入院中の子どもに付き添うご家族をサポートする、日本初の施設「ドナルド・マクドナルド・ファミリールーム 榊原記念病院」 2024年12月に開設1周年を迎え、記念イベントを実施
開設からの1年間でのべ1,259家族を支援、利用ご家族のインタビュー等を収めたスペシャルムービーを12月20日より公開
公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン(以下、DMHC)は、「ドナルド・マクドナルド・ファミリールーム 榊原記念病院」(以下「榊原記念病院ファミリールーム」)の開設1周年イベントを、2024年12月11日(水)に東京都府中市の榊原記念病院にて実施いたしました。
本施設は、2023年12月8日(金)に日本第一号の「ドナルド・マクドナルド・ファミリールーム」としてオープンした、子どもの入院に付き添うご家族のための「心と身体の休息場所」です。病院内に設置された、わが家のようにくつろげる温かな空間で、ご家族が子どもの側にいながらも医療スペースからひととき離れてリラックスし、食事や休憩をとることができます。多くの皆さまに支えられ、開設からの1年間でのべ1,259家族に合計6,000回以上ご利用いただき、同病院の付き添いご家族の約70%をご支援することができました。
そしてこのたび、開設1周年を記念し、「榊原記念病院ファミリールーム」の1年間のあゆみを振り返りながら、付き添いご家族へのエールをお届けする場として、記念イベントを実施いたしました。さらに、イベントの模様や利用ご家族のインタビューを収めたスペシャルムービーを、本日12月20日(金)に公開いたしました。
■スペシャルムービー「ドナルド・マクドナルド・ファミリールーム 1年間のあゆみ~笑顔のお守り~」概要
開設1周年記念イベントの模様や、施設のご紹介、利用ご家族へのインタビューを収めたスペシャルムービーを、12月20日(金)よりDMHC公式YouTubeチャンネルにて公開いたしました。
(スペシャルムービーのご視聴はこちら:https://youtu.be/bUFzPqU07IQ )
【利用ご家族からのお声(インタビューより抜粋)】
「ファミリールームでリフレッシュして子どもの元に戻ると、
笑顔でいられるし、子どもに優しくできる」
「心身ともに疲れたら、ファミリールームに行ける、と
心のどこかで考えている。お守りのような存在」
「子どもを置いて少し休憩することに最初は葛藤があったけれど、
自分のことも大切にしないと、子どものことも大切にできない」
■1周年記念イベントについて
2024年12月11日(水)に榊原記念病院にて実施した1周年記念イベントでは、1年間の活動報告および今後の取り組みに関するプレゼンテーションを実施。また、支援者の方々から応援メッセージをいただいたほか、ボランティアスタッフへの感謝状贈呈式や、「ハートフルカート」の出発式などを行いました。
開会の挨拶
(榊原記念病院ファミリールーム運営委員長/榊原記念病院長 磯部光章)
榊原記念病院の磯部院長が、関係者やボランティアへの謝辞を述べるとともに、日本第一号の「ドナルド・マクドナルド・ファミリールーム」を開設した背景や意義を伝えました。同施設がご家族の心と身体の休息場所としてうまく機能していることにも触れ、「私たちの活動を成功させることで、ファミリールームが全国に広がり、患者さんやご家族の幸せ、ひいては温かい社会づくりに貢献していきたい」と、今後の決意を語りました。
1年間の活動報告および今後の取り組みについて
(榊原記念病院ファミリールーム マネージャー 近藤二夫)
榊原記念病院ファミリールームの近藤マネージャーが、1年間の活動報告と今後の取り組みについて説明しました。これまで計6,000回以上、付き添いご家族の約70%にご利用いただいている中、今後もご家族の「ひとりじゃないと思える場所」と「ひとりになれる場所」という2つのニーズにお応えし続けるべく、「付き添いご家族の利用率100%を目指し、ひとりでも多くのご家族をサポートしていきたい」と、決意を新たにしました。
ご支援者からの応援メッセージ
(認定特定非営利活動法人キープ・ママ・スマイリング 理事長 光原ゆき氏)
