【人的資本調査:電子部品・デバイス】大手5社の年収×残業を一次情報で比較|キーエンス2,039万円、残業平均14.35時間
〜キーエンス34.8歳・平均年収2,039万円、京セラ残業13.1時間——「高収入×少残業」は両立するのか。同業界でも最大3倍の年収差を一次情報で可視化〜

株式会社エフペリが運営する、人的資本データのオープンインフラ「Career Reveal(キャリア・リビール)」は、電子部品デバイス業界の主要5社(キーエンス、TDK、村田製作所、ニデック、京セラ)について、有価証券報告書・統合報告書・サステナビリティレポート等の一次情報をもとに、平均年収と月間平均残業時間を横断整理し、比較可能な形で可視化しました。
スマートフォン・EV・IoT機器を支える電子部品デバイス業界は「高収入」のイメージが先行しがちですが、就活・転職の企業研究では、年収だけでなく「どのような働き方で報酬が構成されているか(成果主義・長期安定・公私峻別等)」まで含めた理解が重要です。本リリースでは、年収と残業の両面から、大手5社の"稼ぎ方・働き方"の違いを整理します。
※本リリースに掲載する各社データは、原則として最新開示(2025年期)を参照していますが、2025年期の開示がない企業については直近の開示(2024年)を参照しています。
■調査結果サマリー
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電子部品デバイス大手5社の平均年収は694万円〜2,039万円と、同一業界内で最大約3倍のレンジ。トップはキーエンス(2,039万円)で、平均年齢34.8歳という若さで国内上場企業トップクラスの水準を維持しています。
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キーエンスを除く4社(TDK 830万円、村田製作所 803万円、ニデック 760万円、京セラ 694万円)は700〜830万円台で推移しており、製造業全体で見れば高水準です。TDKは前年比+47万円、ニデックは+34万円と賃上げトレンドも継続しています。
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残業時間は、2025年期データを公表する2社(京セラ・村田製作所)の平均で月14.35時間。京セラ(13.1時間)、村田製作所(15.6時間)、ニデック(20.1時間・2024年期)と、最大でも月20時間程度に管理されており、「高収入=激務」という図式では捉えにくい実態がうかがえます。
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残業時間の業界平均は2023年期の19.97時間から3年連続で低下しており、DXやフレックス制の浸透による「時間当たりの生産性向上」が数字に表れていると整理されます。
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TDKとキーエンスは残業時間を非公表。キーエンスは「平日持ち帰り業務・休日業務連絡の禁止」を開示資料に明記しており、時間内での圧倒的な生産性を追求するモデルであることがうかがえます。
■平均年収ランキング(最新開示ベース)

1位 株式会社キーエンス:2,039万円(平均年齢 34.8歳/平均勤続 11.1年)
2位 TDK株式会社:830万円(43.2歳/17.2年)
3位 株式会社村田製作所:803万円(40.1歳/14.1年)
4位 ニデック株式会社:760万円(41.7歳/12.6年)
5位 京セラ株式会社:694万円(40.0歳/15.7年)
▼Career Reveal編集部の分析(年収)▼
本データからは、「年収の高さ」と「平均年齢・勤続年数の短さ」が相関する傾向が読み取れます。キーエンスの2,039万円はファブレス(工場を持たない)・直販体制による高粗利構造が原資であり、平均年齢34.8歳・平均勤続11.1年という若い構成での高報酬を実現しています。
一方、TDK・村田製作所・ニデック・京セラの4社は700〜830万円台ながら平均勤続12〜17年と長く、「定年まで安定して高水準を稼ぐ」生涯年収型の構造であることがうかがえます。「20代から爆発的に稼ぐ」のか「長期安定型の高収入を築く」のか、同じ業界内でも報酬設計の思想に明確な違いが示唆されます。
■残業時間(最新開示ベース)

