子育てを終えた親250名に調査「児童手当の使い道は?」
42%の回答者が「大学進学に備えるべき」と回答。ファイナンシャルプランナーが解説する「おすすめ使い道」とは?
2024年10月分から、児童手当が高校生まで拡充されます。そこで、セレクトラ・ジャパン株式会社(東京都渋谷区、代表取締役:グザビエ・ピノン)は、子育てが終わった親250名を対象に独自調査を実施しました。
▶調査結果の詳細:https://smart-moneylife.jp/guides/jidouteate-18yearsold
2024年10月分から、児童手当は主に「所得制限撤廃」、「高校生年代まで延長」、「第3子以降は3万円」など大きな変更がありました。それを踏まえて、スマートマネーライフ編集部は「子どもへのお金の使い道」に焦点を当てて徹底的に分析しました。
調査結果まとめ
1. 子育てが終わった親が選ぶ児童手当の使い道(児童手当ランキング)
自分たちが子育て中にかけた費用は「学習塾」が1位だが、アドバイスでは回答者の42%が「大学進学のための貯蓄・投資」と回答。「大学進学は想定以上にお金がかかった」と回答。
2. 子育てを終えた親がお金をかけた使い方、お金をかけて満足した使い道
回答者がかけた費用で最も満足度が高いのは「海外・ホームステイ」と「大学進学のための貯蓄・投資」と回答
勉強以外では、「部活」や「習い事」により、社会で生きる能力や精神力が鍛えられたと子どもへの影響を実感している。
3. ファイナンシャルプランナーが解説する「子どもの年齢別のおすすめ使い方」
保険・貯蓄・投資などの進学資金を用意するための方法別のメリットデメリットを解説
1. 「もし、いま月額1万円が支給されたら何に使う?」子育てが終わった親が選ぶ児童手当の使い道ランキング
質問内容:
もしお子様が中学生から高校生だった時に月額1万円の児童手当が支給されていたとしたら、今の社会情勢を考慮して、どの費用項目に優先的にお金をかけるべきだと思いますか?(「学費」もしくは「食費」「医療費」などの生活支出は含めません)
「子どもが中高校生だった時に、児童手当がもらえたら、何を優先するべき?」という質問に対して、児童手当は「教育関連」に使用するという回答者が68.4%を占めました。
続いて、「習い事」や「部活」が続きます。回答者数は少数ですが、これらの選択肢は「勉強以外に様々な経験をさせてあげたい」「こどもの得意分野を伸ばしたい。」といったような勉強以外の面を重視する回答者が集まりました。
ここから1位から5位までの回答者のコメントを紹介します。
1位:大学進学のための貯蓄・投資 42%
大学進学には多額の費用がかかるため、早めに貯蓄や投資をして備える必要があると考える人が多い結果となりました。
回答者の子どもが中高生だったころ、特にお金をかけていた項目は「学習塾・予備校」が1位でしたが、意外と学費にお金がかかったという後悔の経験をもとに進学費用を選択していました。
県外の大学に進学させるのには思ったよりもお金が必要だった。できるだけ本人が希望する進路を選ばせてあげたいと思った。
広島県65歳女性/専業主婦・主夫/子ども2人大学院修了(修士)、大学院修了(修士)
一方で、「留学を希望していたので準備していた。」といったように、前もって計画的に準備できていた家庭もありました。
高校卒業後留学の希望があったので、中学生の時から計画的に資金の準備をした。手当を他の用途に回さずその時子供に必要が無くても積立ておく
大阪府67歳女性/共働き(フルタイム)/子ども1人大学卒業
どちらの回答者にも共通するのは、「子供が希望する進路を金銭的な理由で諦めさせたくない。」「選択肢を与えたい」という意見は共通して見えており、子育て世代に向けたアドバイスも計画的な資金準備が最重要視されています。
より多額の資金が必要な事項だから。将来までを見据えた教育には予定よりかかるを覚悟し貯蓄し、その他制度の利用や子どもの可能性を的確に認識して費用で諦める選択をせず、資格によっては借金しても取れれば数年で元が取れる。進学を含め教育は親が子に遺せる大事な財産となる。
福島県54歳女性/シングル/1人大学卒業
2位:学習塾・予備校 26.4%