ご来賓を代表し、キープ・ママ・スマイリングの光原理事長よりご挨拶をいただきました。付き添い入院に関するご自身の体験も交えながら、「お父さんお母さんが笑顔でいることが、子どもにとって何よりの力になり、薬になる」「付き添い入院で自分を見失いそうになる中で、このファミリールームは自分を取り戻すための大切な時間・場所だと思う」とお話しくださいました。
ボランティアスタッフへの感謝状贈呈式
ファミリールームの運営を支えるボランティアスタッフへの感謝をお伝えすべく、榊原記念病院の磯部院長から感謝状と記念品を贈呈しました。ボランティア代表として登壇された吉野昌子さんは、「こちらこそ、このような機会をいただいたことに感謝を申し上げたい。これからも利用されるご家族の“くつろぎのひと時”をサポートできるように取り組んでいきたい」と述べました。
「ハートフルカート」出発式
イベント当日からの榊原記念病院での新たな取り組みとして、日用品やおもちゃなどの「ちいさなギフト」を病棟にて無償で配布する「ハートフルカート」の出発式を執り行いました。会場内でお披露目されたカートに、参加者から、温かい想いを込めたギフトを載せていただきました。「ハートフルカート」は、イベント後に小児病棟で初稼働。病棟内の広場に登場し、多くの子どもたちとご家族が、笑顔でギフトを選ばれていました。
■「榊原記念病院ファミリールーム」運営実績(2023年12月~2024年11月)
利用実績 |
ボランティア実績 |
・利用ご家族数:のべ1,259家族 ・総利用回数:6,084回 ・総利用時間:1,734時間08分 ・1回あたりの平均滞在時間:17分06秒/回 |
・総登録者数:48名 ・総活動人数:のべ767人 ・総活動時間:2,300時間 |
■利用ご家族のお声
「ファミリールームを利用して、たとえ10分でもひとりで居るだけで気持ちが楽になりました。また新たな気持ちで子どもの元に戻ることができました。」
「疲れていたり、気持ちが沈んでいる時に、何気ない会話でもリフレッシュできました。」
■1年間の運営を振り返って~課題と今後の取り組みについて~
開設当初は、1回あたりの滞在時間の短さが課題に
この1年間で6,000回以上と多くのご利用をいただいたファミリールーム。ご家族からもポジティブなコメントを多数いただき、一定の役割を果たすことができたのではないかと考えています。一方で、開設後の半年間は、滞在時間10分以下のご利用が6割を超えるなど、ゆっくり過ごす方が少ないという課題を抱えていました。
その原因は、日々忙しく、かつ、お子さんのために自分のことを後回しにする生活が当たり前になってしまっている付き添いご家族に対して、「お子さんのためにも、自分自身のことも大切にしてほしい」「そのために少しでもゆっくり過ごしてほしい」という私共の想いやファミリールームの役割を、十分にお伝えしきれていなかったことでした。
その結果、せっかく来室していただいても、「ポットや電子レンジを使う」「食べ物を受け取って病室にすぐ戻る」といったご利用内容に留まってしまうことが多く、本来の目的である「ゆっくり腰を落ち着けて、心も身体も休息してもらう」ことが果たせずにいました。
「ミールプログラム」開始により、ゆっくりと過ごす利用者が増加
その解決策の1つとして、2024年7月に「ミールプログラム(お食事の提供活動)」を開始しました。以前より食事に関するご家族のお悩みは多く(コンビニ食で栄養が偏る、食費が負担、買う時間が無い等)、支援が必要であり、また、お食事なら召し上がる間は座ってゆっくり過ごしていただけるのではないかと考えました。
その結果、10分以下のご利用は4割に低下し、1回あたりの平均滞在時間が6分以上伸びるなど※、ファミリールームでゆっくりと過ごすご家族が増加しました。
これまで70回以上ミールプログラムを実施し、ご家族より「病院内では野菜不足になります。野菜を使った小鉢はとても嬉しかったです。」「おにぎりが心に沁みました。本当に美味しかったです。人が握ったおにぎりって、こんなに美味しいんだと思いました。コンビニでは味わえないです。」などのお声をいただいております。
