WIRED Sci-Fiプロトタイピング研究所、SF作家 小野美由紀氏が登壇、SFプロトタイピングで下水道の未来を考えるワークショップ開催
若者向け東京下水道発信プロジェクト「東京地下ラボ by 東京都下水道局」
東京都下水道局は、若者向け東京下水道発信プロジェクト「東京地下ラボ by 東京都下水道局~下水道の可能性を、想像力によって拡張する~」の一環として、下水道の未来を考えるワークショップを2021年11月27日(土)に開催しました。
本事業は、若い世代の下水道への関心を高めるため、東京下水道の新たな可能性や魅力を発信することを目的としています。令和3年度は未来の下水道や下水道を取りまく都市や社会がどう変遷しているのかを、「SFプロトタイピング」の手法を用いて下水道事業の新たな可能性について考えます。
「SFプロトタイピング」とは、SF(サイエンス・フィクション)を用いて未来を構想、それを起点にバックキャストして「いま、これから何をすべきか」を考察する技法です。
当日は、東京都下水道局が下水道の役割に関する講義を行った後、WIRED Sci-Fiプロトタイピング研究所とSF作家小野美由紀氏によるワークショップを実施しました。
ワークショップでは、2070年の下水道がある世界を創造することをテーマに、SF小説の構成を考えることを通して、未来の下水道のあり方をチームで考えました。小野氏は、「自分たちが考えた未来で主人公がもつ課題が何なのか、物語が進むうえでそれがどのように解決されるのかを考えていくと、道筋が見えてきやすい。」と話しました。学生たちは、小野氏のアドバイスに耳を傾け、下水道に関わる未来の物語について熱く議論をしました。
ワークショップの後半では、食糧不足で排泄という行為やトイレが神格化された世界に住む主人公の葛藤の物語や、温暖化で地球の水位が上がり土地が少なくなった世界で、地下に暮らす人々と地上に暮らす人々が分断してしまう世界の物語などが発表されました。小野氏からは、「既に考えられる未来の社会問題や世界観に、自分が考えるオリジナリティを入れ込んでいくことが大切。」、「さらにその世界で下水道のシステムがどのように進化しているのか考えることで、アイデアが深まっていく。」と講評しました。
参加学生は、この後、未来の下水道に関するアイデアを具体化し、イラストやグラフィック、小説などそれぞれが得意とする分野で作品を制作します。制作した作品は2月に開催予定の発表会、及び、東京地下ラボ特設サイトで公開予定です。
■講師プロフィール
小野 美由紀 (おの みゆき) 氏
1985年東京都生まれ。“女性が性交後に男性を食べないと妊娠できない世界になったら?“を描いた恋愛SF小説『ピュア』は、早川書房のnoteに全文掲載されるや否やSNSで話題を呼び20万PV超を獲得した。最新作は80年代の架空のアジアの都市を舞台にした『路地裏のウォンビン』〈U-NEXT〉。著書に銭湯が舞台の青春小説『メゾン刻の湯』〈ポプラ社〉、エッセイ『人生に疲れたらスペイン巡礼』〈光文社〉など。
「WIRED Sci-Fiプロトタイピング研究所」とは
WIRED Sci-Fiプロトタイピング研究所は、SF作家と未来を構想するコンサルティングサービスを提供する研究機関です。世界で最も影響力のあるテクノロジーメディア『WIRED』の日本版とクリエイティブ集団PARTYが協働し、2020年6月に設立されました。コンサルティングサービスを企業に提供するほか、プログラムの基盤となるワークショップやメソッドの開発、「WIRED.jp」などのメディアを通じた「SFプロトタイピング」に関する情報発信を行なっています。
本プロジェクトの内容は、参加学生が発信しているWEBサービス「note」※でご覧いただけます。
※文章やイラスト等の投稿を通して、クリエイターとユーザーとをつなげるWEBサービス
【東京地下ラボ by東京都下水道局note】 http://note.mu/tokyogesuido
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