2位は学習塾・予備校でした。「身になるもの」「志望校合格のため。」といったような、子どもの目標や課題を達成するためのサポートとして有効な使い道になる。と考えて塾を選択した回答者が目立ちました。
基礎学力の向上と志望校の合格の為。なるべく本人に身につくものがベスト高校進学の際自分の選びたい高校が増えてよかった。
愛知県65歳/男性/共働き(どちらかパート)/子ども2人:高等学校卒業、高等専門学校卒業
また、月額1万円という児童手当の金額からしても、「塾代に充てるのが妥当」という考え方もありました。
学校教育だけでは不十分と思うから。限られた予算を選択的かつ集中的に使うのがいいと思う
長崎県68歳男性/シングル/子ども2人:大学卒業、大学卒業
3位 習い事(音楽、スポーツ、芸術など)8%
進学の費用や学習塾など、進学に関わる教育関係に回すとした回答者が多数でしたので、3位の習い事は、上位2項目と比べると一気に回答数が減ります。
しかし、「子どもの個性を尊重」「勉強以外の自己実現」など、学業以外の分野で幅広く経験を積むことを重視した回答者が集まりました。
目先の受験に捉われず、長い人生を楽しむため、また、苦しい時にも拠って立てる基盤を作ることが出来れば大きな財産となるから。社会に出て実感することは、確かに学歴で差が付く面はあるものの、大学入学時にピークを迎えたような人材では、ほぼ活躍出来ないことが明らかなので、人としての厚みを増し、引き出しを多くすることが大切だと思います。
茨城県64歳女性/共働き(どちらかパート)/子ども2人:大学卒業、専門学校卒業
4位 部活動の活動費(遠征・合宿費用など)5.2%
「今しかできないこと。」「子どもの意見を尊重したした使い道」として、部活動の活動費と回答した方が集まりました。
実際、回答者自身の子どもが中高校生の頃に、部活に熱中していたため、「部活やクラブ活動にはに費用が掛かる」という実感が強い方が多い印象でした。
県内ではスポーツエリート校のサッカー部員であり、試合の移動距離が長いため、活動費がかかるので、そこの補填に用いるのが合理的と考えた。親の意向と子供の意向がおおむね合致していれば親としては子供の進路に頭を痛める必要はないが、そうでない場合は、学習の意欲を削がないように対応することからやるべきと思う。
香川県56歳男性/共働き(フルタイム)/子ども3人:短期大学卒業、大学卒業、大学卒業
5位 テクノロジー機器の購入(パソコン、タブレットなど)4.8%
テクノロジー機器は現代では「必須」として、最新のIT環境や技術への対応力と実用性を重視した回答が目立ちました。無駄なく実用的に活かせる費用の使い道といえます。
テクノロジーの発達は早いのでそれに対応した機種を買い与えたいから。こどもにお金がかかっている時はとても負担にかんじたが、過ぎてみるとそれもまたいい思い出になると思う。
東京都63歳女性/共働き(フルタイム)/子ども2人:大学卒業、大学卒業
2. 子育てを終えた親が「特にかけた費用」と「その満足度」
ここまで、回答者のアドバイスが中心でしたが、ここから回答者自身の子どもたちが中高生だったころ、何に費用をかけてきたのか?その費用をかけてよかったのか?といった回答者自身の「経験」についての調査結果を紹介します。
特に費用をかけた費用項目トップ1は「学習塾・予備校」と回答
回答者の子どもが中学生・高校生だったころ、特に費用をかけた項目は「学習塾・予備校」がトップでした。
「学習塾・予備校」を選択した多くの回答者が、学習塾・予備校は大学や希望する学校への進学に向けて必要な学力を養うために利用したと回答としています。
「受験対策」「大学進学のため」「志望校の合格のため」子どもの具体的な目標を叶えるためとして費用をかけています。
進学・受験対策のため:
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中高一貫校から東大及び医学部を目指していたため、弱い教科に応じて塾や予備校を選んで通わせていた
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希望する大学へ合格するために必要な支出で、その費用をかけたことによって目的が達成できたから
学校教育の補完として:
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学校の授業だけでは足りないと思ったので、学習塾を選んだ。