※【1回あたりの平均滞在時間】2023年12月~2024年6月:14分15秒 → 2024年7月~11月:20分37秒
付き添いご家族の利用率100%を目指して
現在、付き添いご家族におけるファミリールームの利用率は70%と、まだ利用されていないご家族も一定数いらっしゃり、利用率向上が次の課題です。「心と身体の休息場所」として、全ての付き添いご家族にご利用いただけるよう、病院とさらに連携を図り、利用率100%を目標に1人でも多くのご家族をサポートしてまいります。
■ご支援のお願い~ご家族をサポートするためには、今後も皆さまのご支援が必要です~
ドナルド・マクドナルド・ファミリールームやドナルド・マクドナルド・ハウスの運営は、100%ご寄付・募金と様々なご支援で成り立っており、ご寄付や必要物品のご提供といった皆さまからのご支援を、今後も継続的に受け付けてまいります。詳細は、下記のDMHC 公式ホームページをご覧ください。温かいご支援をよろしくお願いいたします。
【ご寄付やご支援について https://www.dmhcj.or.jp/support/】
<参考資料>
■子どもの入院に付き添うご家族のための「心と身体の休息場所」ドナルド・マクドナルド・ファミリールーム
子どもの入院に付き添うご家族は、精神的にも肉体的にも、そして経済的にも大きな負担を抱えています。ドナルド・マクドナルド・ファミリールームは、こうしたご家族が、子どものすぐ側にいながらも医療スペースからひととき離れて、食事や休憩をとることができる施設です。
ファミリールームは、食事が摂れる飲食スペースやミニキッチン、仮眠も可能なマッサージチェアのほか、搾乳・化粧室などを備えています。お一人でゆっくりと過ごすことはもちろん、利用ご家族同士やファミリールームのスタッフとの会話で心をほぐすこともできます。費用については、ご家族の負担を考え、無料です。付き添いご家族が少しでも良いコンディションで子どもと向き合える環境を整えることは、子どもの笑顔や安心にも繋がり、患児とご家族が前向きな気持ちで治療に臨むうえで、大きな力となります。
ファミリールームは、「ドナルド・マクドナルド・ハウス」に次ぐ規模の主要プログラムとして世界規模で展開され、2024 年11 月時点で、世界30 の国と地域に272 ヵ所開設されています。日本では、第一号となる 「ドナルド・マクドナルド・ファミリールーム 榊原記念病院」が、2023年12 月にオープンしました。
(参考:開設時プレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000031680.html)
■入院中の子どもたちとそのご家族に、「ちいさなギフト」と笑顔を届けるハートフルカート
DMHCでは、ハウスやファミリールームの建設・運営だけではなく、入院・通院している子どもたちのQOL を向上させ、病気の子どもたちに笑顔を届けることを目的とした、シェア・ハート・フォー・シック・キッズ事業を展開しています。この事業の1つとして2020 年より開始した「ハートフルカート」は、入院中の子どもたちとそのご家族をサポートするため、日用品やおもちゃなどの「ちいさなギフト」を病棟にて無償で配布する活動です。ハートフルカートには、主に入院中の子どもたちが必要とする「文房具」「おもちゃ」「日用品」「絵本」や、付き添いご家族が必要とする化粧品などの「アメニティ」を載せて配布しています。現在15 か所の連携医療機関にカートが導入されており、このたび榊原記念病院にも導入が決定。2024年12月より稼働しています。
■「榊原記念病院ファミリールーム」概要
・住所:東京都府中市朝日町3-16-1
・アクセス:京王線 飛田給駅北口よりバスで約5 分/西武多摩川線 多磨駅よりバスで約6 分
・利用対象者:榊原記念病院に入院中の小児に付き添うご家族(きょうだい児は除く)
・利用料:無料
・運営時間:9 時から21 時まで(ミニキッチンおよび搾乳・化粧室のみ24 時間利用可能)
・運営開始日:2023 年12 月8 日(金)
・延床面積:59 ㎡
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