学んだ時間管理やコミュニケーション能力の重要性を改めて実感しています。様々なバックグラウンドを持つ人々と関わる経験が、今の職場で大いに役立っているそうです。

Jさんについて

Jさんは、支援開始時は学校での成績はあまりよくありませんでした。しかしながら一貫して前向きに明るい性格で、周囲の人々を巻き込む力を持っていました。Rさんと同じく、彼女の家族も複雑な事情を抱えており、小さいころから学校内でスナックを販売したり、裁縫の仕事を請け負ったりと、自分にできることで家族を支えながら、勉強に励んでいました。

彼女のそのひたむきな努力が実り、高校、大学と進学するにつれて、彼女の学業面での才能も開花し、大学を成績優秀者として卒業することができました。さらに、難関の教員試験を見事に通過し、日本でフィリピン人外国語指導助手(ALT=Assistant Language Teacher)として働くことが決定しました。今回、Jさんは卒業校のプログラムで日本に派遣されます。

「他にもたくさん申し込んだ人がいるけど、私は他の誰よりも日本語が話せるし、日本のことを良く知っているから、選ばれた。DAREDEMO HEROの奨学生だったから、このチャンスをつかむことができた!」と報告してくれました。

DAREDEMO HEROでは、毎週末、日本語・英語・数学の特別授業を有資格教員が行っています。

担当スタッフコメント(現地教育プログラム担当者:MAY)

まず何よりも、自分の夢を見事に叶えた2人に「おめでとう!」と伝えたいです。私がDAREDEMO HEROで働き始めた6年前、Rはとってもシャイで、Jはとてもアクティブな女の子で、まるで正反対の2人に見えました。しかし、月日が経つにつれて、2人共に自分の夢を叶えて、家族や困っている人を助けたいという強い想いを持った子たちであることに気づきました。

これから、それぞれが別々の場所で活躍していきますが、DAREDEMO HEROで学んだことを活かし、私たちのミッション・ビジョンに沿って、地域や社会に貢献して欲しいです。

今後の奨学生支援について

今年、11年続けてきた奨学生に対する支援で、初めての卒業生が誕生しました。これから毎年、卒業生が生まれることで「未来のリーダー育成」のために行ってきたこの事業が、次なるステージへと進んでいきます。

当団体では、独自のリーダーシップカリキュラムを作成し、奨学生に対するリーダーシップ教育を実施しています。「未来のリーダー」とは何かを具体的に可視化し、卒業していく奨学生のブランディング化を確立していきます。

当団体の奨学生は、貧困層には決して実現できない様々な奇跡を起こしてきました。しかし、奨学生という守られた立場から社会に出た際に、厳しい現実という壁にぶち当たることは間違いありません。それでも、これまで築き上げてきた「志」を失うことなく、共に育んでくれる環境が必要です。そのような環境に求められる人材となり、卒業後の奨学生が各分野で基盤を作り、それぞれの問題を解決できる中核となって欲しいと思っています。

嬉しいことに、奨学生の中での連携が年々強固なものになっています。奨学生の中で組織された「生徒会」が円滑に機能し、奨学生同士での学びあいの場を増やしていくことで、今後の継続性が高まっていきます。卒業生も含めたDAREDEMO FAMILYの絆を深め、奨学生同士での組織運営が出来るように基盤を作っていきます。

特定非営利活動法人DAREDEMO HEROについて

DAREDEMO HEROは、教育の力で貧困問題を根本解決するために活動するNPO法人です。フィリピン・セブで貧困がゆえに勉強ができない子どもたちに教育支援を行い、この国の未来を変えるリーダーを育てています。これまでに、57名の奨学生に対する徹底した教育支援と、600世帯以上への自立支援を行ってきました。

また、多文化交流として、日本の学生を対象としたスタディーツアーやオンラインセミナーを実施しています。

理事長:内山順子

設立年月:2019年4月

所在地(日本):兵庫県西宮市羽衣町7-30 夙川グリーンタウン3F

所在地(フィリピン):800 Highway 77 Talamban Cebu City Philippines

主な活動:フィリピン・セブにおける教育支援・地域支援、多文化交流

HP:https://daredemohero.com

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会社概要

NPO法人DAREDEMO HERO

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URL
https://daredemohero.com/
業種
教育・学習支援業
本社所在地
兵庫県西宮市羽衣町 7-30 夙川グリーンタウン3F
電話番号
050-6865-6966
代表者名
内山順子
上場
未上場
資本金
-
設立
2019年05月