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学校の学習だけでは足りないから
子どもの意志の尊重:
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本人が自ら塾に行きたいと言ってきたため
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本人がやる気を見せたのでお金をかけた
お金をかけて良かったと思う費用項目:「海外・ホームステイ」「進学のための貯蓄投資」
次に、各費用についてどのくらいお金をかけて良かったと思ったかについて調査をしました。
おおよそすべての項目で「とてもよかったと思う」または「よかったと思う」といった回答になりました。
満足の度合いが高かった「海外・ホームステイ」
海外・ホームステイに特に費用をかけたとした回答者は25名で全体回答者の10%でした。さらに「グローバルな視点を持ってもらえた」「自分のことは自分で決めるようになった」と、お金をかけただけよかったと思う回答者の割合も高い傾向にありました。
しかし、「海外・ホームステイ」に費用をかけた25名の回答者に関しても、もしいま児童手当を使えるなら。という質問では、40%が「進学のための貯蓄・投資」を選択しています。やはり資金準備は重要だと実感していることがわかります。
満足の度合いが高かった「進学のための貯蓄・投資」
次に、「進学のための貯蓄・投資」に特に費用をかけた回答者は176名で、全体の70%を占めます。それでも費用をかけてよかったと感じている回答者が多く見られました。
さらに、もしもいま児童手当を使えるなら。という質問でも、176名中87名約50%が「進学のための貯蓄・投資」を選択しています。
子育てを振り返って:子どもに影響を与えた費用項目
特に費用をかけた1位~3位の項目がどの程度子どもに影響を与えたのでしょうか。回答者の自由回答をもとに、スマートライフ編集部にて費用の影響の種類を4つに分類しました。
各分類ごとに、回答者が特に費用をかけた項目を集計し、全体の有効回答者数(245名)との割合を求めました。この割合から、影響力の高い費用項目を分類ごとに紹介します。
直接もしくは間接的に進路・職業選択への効果があった費用項目
直接影響した項目と、間接的に影響した項目については3位大学進学のための貯蓄・投資がもっとも回答人数は多い項目でした。全体回答者数に対して特に割合が大きかったのは、資格取得のための講座・検定、テクノロジー機器の購入でした。
成長・人格形成に対して影響があった費用項目
成長・人格形成に影響した項目に関しては、コミュニケーション能力や頑張る力など、勉強や進路に影響があったという回答を分類しました。
3. ファイナンシャルプランナーが解説「子どもの年齢別のおすすめ使途」
回答者よりここまで大学進学に備えるべきというアドバイスが目立ちましたが、本当に気になるのは実際月1万円で何ができる?ということ。
保険・貯蓄・投資などの進学資金を用意するための方法別のメリットデメリット、さらにどれだけ運用期間があるかによっておすすめ手段は変わります。ファイナンシャルプランナー専門家吉野祐一さんよりアドバイスをいただきました。
方法別(保険・貯蓄・投資)のメリットとデメリット
まず月額1万円の使い道としてどのような方法があるのでしょうか。代表的な方法とそのメリットデメリットを紹介します。
お子さまの成長に合わせたベストな使い道
1万円追加でできる家計の見直しポイント
大学進学時の費用が大きくなることで、長期での積み立てを行うことが大切になります。
子どもが小さいころから準備ができるのであれば、積極的に運用を行い、インフレ率よりも高い利回りを確保することで、実質でも資産を増やしていけ ることになります。
大学進学で考えなくてはいけないのは、学費だけではなく、家元を離れて大学に通う場合には、アパートや寮の費用、子どもの食費や光熱費など、出費が多くなります。もちろん子どもの人数が増えれば、さらにお金が必要になります。
額面だけに捉われず、実質の価値を考えた準備方法も必要です。
まず収入から余った分を貯蓄するのではなく、目的に合わせた貯蓄を優先して余った分で生活していくことも 考えて資金計画を行いましょう。
