「eスポーツはすでに日常」全国調査で見えた日本の視聴習慣と成長の兆し
最近の全国アンケートでは、日本人の約4人に1人がeスポーツを視聴していることが明らかに。高校生大会や配信の盛り上がりを背景に、eスポーツはどのように日常へ浸透しているのでしょうか。

現在、急速に盛り上がりを見せている日本のeスポーツシーン。全国1,000人を対象とした最新の調査では、日本人の約4人に1人がeスポーツを視聴していることが明らかになり、その視聴者のうち3分の2が月に1回以上視聴しているという結果が出ました。近年では、高校生部門を中心としたプロモーション活動や大会開催が活発化しており、若年層を中心に幅広い年代で関心が高まっています。
視聴プラットフォームとしてはYouTubeが圧倒的な存在感を示しており、ライブ配信や切り抜き動画、クリエイターとのコラボなどが人気を集めています。さらに、リアルイベントや地域密着型のeスポーツ体験会、女性の参加者増加など、eスポーツを「観る・体験する」文化が少しずつ日常に根付いてきています。
また、日本のトッププレイヤーたちが世界大会でも活躍しており、EVO Japanのような国際的イベントの開催を通じて、国内外の注目もますます高まっています。「eスポーツはスポーツなのか?」という議論もあるものの、今回のデータからは、eスポーツが“ニッチな娯楽”から“日常的なエンタメ”へと進化しつつある明確な風潮の変化が見て取れます。
主な調査結果
・日本人の4人に1人がeスポーツを視聴 —— いまや「たまに観る」ではなく、「日常的に楽しむ」コンテンツに。
・視聴者の40%が週1回以上視聴 —— リーグや人気配信者のファンとして定期的にチェックする人が増加中。
・YouTubeが圧倒的な主流プラットフォーム(78%) —— eスポーツといえば、まずYouTubeで観るのが当たり前に。
・女性の参加が地域イベントを中心に拡大 —— カフェ大会や大学の交流会など、男女差を縮める動きも。
・家庭内でもeスポーツへの抵抗感は少数派に —— テレビや動画と同じように、気軽に楽しむ文化が浸透しつつある。
調査結果
日本人はどのくらいの頻度でeスポーツを視聴しているのか?
全体としては、まだ多くの日本人がeスポーツを視聴していないものの、視聴経験がある人(全体の約25%)の中では、継続的な視聴が定着しつつあることが明らかになりました。そのうち3人に2人が「月1回以上」視聴しており、さらに4割は「週1回以上」視聴しています。
これは、「たまたま観る」というような一過性の視聴ではなく、eスポーツを習慣として楽しむ層が確実に増えていることを示しています。

eスポーツ視聴者が最も利用しているプラットフォームは?
日本のeスポーツ視聴においては、YouTubeおよびYouTube Liveが圧倒的なシェアを誇り、約8割の視聴者が利用していることが分かりました。その一方で、OPENREC、ABEMA、Twitchなどの他プラットフォームは大きく差をつけられており、限定的な利用にとどまっています。
このようなプラットフォームの一極集中傾向により、クリエイターやチームはYouTubeを中心にファンとの接点を築く戦略が効果的であることが示唆されます。

eスポーツのリアルイベントに参加しているのはどんな人?
過去1年間にeスポーツ関連のリアルイベントに参加した人は全体の約2割にのぼりました。男性は女性の約2倍の割合で、大型会場での大会やeスポーツカフェのイベントに参加している一方で、女性はショッピングモールや大学などで行われる中規模の地域イベントへの参加が徐々に増加しています。
この傾向から、eスポーツが男性中心のコンテンツから、男女ともに楽しめる“体験型エンタメ”へと広がりつつあることがうかがえます。

結論
日本において、もはやニッチな存在ではなく、日常的な遊びの一部となりつつあるeスポーツ文化。 人口の4分の1がすでに視聴しており、その多くが毎週のように、YouTubeでの配信やハイライト動画、クリエイターとのコラボを通じてeスポーツを楽しんでいます。
視聴者はジャンルに対して柔軟で、特にスポーツ系や格闘ゲームに関心が高く、地域の小規模イベントやカフェでの集まりが新たな参加者を呼び込んでいるようです。家庭内ではeスポーツに対する抵抗感が減り、好奇心が高まりつつあることが伺えます。多くの家庭がeスポーツを他のエンターテインメントと同様に捉えており、その受容が文化の定着を後押ししています。
競技性の高い分野や大規模イベントにおける男女差は依然として存在しますが、男性も女性もそれぞれの形でライブやオンラインの体験を楽しんでいます。今後の日本にとって、 一貫したスケジュール、分かりやすいストーリーテリング、親しみやすい地域イベント、そして堅苦しくない空間づくりが鍵となります。着実に広がる週次視聴者層とともに、日本のeスポーツはただ成長しているだけでなく、成熟し、人とつながり、試合・配信・出会いを通して一歩ずつレベルアップしています。
調査方法
本調査は、セルフ型アンケートツール「Freeasy」を通じてオンラインで実施された2段階方式のアンケート調査です。
事前調査:スクリーニングアンケート(N=1,000)
調査実施日:2025年9月11日(日本国内)
eスポーツの認知度、視聴頻度、リアルイベントへの参加経験、家庭内での受け止め方、eスポーツを「スポーツ」として捉えているかどうかなどを質問し、結果を男女別に集計しました。
本調査:フォローアップアンケート(N=89名、eスポーツ視聴経験者)
調査実施期間:2025年9月26日〜10月1日(日本国内)
このアンケートでは、使用プラットフォーム、好まれるコンテンツ形式やジャンル、最近の支出状況、eスポーツベッティングに対する認知・関心など、より詳細な項目を調査しました。
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