高額なバイオ医薬品を「混ぜるだけ」で長期安定化 ナノ粒子ハイドロゲル技術を活用した生体分子保存安定化プラットフォーム「Gel Coat™」を開発
日経バイオテク掲載。コールドチェーン依存の低減に向けた革新的技術として、グローバル市場での展開を加速
株式会社Gel Coat Biomaterials(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:吉田 伸、以下「GCB」)は、独自のナノ粒子ハイドロゲル技術を基盤とした生体分子保存安定化プラットフォーム「Gel Coat™」の研究開発を進めています。
「Gel Coat™」は、バイオ医薬品、ワクチン、再生医療製品、診断薬などに用いられる酵素・タンパク質・抗体等の生体分子について、有効成分そのものを化学的に改変することなく、「混ぜるだけ」というシンプルなアプローチで保存安定性の向上を目指すプラットフォーム技術です。

酵素を用いた検証では、「Gel Coat™」配合条件において、従来は-30℃の極低温凍結保存が必要であった酵素について、4℃保存下において 28 日後も 80%以上の活性を維持することを確認しており、また、室温条件下でも60%以上の活性維持が確認され、体温に近い37℃の高温条件下でも一定の活性が残ることが示されています。
このたび、本技術およびGCBの事業展開について、ライフサイエンス分野の専門メディア「日経バイオテク」に掲載されました。記事では、「Gel Coat™」の技術的特徴に加え、ヒト応用を視野に入れた安全性評価、コールドチェーン依存低減への可能性、共同研究・ライセンス展開を見据えたパートナリング活動について紹介されています。
バイオ医薬品の普及を阻む「保存安定性」とコールドチェーンの課題
抗体医薬、ワクチン、酵素製剤、再生医療関連製品などのバイオ医薬品・バイオ由来製品は、高い治療効果や機能性が期待される一方、熱や保存環境の影響を受けやすく、製造・保管・輸送の各段階で厳密な温度管理が求められます。
そのため、冷蔵・冷凍物流を中心とするコールドチェーンの維持が不可欠となり、物流コストの上昇、供給可能地域の制約、停電・災害時の品質維持、低中所得国への供給などが大きな課題となってきました。
従来、こうした課題に対しては、有効成分そのものを改変する手法や、凍結乾燥などの製剤技術が用いられてきました。しかし、分子改変による活性低下リスク、製造工程の複雑化、追加設備やコスト増加といった課題があり、製品開発スピードや収益性にも影響を及ぼしていました。
Gel Coat™とは?「混ぜるだけ」で保存安定性の向上を目指すプラットフォーム技術
「Gel Coat™」は、GCBが開発するナノ粒子ハイドロゲル技術を基盤とした、生体分子保存安定化プラットフォームです。薬剤や有効成分そのものに化学修飾を行わず、シンプルな配合設計によって保存安定性を高める新しいアプローチです。
有効成分の分子構造を変えないため、生体分子本来の機能や活性を維持しながら、保存中の劣化を抑えることが期待されます。また、既存の製造プロセスに組み込みやすく、特別な設備や大掛かりな工程変更を必要としない点も大きな特長です。
「Gel Coat™」は、単一の製品に限定される技術ではなく、保存安定性が課題となる複数の市場に横断的に展開可能なプラットフォーム技術です。GCBは、「Gel Coat™」を通じて、生体分子の保存・輸送・活用に新たな選択肢を提供することを目指しています。

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項目 |
「Gel Coat™」の特徴 |
|---|---|
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基盤技術 |
GCB独自のナノ粒子ハイドロゲル技術 |
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アプローチ |
有効成分を化学的に改変せず、配合設計により保存安定性の向上を目指す |
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使用方法 |
「混ぜるだけ」のシンプルな方法で導入可能 |
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製造適合性 |
既存の製造プロセスへ組み込みやすく、大掛かりな工程変更を抑えられる可能性 |
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期待される効果 |
生体分子本来の活性・機能を維持しながら、保存中の劣化リスクを低減 |
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展開可能性 |
医薬品、診断薬、再生医療、高機能化粧品、産業酵素など幅広い領域へ応用可能 |
従来アプローチとの違い
「Gel Coat™」は、保存安定性の向上を目指す技術でありながら、有効成分そのものを変えない点、既存プロセスに組み込みやすい点、「混ぜるだけ」というシンプルな導入性を兼ね備えている点が特徴です。