スマートマネーライフ編集長の考察:資金準備の重要性
スマートマネーライフ編集長の間瀬明子は、今回の調査結果から児童手当を利用した「資金準備の重要性」が浮き彫りになったと考えています。
調査の考察
・児童手当は大学進学資金の準備に充てるべきとの意見が多数
・「部活」や「習い事」は生きる力をつける
・子どもに「やりたいことをやらせたい」なら計画的な資金準備を
回答者の多くは、子育て中に学習塾へ特に費用をかけていましたが、もし中高生の頃児童手当をもらえるなら「大学進学のための貯蓄・投資」に使うという回答が目立ちました。
これは、大学進学に伴う費用が想定以上にかかったと感じる親が多かったことを示しています。
また、実際に費用をかけて満足度が高かった分野として「海外・ホームステイ」や「大学進学資金」が挙げられました。海外経験は異文化に触れ、視野を広げるため、子供の成長にとって非常に有益であると感じる親が多い一方で、アドバイスにおいては「進学費用の確保」を重視する回答が多く寄せられました。
勉強以外の分野の重要性を上げた回答者は少数でしたが、「部活」や「習い事」が子どもの社会での生きる力や精神力を養う場として、良い影響を与えたと評価する回答者が多く、アドバイスでも同様の費用にお金をかけるべきと回答が目立ちました。 子育てを振り返って重要な項目だったとを強く実感していることがわかります。
一方で、スポーツや芸術など、中高生の時点で特段の興味や才能がみられない場合には、 まずは大学進学の選択肢が重要であるため、そのための資金をしっかり準備しておくべきという意見もありました。
実際、大学在学中にやりたいことや、就職への希望などが具体的になったというコメントも見られました。
以上のことから、本調査結果から、計画的な資金準備に対する強い意識と準備は、「やりたいことをやりたい・やらせたい」という親子の希望を実現するために不可欠であることが明確になったといえます。
アンケート調査概要
調査結果URL |
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調査期間 |
■スクリーニング調査:スクリーニング調査:2024年10月20日 |
調査対象 |
■スクリーニング調査:2,000名(男性:1,440名、女性:560名) |
調査手法 |
インターネット調査 |
調査期間 |
アイブリッジ株式会社 |
調査内容 |
■スクリーニング調査 Q1:お子様の人数を教えてください。 ■本調査 Q1:お子さまが中学生から高校生までの間に、特に費用をかけた項目について、次の中から1番目から3番目までを順にお選びください。 Q2:中学生・高校生で特にかけた費用について「その他」と回答した方は、具体的にご回答ください。 Q3:1番目から3番目にかけたそれぞれの費用について振り返った結果、お金をかけて良かったと感じますか? Q4:特に費用をかけた項目について具体的にお伺いします。なぜそれらの項目に費用をかけようと考えましたか。また、その費用はお子様の進路や職業選択にどのように影響しましたか。 Q5:もしお子様が中学生から高校生だった時に月額1万円の児童手当が支給されていたとしたら、今の社会情勢を考慮して、どの費用項目に優先的にお金をかけるべきだと思いますか? |
本調査レポートのご利用について
※本調査の内容を引用される際は、以下のご対応をお願いいたします。
引用元が「セレクトラ・ジャパン株式会社 スマートマネーライフ編集部による調査」である旨の記載
アンケートの掲載ページのリンクと設置
アンケート調査リンク:https://smart-moneylife.jp/guides/jidouteate-18yearsold
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MoneySmith代表。ファイナンシャルプランナー相談者一人ひとりの状況に合わせた丁寧なアドバイスを心がけ、資産運用や保険、住宅ローンなど、幅広い分野の相談に対応。コラムやセミナーなどを通じて、お金の知識を広める活動も行っている。
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