特別養護老人ホーム「介護ロボット「aams」活用で転倒リスク50%減と職員負担軽減」を実現

社会福祉法人元気村グループ

社会福祉法人元気村グループ(本社:埼玉県さいたま市、代表:神成 裕介)が運営する高齢者福祉・障害福祉サービス事業所「翔裕園」。そのグループ内施設の一つである特別養護老人ホーム「鎌ヶ谷翔裕園 (千葉県鎌ケ谷市)」にて「aams」の導入と活用法の見直しを行い、事故リスクの低減や昼夜逆転の改善、職員負担軽減といった成果を得た。

鎌ヶ谷翔裕園における介護ロボット「aams」の活用とその効果

介護業界では現在、人材不足が深刻な課題となっており、その影響で介護従事者の負担が増加し、介護の質にも影響を及ぼしている。この課題に対応するため、鎌ヶ谷翔裕園ではマット型の見守り支援介護ロボット「aams」を導入した。この取り組みを通じて、「aams」がどのように業務効率化やご利用者の生活の質向上に貢献できるかを検証した。

導入までのプロセスと初期対応

「aams」の導入は1月、実際の運用開始は2月に始まった。当初は職員が十分な理解を持たないままスタートしたが、導入直後から定期的な勉強会を実施し、操作方法や機能に関する教育を行った。勉強会では「aams」を提供する株式会社バイオシルバーの協力を得て、具体的な活用事例や操作上の注意点を共有した。

特に、見学先で得た知見を基に、心拍低下や呼吸注意といったアラート設定を全ご利用者に適用することを目指した。しきい値はご利用者ごとに異なるため、一人ひとりに合わせた設定を導入し、現場での適応力を高めた。


活用による成果

「aams」を活用した結果、いくつかの成果が確認された。

①看取りの兆候を早期に把握

心拍低下の兆候をアラートで通知し、ご家族への報告が迅速に行えるようになった。


昼夜逆転の改善

A様の睡眠データを活用して日中活動を調整した結果、昼夜逆転が改善された。

③転倒リスクの低減

A様の転倒件数は導入前の11件から6件に減少し、事故リスクを大幅に低減することができた。

④職員の精神的負担の軽減

リアルタイムで心拍や呼吸数を確認できることで、急変への迅速な対応が可能となり、安心して業務に取り組める環境が整った。

課題と今後の対応

一方で、いくつかの課題も明らかになった。

①操作の理解不足:職員の中には「aams」の操作やアラート音の設定を十分に理解していない人も多く、定期的な勉強会の継続が必要である。

②アラートの対応ミス:設定が不十分な場合にアラームが鳴り続け、適切なタイミングでのコール対応が困難なケースがあった。現場のみの視点で設定変更とならないように管理者のみが変更出来るようにすることで、些細な事も報告を徹底する運用に変更した。

③多職種連携の必要性:介護職員だけではなく、相談員・看護・環境整備を担当する職員も含めた全職種の連携が重要である。

④点検体制の強化:見学先では1日1回の点検を実施していたが、鎌ヶ谷翔裕園では未だ点検が不十分である。その為、日々の点検体制を整備しエラーを未然に防ぐ必要がある。

総括と展望

「aams」の導入によって、介護業務の効率化とご利用者の生活の質向上が一定の成果を上げた。特に、心拍や呼吸数をリアルタイムで確認できる機能は、介護の質を高める重要な要素となった。また、職員の精神的負担を軽減し、安全で安心な環境を提供する基盤が整備された。

今後は、マニュアルの作成や職員教育のさらなる充実を図り、「aams」の活用を施設全体に広げていく予定である。具体的には、看取りに関するマニュアルを作成し、アラート対応のルールを明確化することで、一貫性のある対応を実現する。また、ICTやIoTの活用を進め、資料作成や日常業務の効率化を図ることで、介護職員の負担をさらに軽減していきたい。

「aams」が持つ可能性を最大限に引き出し、業務効率化とご利用者の生活の質向上の両立を目指して、今後も取り組みを継続していく。

■施設説明:鎌ヶ谷翔裕園

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代表者名
神成裕介
上場
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資本金
-
設立
1993年01月