アフリカ文化研究の第一人者・白石顕二のコレクションを一挙公開。「エターナル・アフリカ*森と都市と革命ーアミルカル・カブラルの革命思想とジョージ・リランガの芸術ー」展

新たな視点からアフリカと世界を捉えなおす貴重な資料や作品を多数公開、7月27日より多摩美術大学美術館にて

多摩美術大学

多摩美術大学(東京都世田谷区・八王子市 学長:建畠晢)では、日本のアフリカ文化研究の第一人者であった故・白石顕二(1946-2005)の尽力で蒐集された「多摩美術大学美術館白石顕二アフリカコレクション」を公開する「エターナル・アフリカ*森と都市と革命-アミルカル・カブラルの革命思想とジョージ・リランガの芸術-」展を開催します。

「多摩美術大学美術館白石顕二アフリカコレクション」には、アフリカの現代史をひも解く変革と解放の理念や思想と、アフリカ文化への影響と創造についてどう関係してくるかを示す貴重な資料や作品が多く含まれています。

 人類の故郷といわれるアフリカの大地と文化が、その歴史上の苦難と搾取を乗り越え、現代社会へと至る改革と創造がなされてきたことを示す二人のキーパーソンとして、アミルカル・カブラル Amílcar Cabral(1924-1973)とジョージ・リランガ George
Lilanga(1943-2005)に着目し、彼らの業績と試みがアフリカ社会と文化にどんな影響を与えてきたかを、多くの資料やヴィジュアル、作品等で紹介します。

アフリカにおける植民地支配からの解放と革命の象徴であるギニアビザウのアミルカル・カブラルと、アフリカの天才的で生命感にあふれた芸術表現の展開と未来を予感させたタンザニアのジョージ・リランガという決して生前には交わることがなかった二つのアフリカシーンの双方に着目し、探求した白石顕二によるアフリカから日本と世界へと向けられた眼差しこそが、永遠なるアフリカへの情熱と理解をもたらしてくれます。この邂逅に呼応する、当時の西アフリカのギニアビザウと東アフリカモザンビークを体現取材した、写真家の小川忠博(1942-)の特別協力による写真展示を併せて行います。この奇跡的なアフリカ文化の受容と昇華は、白石顕二の偉大なる功績として、より多くのことをわれわれに示唆してくれることでしょう。

多摩美術大学美術館では2006 年に「ジョージ・リランガ -この世は精霊たちとともに-」展、2011年に「アフリカの魂 リンクするアフリカルチャー」展など、白石顕二のコレクションによる多くのアフリカ美術に関する展覧会を開催してきましたが、新たな視点からアフリカと世界を捉えなおす機会となることを願っています。

【展覧会の見どころ】
(1)交錯するアフリカのアウラ
アフリカにおける植民地支配からの解放と革命の象徴であるギニアビザウのアミルカル・カブラルと、国際的なアートシーンでも活躍し、アフリカに絵画革命をもたらしたタンザニアのジョージ・リランガという、決して生前には交わることがなかった二つのアフリカシーンの双方に着目し、探求した白石顕二。白石はカブラル が1972年にユネスコへ提言した「文化による革命」に感銘を受け、アフリカ文化研究者として意を決しました。
本展ではリランガによる「広島シェターニ」5点を公開します。リランガが広島へのレクイエムを表現した貴重な作品で、世界的な傑作としても知られています。この作品は「第18回原水爆禁止世界大会」(1972年)に招待されて広島・長崎を訪れたカブラルが、日本とアフリカの未来のために日本の青年たちへメッセージを送り、それを受け取った白石がリランガを広島に招待し制作を依頼したという背景があり、3者を結びつけるひとつの結節点で
もあるのです。
また、リランガ作品のほか、コレクションのなかからマリのドゴンやナイジェリアのコンゴのムブティ(ピグミー)などの立体造形や仮面、染織物なども展示します。アフリカの都市文化としての面と、森や自然と共生する文化。白石の眼差しを通して、アフリカ文化の多層性を感じとることができるでしょう。
 

