エスケー化研に株主提案 創業家の少数株主軽視がもたらす6項目の課題
● バリュエーションと株価の低迷は、取締役会の少数株主軽視と上場企業としての責任感の欠如の表れ
● 東証スタンダード市場の上場基準をかろうじて満たしているだけで、株主数の基準(400人)を僅かに達成したに過ぎない
● 取締役会を支配する創業家は、少数株主からの企業価値向上のための控えめな提案を軽視
● 環境に関する方針や温室効果ガス排出量の削減目標もないという脆弱なガバナンスが、広範なステークホルダーに悪影響を及ぼす
アセット・バリュー・インベスターズ・リミテッド(本社:ロンドン、CEO兼CIO:ジョー・バウエルンフロイント、以下「AVI」)は本日、エスケー化研株式会社(以下「エスケー化研」、東証スタンダード市場:証券コード4628)に対し、低迷するバリュエーションと株価、そして上場廃止の危機に対処するために、エスケー化研の取締役会に対し6つの課題に関する株主提案書を提出しましたのでお知らせします。
エスケー化研の課題には、支配的な株主が存在する企業に顕著に見られる危機感の欠如、そして経営規律の脆弱さが反映されています。創業家は、株式の約40%を保有、意思決定は89歳の創業者に集中しており、強権的かつ保守主義的な企業文化が、広範なステークホルダーに影響を及ぼす環境への対応を含む、エスケー化研の発展を阻害しています。さらに、創業家が主要なマネジメント職に就いており、取締役の在任期間の平均は21年と長期にわたります。
エスケー化研は、優れたビジネスモデルを有し、国内の建築用塗料市場で支配的シェアを誇っているものの、EV/EBIT(企業価値/営業利益)倍率は0倍を下回り、ネット・キャッシュは時価総額の103%を占めています(2022年4月30日時点)。また、過去5年間において、株価は東証株価指数(TOPIX)を69%[1]、同業他社を32%[2]も下回り、利益は9%も減少しています。さらに、エスケー化研の株主数はわずか409人と、東証スタンダード市場の上場基準である株主数(400人)を僅かに満たしているにすぎません。
AVIは昨年、1株につき10株の株式分割および自己株式の90%の消却を求める株主提案を行いました。両議案ともに一般株主の強い支持を得ましたが(一般株主の議案の賛成率は、それぞれ55%、57%)、その後も取締役会は提案に応じていません。
エスケー化研は、2021年12月に株主優待制度を発表しましたが、これは株主数の増加と東証上場維持のためには無駄な試みとしか言いようがありません。この株主優待制度は、株式を100株以上保有している株主に対して(エスケー化研の株式100株は、2022年4月30日時点で3,550,000円に相当)、5,000円分のQUOカードを一枚配布する制度であり、実質0.14%の還元率にすぎません。
AVIは、5年前から少数株主の中でも保有割合の大きな株主として、エスケー化研との建設的な対話を試みていますが、会長および社長との面会は拒否され、対話にも進展が見られないため、エスケー化研の企業価値の持続的な向上と東証上場維持のために、下記の通り6つの株主提案を行いました。
記
(1) 普通株式1株を10株に分割することで、最低売買代金を東証上場企業のうち7番目に高い3,550,000円から355,000円に引き下げる。この株式分割により、株式流動性の向上と個人株主の獲得が期待される
(2) 自己株式438,400株のうち90%を消却する。エスケー化研は現在、発行済株式の14%を自己株式として保有しているが、M&Aや役員報酬などの使途を開示していない
(3) 配当金を1株当たり400円から800円に増額し、配当性向を30%とする。エスケー化研は貸借対照表の資産のうち、現金および現金同等物が約7割を占めており、利益を留保している
(4) 取締役の任期を1年に短縮する。コーポレート・ガバナンス強化の意識の高まりを背景として、日本企業では取締役の任期を2年から1年に短縮する動きが一般的となっている
(5) 独立社外取締役を2名以上選任する。コーポレートガバナンス・コードでは、支配的な株主(エスケー化研の場合は創業家)が存在する会社では、取締役会の3分の1以上を独立社外取締役とすることが要請されているが、エスケー化研の取締役会には独立社外取締役が1名しかいない
(6) 温室効果ガス排出量のうち、スコープ1およびスコープ2を開示する。エスケー化研は、最も基本的なサステナビリティポリシーさえも策定していない。コーポレートガバナンス・コードでは、企業がサステナビリティ課題への積極的・能動的な対応を推進することを要求している
一般株主の皆さまには、本株主提案に賛成していただくことによって、長きにわたって少数株主の利益を無視してきた支配的な株主の影響下にある経営方針に対して不支持を表明していただきますようお願い申し上げます。
AVIの主張の詳細を説明した資料および株主提案の全文は、特設ウェブサイト(https://www.assetvalueinvestors.com/ja/painting-a-better-sk-kaken/)でご覧いただけます。
以上
♯ ♯ ♯ ♯ ♯ ♯ ♯ ♯
AVIについて
AVI はロンドンを拠点とする投資運用会社で、20年以上にわたって日本株に投資しています。1985年の設立以来、35年以上にわたって株式市場に投資して参りました。AVI の投資チームは投資先企業の経営陣との対話を通じて、企業価値の持続的な向上に貢献することを目指しており、日本株への投資額は約780億円に相当します。
[1] 東証株価指数(TOPIX)はトータルリターンベース。出所:Capital IQ
[2] 日本ペイント株式会社(証券コード4612)、関西ペイント株式会社(証券コード4613)を参照。出所:Capital IQ
https://prtimes.jp/a/?f=d55611-20220519-c0dd8417a07d1f59c2a2d1bab82c41ed.pdf