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比較項目 |
従来技術で生じやすい課題 |
「Gel Coat™」のアプローチ |
|---|---|---|
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有効成分への影響 |
分子改変により活性低下や開発リスクが生じる場合がある |
有効成分そのものを化学的に改変しない |
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製造工程 |
凍結乾燥や特殊工程により、工程が複雑化する場合がある |
シンプルな配合設計により、既存プロセスへの適用を目指す |
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設備投資 |
追加設備や工程変更が必要となる場合がある |
大掛かりな設備変更を抑えられる可能性 |
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用途展開 |
製品ごとの個別最適化が必要となる場合がある |
複数市場に横断展開可能なプラットフォーム技術 |
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導入のわかりやすさ |
専門的な製剤工程が必要となる場合がある |
「混ぜるだけ」という直感的で簡便なアプローチ |
検証結果:4℃保存で28日後も80%以上の酵素活性を維持
酵素を用いた検証では、「Gel Coat™」を用いた場合、従来は-30℃の極低温凍結保存が必要であった酵素について、28日間保存後においても4℃環境下で80%以上の活性維持が確認されました。また、室温条件下でも60%以上の活性維持が確認されており、体温に近い37℃という高温条件下でも一定の活性が残ることが示されました。
従来条件では保存期間中に活性が大きく低下する一方で、「Gel Coat™」配合条件では、配合設計のみで活性維持が確認されています。これは、医薬品やバイオ由来成分の保存・物流における新たな選択肢となる可能性を示すものです。

事業インパクト:製造・物流・保管コストの低減に貢献する可能性
「Gel Coat™」は、単なる製剤改良に留まらず、バイオ医薬品やバイオ由来製品の開発・製造・物流コスト構造に影響を与える可能性があります。
有効成分を改変せずに安定化を図ることができれば、分子改変に伴う開発リスクや追加工程を抑えられる可能性があります。また、凍結乾燥や厳格な冷凍物流への依存を低減できれば、製造・保管・輸送コストの削減にもつながります。
「Gel Coat™」は、こうした製品の保存安定性を高めることで、輸送コストの低減、保管の簡素化、供給可能地域の拡大に貢献する可能性があります。
さらに、災害時・停電時など、安定した冷蔵・冷凍設備の維持が難しい環境においても、医薬品やバイオ由来製品の供給安定化に貢献することが期待されます。
想定される応用領域
「Gel Coat™」は、保存安定性が課題となる複数の市場に横断的に展開可能なプラットフォーム技術として、製薬・医療・化粧品・産業バイオ領域での共同開発が期待されます。
・抗体医薬、バイオ医薬品
・ワクチン、酵素製剤
・再生医療関連製品、細胞製品
・高機能化粧品、エクソソーム製剤
・産業酵素、バイオ触媒
・研究用試薬、バイオ素材
Gel Coat™ブランドについて
「Gel Coat™」は、Gel Coat Biomaterialsが展開するナノ粒子ハイドロゲル技術を基盤としたプラットフォームブランドです。
保存安定化技術に加え、非特異吸着抑制や表面改質技術など、ライフサイエンス分野から産業用途まで幅広い応用を可能にする技術プラットフォームとして研究開発を進めています。
GCBは、「Gel Coat™」ブランドを通じて、バイオマテリアル技術の新たな社会実装を推進してまいります。
株式会社Gel Coat Biomaterialsについて
当社は、東京大学発のスタートアップとして、独自のバイオマテリアル技術および表面機能化技術「Gel Coat™」の研究開発を推進しています。「生体適合性アメーバハイドロゲルにより生体物質を安定化する技術」をはじめ、持続可能な社会の実現と産業課題の解決に向けた革新的なソリューションを提供しています。
《会社概要》
設立: 2024年1月16日
代表取締役/共同創業者: 吉田伸
共同創業者:東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻 高井まどか教授
E-mail: info@gelcoatbio.com
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