ジョージ・リランガ 広島シェターニ(4)母親編「ヒロシマに住んでいる母親が爆心地の近くで 魚を獲っている」 1995 年 180×90×3cm 彫像/エナメル・合板ジョージ・リランガ 広島シェターニ(4)母親編「ヒロシマに住んでいる母親が爆心地の近くで 魚を獲っている」 1995 年 180×90×3cm 彫像/エナメル・合板

 

ジョージ・リランガ「これがわたしたちの家族です」 1993年 245×125cm エナメル・合板ジョージ・リランガ「これがわたしたちの家族です」 1993年 245×125cm エナメル・合板

この道はひどくよくない、雨がわずかでもすべりやすい ジョージ・リランガ 1993年 60×60cm エナメル・合板この道はひどくよくない、雨がわずかでもすべりやすい ジョージ・リランガ 1993年 60×60cm エナメル・合板

ジョージ・リランガ「何かを聞かせている」 1992年 60×60cm エナメル・合板ジョージ・リランガ「何かを聞かせている」 1992年 60×60cm エナメル・合板



(2)当時のアフリカの写真展示
1950年代からアフリカ革命の指導者として活動したアミルカル・カブラル。1971年から西アフリカのギニアビザウと東アフリカモザンビークに赴き、両国の解放地域における住民の日常生活を写真に記録していた、小川忠博による写真展示を併せて行います。当時、南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離政策)に反対する小さな市民運動の中心メンバーであった白石や仲間たちは、小川による写真ルポに鼓舞されていました。日本とアフリカの国を超
えた交流史が浮き上がります。
現在は縄文文化の研究者として文化庁長官表彰被表彰者である小川忠博の原点が、アフリカにあったという証でもあります。

 

 

 

小川忠博 1973年 モザンビーク小川忠博 1973年 モザンビーク

 

 

小川忠博 1973年 モザンビーク小川忠博 1973年 モザンビーク



【開催概要】
多摩美術大学美術館白石顕二アフリカコレクション
「エターナル・アフリカ*森と都市と革命-アミルカル・カブラルの革命思想とジョージ・リランガの芸術-」
会期: 2019年7月27日(土)~10月14日(月)
会場: 多摩美術大学美術館(東京都多摩市落合1-33-1)
多摩センター駅 徒歩7分
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日:火曜日
入館料:一般300円(200円) 大・高校生200円(100円)
※( )は20名以上の団体料金 障がい者および付添者、中学生以下は無料

The Tama Art University Museum Kenji Shiraishi African Collection
Eternal Africa -Amílcar Cabral and George Lilanga
Tama Art University Museum
1-33-1,Ochiai,Tama-city, Tokyo 206-0033, Japan
July 27 - October 14, 2019
Hours 10:00-18:00 (Admission until 30 minutes before closing)
Closed Tuesdays
Organizer Tama Art University Museum
Cooperated Frida Japan Co.Ltd.
Special Thanks Tadahiro Ogawa

【関連イベント】
対談
小川忠博(写真家)× 岸和田仁(ブラジル文化研究者)
日時:2019年7月27日(土)13:00~14:00

講演会
石塚正英(東京電機大学教授)
日時:2019年7月27日(土)14:30~15:30

学芸員によるギャラリートーク
日程:2019年8月24日(土)/9月21日(土)/10月12日(土)
時間:各回15:00~16:00
参加費無料(ただし、入館料が必要です)
会場:多摩美術大学美術館 展示室

 

 

 

 

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会社概要

学校法人 多摩美術大学

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URL
https://www.tamabi.ac.jp
業種
教育・学習支援業
本社所在地
東京都世田谷区上野毛3-15-34
電話番号
03-3702-1141
代表者名
青柳正規
上場
未上場
資本金
-
設立
1935年11月