EUおよび日本の政策立案者と専門家が集い、 迫り来る世界的な食料・気候危機への対応戦略を議論
「Farm to Fork(農場から食卓まで)」戦略に関する欧日ワークショップを東京で開催
ブリュッセル – 2022年11月2日 – より広範な「グリーンディール」を踏まえてEUが導入した「Farm to Fork(農場から食卓まで)」(F2F)戦略を支援する、EU出資のワークショップシリーズの一環として、EUと日本によるダイアログが2022年10月5日に東京で開催されました。農畜産業が引き起こす環境悪化に加え、食の安全と食料安全保障、健康的な栄養摂取、食品廃棄物削減などの問題に関して双方が共通の懸念を示し、総合的かつ長期的な措置を講じる必要性について合意しました。
新型コロナウイルス感染症の流行、ウクライナ危機、気候変動がもたらす異常気象により、グローバルな食料サプライチェーンと世界中の地域社会に混乱が生じ、食料不安のリスクに加え、飢餓、肥満など食料に関わる健康上の脅威が高まっています。また、現在の食料の生産、輸送、加工方法は地球温暖化の最大の要因の 1 つとなっており、温室効果ガス排出量の21~37%が食料システムに起因しています。EU はグリーンディールの一環として、食料システム全体の持続可能性と環境問題に取り組むべくFarm to Fork戦略を導入しました。気候や食料生産は国境を越えるものであることから、この取り組みには多国間の協力が欠かせません。
欧州委員会保健衛生・食品安全総局のサンドラ・ガリーナ局長は以下のように述べています。食料システムを持続可能なものにするため、「私たちはEU域内にとどまらず、地球全体をカバーする野心的なレベルの保護施策を目指しています。この世界的な移行を成功させるには、グローバルに行動し、これまでと異なる考え方をすることが必要です。イノベーションは日本の発展の中核にあることから、この点で大いに期待できると思っています。」
農林水産省の坂勝浩参事官もまさに同意見であり、「持続可能な食料システムへの移行は、どの国も自国のみで達成することはできないため、総合的なアプローチが必要です。だからこそ私たちは、力を合わせてこの困難な課題に立ち向かわなくてはなりません」と強調しました。
本ワークショップは、EU と日本のそれぞれの政策、「Farm to Fork戦略」と「 MeaDRI(みどりの食料システム戦略)」をめぐる協力関係をさらに強化する、共通の基盤、原則、施策を見いだす場となりました。
今回の専門ワークショップは、EUと日本の専門家が食料システムの持続可能性とレジリエンスの確保に向けて、EU・日本間の協力体制を強化・調整する分野や方法について議論し見極めるためのプラットフォームを提供しました。
双方が共通の目標に向かって歩みを進めていることから、日本と EU 間の継続的な協力は必要かつ有益であると、共同ワークショップの参加者全員が同意しました。
背景情報:
食料システムの変革は、2021年9月の国連食料システムサミットでも、その必要性を訴える文書が発表されています。変革に当たっては、食料の生産、加工、輸送、消費のあり方に横断的に影響を与える、土壌劣化やフードロスなどの問題について、各国の状況が異なっていることを考慮する必要があります。
持続可能な食料システムの問題は生産手段のほか、低栄養や飢餓など、栄養面の課題にも関連しています。これらの課題が根強く残る一方、新しい各種の栄養不良も発生しています。特に、食品がもたらす非伝染性疾患(がん、肥満、循環器系疾患など)は人々と医療システムを圧迫しています。
世界的な認識が高まり、真剣な取り組みが行われ、解決策もいくつか策定・実行されていますが、それでもまだ、もっと多くの対策を迅速かつ確実に講じ、世界規模での協力や連携を進める必要があります。EUと同様、日本もこうした課題の解決に取り組み、国内外での対応策を検討しています。
今回の地域・国単位の一連のワークショップは、食料問題の解決に寄与しようとするEUのFarm to Fork戦略(F2F)の下、欧州委員会の外交政策手段局から資金提供を受けており、環境、健康、社会、経済面の効果をもたらす持続可能性への移行の道筋を提案するものです。
欧州委員会のFarm to Fork戦略の詳細についてはこちら(https://food.ec.europa.eu/horizontal-topics/farm-fork-strategy_en)でご覧いただけます。また、次のソーシャルメディアのタグもご参照ください。
#EUFarm2Fork
@EU_FPI
#EUForeignPolicy
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