内的世界の深層をたどりながら心の風景を繊細に描き出す作家・やましたあつこの個展「reflect」を、11月5日から12月3日までvoid+で開催します。

やましたはこれまで一貫して“邪魔のない幸せ”をテーマに、差別や暴力のない世界を描いてきました。幼少期のトラウマを原点に個人の内面と現実を往還しながら、内的世界を構築してきました。
その画面には、すべての動植物が対等にひとつの生命として描かれます。草木や色彩の粒がいっぱいに広がり、動きを感じさせる構図の中に、静謐さの奥に強い光を宿すまなざしの人物や、生命力あふれる植物が印象的に佇み、“内と外”、“動と静”が交わる世界が立ち現れます。




【やましたあつこ「reflect」】
■会期:2025年11月5日(水)-12月3日(水)
■時間:12:00-19:00
■レセプション:11月8日(土)17:00-20:00
■会場:void+ 東京都港区南青山3-16-14 1F
■主催:Azone+Associates / void+
■定休日:日・月 ■お問合せ:info@voidplus.jp
2020-2025年の紙作品を中心にした作品集「echo」を刊行

昨年、環境の変化を求めて渡ったベルリンでの生活は、曇天に覆われた街の風景に作家自身の“陰”の部分を共鳴させる経験となりました。当ギャラリーで初の個展となる本展では、そのベルリン滞在を経て制作された油彩作品約15点を展示します。
あわせて、隣接スペース@zone;では、作品集「echo」の刊行を記念した展示も同時開催します。
ベルリンでの個展「mirror」から続く、本展「reflect」、そして作品集「echo」。内面と現実との往還をテーマに、その距離感の変化を表すように名づけられた三部作として、自身と世界との関係をあらためて問い直す本展をぜひご覧ください。
7年前、私はパリにいた。
知り合いが滞在していたレジデンス施設を1ヶ月間だけ間借りして、せっかくの海外もあまり外出することなく絵を描いていた。
若い頃は怖いもの知らずというけれど、あの時の私はいろんなことが不安で怖い物だらけ。
施設内の森を散歩するだけで、引きこもっているのもどうかと思い、なんとなくドイツへ行った。
そこは薄暗く、すべての景色はグレーでとても魅力的だった。
陰気な自分と共鳴したのかもしれない。
私は今、ドイツにいる。
マティスがデザインしたロザリオ教会、ガウディのカサ・バトリョ、ギザのピラミッド、スイスのユングフラウヨッホ…
1年の滞在の間にできるだけ多くを見て吸収したいと、両手で数えきれないほど様々な場所を訪れている。
例のレジデンス施設にも再び足を運んだ。
それまではすっかり忘れていたが、懐かしさと共に手探りで進もうとする、か細い自分を思い出した。
今の私は、いわゆる怖いもの知らずで、人間らしくなってきたと思う。
でも、そうなれたのは、あの時の私が自分に負けずに頑張ったからだ。
タイムスリップできたら褒めてあげたい。
ありがとう、7年前の私
やましたあつこ 2025.11
やましたあつこ
1993年愛知県生まれ。2018年に東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業。主な個展に「eating a butterfly」HARUKAITO by ISLAND(東京、2025年)、「まなざしを綴る」Tokyo International Gallery(東京、2023年)、「王国のベール」GINZA SIX 銀座蔦屋アートウォール(東京、2022年)などが挙げられる。主なグループ展に「式畫廊開幕首展」SAN GALLERY(台湾、2022年)、「“Ampersand”旧图像世的挽歌」東京画廊 + BTAP|(北京、中国、2022年)、「TAION When we talk about our world.」Spiral Garden(東京、2021)など。主な受賞歴に「第35回ホルベインスカラシップ奨学生」(2022年)、群馬青年ビエンナーレ2019 入選(2019年)、シェル美術賞2018 藪前知子審査員賞(2018年 )など。作品は愛知県美術館にパブリックコレクションとして収蔵されている。
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