NPO法人ASHA、ネパール小児科学会(NEPAS)と新生児蘇生トレーニングプロジェクトに関する覚書(MOU)を締結

特定非営利活動法人ASHA

ネパール僻地の医療アクセス課題に取り組むNPO法人ASHA(以下「ASHA」)は、2025年1月19日、ネパール小児科学会(Nepal Paediatric Society、以下「NEPAS」)と「新生児蘇生法研修強化プロジェクト」に関する覚書(MOU)を締結しました。

プロジェクトの概要

本プロジェクトは、ネパールの医療従事者および医療系学生に対し、最新の新生児蘇生技術の実践的な研修を提供することで、新生児死亡率の削減と持続可能な医療教育システムの構築を目指すものです。

プロジェクトの背景と重要性

ネパールでは、新生児死亡率が依然として高い水準にあります。その主な要因の一つが、出生直後に自発呼吸を開始できない「新生児仮死(birth asphyxia)」への適切な対応が十分にできていないことです。この状態は、適切な医療技術があれば高確率で救命が可能とされており、適切な医療介入とスキルの普及によって改善できるものとされています。

本プロジェクトでは、基礎から高度なケアまで幅広い対応方法を体系化し、シミュレーションを活用した実践的なトレーニングを提供することで、現場の医療従事者が即座に活用できる知識とスキルを習得できる環境を整備し、ネパール全土の周産期医療の質を向上させることを目的としています。

プロジェクトの実施計画

本プロジェクトは2025年1月に正式に開始しました。まず最初の1年間で、ASHAとNEPASは研修プログラムの開発に取り組み、現地での研修の普及を担う「コアトレーナー」の育成を進めます。このコアトレーナーが中心となり、ネパール国内各地で新生児蘇生技術の研修を実施し、さらなる医療従事者の育成を行う予定です。

また、新生児蘇生および「シミュレーション基盤型トレーニング」に精通した日本の専門家と連携し、ASHAのメンバーだけでなく、医療教育における実践的なスキルの指導経験が豊富な専門家も本プロジェクトの推進に関与します。

NEPAS代表 Dr. Arun Neopane氏のコメント

「新生児蘇生の強化は、ネパールの新生児死亡率を現在の出生1,000件あたり21件から、持続可能な開発目標(SDGs)のターゲットである12件未満に引き下げるための重要な施策の一つです。

小児科医や新生児科医の専門知識を活かすことに加え、特に地方で周産期医療に従事する医療従事者のスキル向上が求められます。

本プロジェクトで導入されるシミュレーション基盤型の蘇生トレーニングは、標準化された指導を実現するために非常に有効であり、ネパール全土に広く普及できることを期待しています。また、日本の専門家と協力し、ネパールの現場に適した持続可能なプログラムを開発できることを大変嬉しく思います。」

ASHA代表理事 任 喜史のコメント

「ネパールの小児医療および周産期医療をリードするネパール小児科学会(NEPAS)と共同事業を行えることを大変光栄に思います。

本プロジェクトは、単なる技術提供にとどまらず、日本の専門家の知見を活用し、持続可能な医療教育システムの構築を支援するものです。

ネパールの専門家が主体となり、医療従事者が新生児蘇生技術を継続的に学べる環境を整えることを目指しています。この取り組みがネパールの医療に変革をもたらし、未来の世代にまで続く意義深い成果となることを願っています。」

ネパール小児科学会(NEPAS)について

ネパール小児科学会(NEPAS)は、1981年にネパールの小児科医によって設立され、小児医療の発展を牽引してきた組織です。

NEPASは、ネパール政府保健人口省(MoHP)と協力し、小児救急医療、低出生体重児・病児のケアなどの重要分野において、医療従事者へのトレーニングを提供しています。また、小児医療に関するガイドラインやプロトコルの策定にも携わっています。

COVID-19パンデミック時には、小児の感染症管理に関するガイドラインを策定したほか、栄養プログラムや栄養支援のトレーニングにも積極的に取り組んでいます。さらに、健康教育やカウンセリング、子どもの権利保護に関する活動を行い、小児医療に関する研究を国内外の学術誌に発表してきました。

現在、IMCI(統合管理小児病対策)などの過去のプログラムに加え、MNCH(母子保健プログラム)を全国各地で実施しています。NEPASは、小児科医を一つのビジョンのもとに結集させ、政府および非政府組織の意思決定や政策策定を、研究とエビデンスに基づいて推進することを目標としています。この取り組みにより、ネパールの子どもたちに対し、迅速かつ高品質な医療を提供することを目指しています。

ASHAについて

ASHAは、ネパールの医療資源が不足する地域においても、必要な医療へアクセスできる環境の構築を目指しています。

主な活動

  1. 「コミュニティ」と「テクノロジー」の力を活用した、持続可能で信頼できる医療システムの構築

  2. ネパールの中学生を対象とした健康教育の推進

ASHAは、地域の既存リソースを活用することで、住み慣れた地域で健康に暮らせる仕組みを整えることを目指しています。ASHAの日本での活動は、多様な経験や想いを持つプロボノメンバーによって支えられています。ライフスタイルに合わせて柔軟に参加できる環境を提供し、多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まることで、新しい「仕組み」作りに挑戦しています。

団体概要

・団 体 名:特例認定非営利活動法人 ASHA

・所 在 地:東京都港区浜松町2丁目2番15号 浜松町ダイヤビル2F

・代 表 者:任喜史、サッキャ・サンディープ(代表理事)

・創   立:2015年10月1日

・主な活動内容:ネパールの地方医療現場における医療の質向上および効率化の支援

・メンバー数:日本:60名、ネパール:33名

・公式サイト:https://www.asha-np.org/

・Instagram:https://www.instagram.com/npo_asha_nepal/
【東京都より特例認定の認定を受けました】 

特定非営利活動法人ASHAは「特例認定NPO法人」として東京都より認定されました。そのため、当法人への寄付は寄附金控除の対象になり、確定申告で「所得控除」または「税額控除」を受けることができます。

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会社概要

特定非営利活動法人ASHA

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URL
https://www.asha-np.org/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都港区浜松町 2丁目2番15号 浜松町ダイヤビル2F
電話番号
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代表者名
任 喜史
上場
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資本金
-
設立
2017年10月