● 東証スタンダード市場の上場基準をかろうじて満たしているだけで、株主数の基準(400人)を僅かに達成したに過ぎない
● 取締役会を支配する創業家は、少数株主からの企業価値向上のための控えめな提案を軽視
● 環境に関する方針や温室効果ガス排出量の削減目標もないという脆弱なガバナンスが、広範なステークホルダーに悪影響を及ぼす
アセット・バリュー・インベスターズ・リミテッド(本社:ロンドン、CEO兼CIO:ジョー・バウエルンフロイント、以下「AVI」)は本日、エスケー化研株式会社(以下「エスケー化研」、東証スタンダード市場:証券コード4628)に対し、低迷するバリュエーションと株価、そして上場廃止の危機に対処するために、エスケー化研の取締役会に対し6つの課題に関する株主提案書を提出しましたのでお知らせします。
エスケー化研の課題には、支配的な株主が存在する企業に顕著に見られる危機感の欠如、そして経営規律の脆弱さが反映されています。創業家は、株式の約40%を保有、意思決定は89歳の創業者に集中しており、強権的かつ保守主義的な企業文化が、広範なステークホルダーに影響を及ぼす環境への対応を含む、エスケー化研の発展を阻害しています。さらに、創業家が主要なマネジメント職に就いており、取締役の在任期間の平均は21年と長期にわたります。
エスケー化研は、優れたビジネスモデルを有し、国内の建築用塗料市場で支配的シェアを誇っているものの、EV/EBIT(企業価値/営業利益)倍率は0倍を下回り、ネット・キャッシュは時価総額の103%を占めています(2022年4月30日時点)。また、過去5年間において、株価は東証株価指数(TOPIX)を69%[1]、同業他社を32%[2]も下回り、利益は9%も減少しています。さらに、エスケー化研の株主数はわずか409人と、東証スタンダード市場の上場基準である株主数(400人)を僅かに満たしているにすぎません。
AVIは昨年、1株につき10株の株式分割および自己株式の90%の消却を求める株主提案を行いました。両議案ともに一般株主の強い支持を得ましたが(一般株主の議案の賛成率は、それぞれ55%、57%)、その後も取締役会は提案に応じていません。
エスケー化研は、2021年12月に株主優待制度を発表しましたが、これは株主数の増加と東証上場維持のためには無駄な試みとしか言いようがありません。この株主優待制度は、株式を100株以上保有している株主に対して(エスケー化研の株式100株は、2022年4月30日時点で3,550,000円に相当)、5,000円分のQUOカードを一枚配布する制度であり、実質0.14%の還元率にすぎません。
AVIは、5年前から少数株主の中でも保有割合の大きな株主として、エスケー化研との建設的な対話を試みていますが、会長および社長との面会は拒否され、対話にも進展が見られないため、エスケー化研の企業価値の持続的な向上と東証上場維持のために、下記の通り6つの株主提案を行いました。
記
(1) 普通株式1株を10株に分割することで、最低売買代金を東証上場企業のうち7番目に高い3,550,000円から355,000円に引き下げる。この株式分割により、株式流動性の向上と個人株主の獲得が期待される
(2) 自己株式438,400株のうち90%を消却する。エスケー化研は現在、発行済株式の14%を自己株式として保有しているが、M&Aや役員報酬などの使途を開示していない
(3) 配当金を1株当たり400円から800円に増額し、配当性向を30%とする。エスケー化研は貸借対照表の資産のうち、現金および現金同等物が約7割を占めており、利益を留保している
(4) 取締役の任期を1年に短縮する。コーポレート・ガバナンス強化の意識の高まりを背景として、日本企業では取締役の任期を2年から1年に短縮する動きが一般的となっている
(5) 独立社外取締役を2名以上選任する。コーポレートガバナンス・コードでは、支配的な株主(エスケー化研の場合は創業家)が存在する会社では、取締役会の3分の1以上を独立社外取締役とすることが要請されているが、エスケー化研の取締役会には独立社外取締役が1名しかいない
(6) 温室効果ガス排出量のうち、スコープ1およびスコープ2を開示する。エスケー化研は、最も基本的なサステナビリティポリシーさえも策定していない。コーポレートガバナンス・コードでは、企業がサステナビリティ課題への積極的・能動的な対応を推進することを要求している
一般株主の皆さまには、本株主提案に賛成していただくことによって、長きにわたって少数株主の利益を無視してきた支配的な株主の影響下にある経営方針に対して不支持を表明していただきますようお願い申し上げます。
AVIの主張の詳細を説明した資料および株主提案の全文は、特設ウェブサイト(https://www.assetvalueinvestors.com/ja/painting-a-better-sk-kaken/)でご覧いただけます。
以上
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AVIについて
AVI はロンドンを拠点とする投資運用会社で、20年以上にわたって日本株に投資しています。1985年の設立以来、35年以上にわたって株式市場に投資して参りました。AVI の投資チームは投資先企業の経営陣との対話を通じて、企業価値の持続的な向上に貢献することを目指しており、日本株への投資額は約780億円に相当します。
[1] 東証株価指数(TOPIX)はトータルリターンベース。出所:Capital IQ
[2] 日本ペイント株式会社(証券コード4612)、関西ペイント株式会社(証券コード4613)を参照。出所:Capital IQ
https://prtimes.jp/a/?f=d55611-20220519-c0dd8417a07d1f59c2a2d1bab82c41ed.pdf
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