・京セラ株式会社:13.1時間/月(有給取得率 約80%)
・株式会社村田製作所:15.6時間/月(有給取得率 約76%)
・ニデック株式会社:20.1時間/月(有給取得率 約73%)
・TDK株式会社:非公表(有給取得率 約73%)
・株式会社キーエンス:非公表(有給取得率 非公表)
(参考)2025年期公表2社平均:14.35時間/月
▼Career Reveal編集部の分析(残業)▼
公表2社の平均14.35時間/月は全産業平均(約18〜20時間)を大幅に下回っており、「電子部品業界=激務」というイメージは一次情報では支持されません。特に京セラは13.1時間と極めて低い水準を維持しており、フレックス制度・フリーアドレス化などオフィス改革による業務効率化の成果が表れていると整理されます。業界全体の残業時間は2023年期から3年連続で低下(19.97時間→16.63時間→14.35時間)しており、DX推進やスーパーフレックス制の浸透が時間当たり生産性の向上に寄与していることがうかがえます。
TDKとキーエンスは非公表ですが、TDKはコアタイムのないスーパーフレックス制度と在宅勤務制度を導入しており、キーエンスは「平日持ち帰り業務・休日業務連絡の禁止」を開示資料に明記しています。
■Career Revealの総合分析
Career Revealの分析では、電子部品デバイス大手5社は平均年収が694万〜2,039万円と最大約3倍のレンジを持ち、同業界内でも「報酬設計の個性」が鮮明に表れました。一方で、残業を公表する2社(2025年期)の平均は月14.35時間と全産業平均を大幅に下回っており、「高収入=長時間労働」という単純な図式では捉えにくいことが示唆されます。
とりわけキーエンスの「高年収×残業非公表×公私峻別」というモデルは、"時間内での圧倒的な生産性"を前提とした報酬設計として一線を画しており、他4社とは異なる働き方の思想を持つ企業であることがうかがえます。残業時間の非公表が即ち長時間労働を意味するわけではなく、開示のあり方自体が企業文化の一端を示している点にも留意が必要です。
今後の企業研究では年収水準だけでなく、「報酬の成り立ち(成果主義か長期安定か)」と「労働時間管理の透明性」をセットで見ることが、ミスマッチ低減につながると整理されます。
■公開記事(詳細)
電子部品デバイス業界(主要5社)総合比較:
https://www.career-reveal.com/articles/electronic-components-industry-workstyle
(関連:平均年収比較)
https://www.career-reveal.com/articles/electronic-components-industry-annual-salary
(関連:残業時間比較)
https://www.career-reveal.com/articles/electronic-components-industry-overtime
■調査概要
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調査期間:2026年3月時点で公開されている最新開示資料をもとに、2026年3月に収集・整理
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調査機関(調査主体):Career Reveal(株式会社エフペリ)
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調査対象:キーエンス、TDK、村田製作所、ニデック、京セラの計5社
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有効回答数(サンプル数):5社
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調査方法(集計方法、算出方法):各社の有価証券報告書、統合報告書、サステナビリティレポート等の公開一次情報をもとに、平均年収・月間平均残業時間に関する記載を収集・整理し、比較可能な範囲で横断比較を実施。企業により開示指標の定義、対象範囲、開示粒度が異なる場合があるため、その点を踏まえて集計・記載。
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情報ソース:有価証券報告書、統合報告書、サステナビリティレポート、ESGデータブック等(一次情報)
■注記
※年収データは、ニデックのみ2024年期、他4社は2025年期の最新開示に基づきます。
※残業・有給取得率データは、2024年期または2025年期の最新公開情報に基づきます。
※業界平均残業時間(14.35時間)は、2025年期に残業時間を公表している2社(京セラ・村田製作所)の平均値です。ニデックは2024年期(20.1時間)のため含まず、3社の単純平均は16.27時間となります。TDKおよびキーエンスは非公表のため、5社全体の平均を示すものではありません。
※全産業平均の年収(857万円)は、Career Reveal登録企業(TOPIX Core30/Large70/Mid400〔2025年10月改定前〕)を母集団とした平均値です。日本企業全体(未上場企業を含む)を母集団とする統計とは異なります。
※TDKおよびキーエンスは残業時間を非公表のため、「年収×残業」の横断比較は開示状況に依存します。
■Career Reveal(キャリア・リビール)について
Career Reveal(キャリア・リビール)は、人的資本データのオープンインフラとして、有価証券報告書やサステナビリティレポート等の一次情報をもとに、日本企業の人的資本データを横断比較・構造化するデータ基盤です。残業・離職率・有給取得率・研修・多様性などの指標を、企業別・業界別に整理し、企業研究や人的資本開示の理解を支援します。
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