直木賞作家・千早茜の受賞後初となる最新エッセイ『ときどき わるい食べもの』が、2023年2月22日(水)に連載開始! 第1回目は「直木賞待ち会」の知られざる舞台裏が明らかに!?

株式会社ホーム社

集英社グループの出版社・株式会社ホーム社(本社:東京都千代田区、代表取締役:木下暢起)は、2023年2月22日(水)より、第168回直木賞を受賞した作家・千早茜による食エッセイ『ときどき わるい食べもの』の連載をホーム社文芸図書編集部が運営する読みものサイト『HB』(エイチ・ビー)にて開始いたします

※写真は2022年12月17日に八重洲ブックセンター本店にて開催した、著者の最新エッセイ『こりずに わるい食べもの』刊行記念イベントより。 撮影/木内章浩

【作品について】
本エッセイ『ときどき わるい食べもの』は、2017年から『HB』で連載を開始した『わるい食べもの』(通称:わるたべ)シリーズの第4シリーズとなる最新作。

「偏屈でめんどくさい食いしん坊小説家」を自認する著者による本エッセイは、万人にとっての「いい食べもの」情報が氾濫する今だからこそ、あえて「わるい食べもの」…己の欲望に正直に食べる姿勢をつらぬく、チャーミングでユニークな毒気が冴えわたる異色の“食”エッセイです。

2月22日(水)に公開される『ときどき わるい食べもの』の第1回目「待ち会、ふたたび」では、直木賞選考会当日の「待ち会」の知られざる舞台裏を綴った内容となっています。はたして待ち会ではどんな「わるたべ」エピソードがあったのでしょうか? ぜひ連載をお読みください!

※不定期連載となります。

【本文より抜粋】
 どんよりとしながら竹の皮を水に浸していた。からからに乾いた茶色い竹の皮はなかなか柔らかくならない。
 体調がひどく悪かった。ベッドで湯たんぽを抱きながら横たわっていたいのに、今日は十六時に新潮社へ行かねばならなかった。ふたたび、待ち会があるのだ。
 『こりずに わるい食べもの』を読んでいない人のためにもう一度説明すると、「待ち会」とは文学賞の選考会などがあるとき候補者が編集者たちと結果を待つために催す会のことをいう。

 大事な日はだいたい体調が悪い。昔からだ。いや、小説家デビューした頃からかもしれない。授賞式、講演会、対談、サイン会……自分の都合ではずらせないイベントがある日に限って体調が悪くなる。これは緊張のせいではなく、月のものがばっちりぶつかるせいだ。おまけに、私は持病もあって絶不調になる。要するに、間が悪い。
 この間の悪さを、デビューの頃から担当だったT嬢は熟知している。いつも私のワンピースをめくりあげ背中にカイロを貼り、青い顔をしている私のそばで「またですか。もうお約束ですね」とカレーを食べていた。

 話を戻そう。その日は直木賞の待ち会であった。直木賞は受賞が決まったらすぐに全国に中継される記者会見がある。そのため、どこで待っているか、すぐに記者会見場に駆けつけられるか、リモートにするか、誰と待つか、担当編集者の連絡先は、念のため待っている場所の固定電話は、と猛烈な勢いで事前確認される。逃げ場がない。作家という社会性のない人種を信用していない気配がひしひしとするが、他賞とはいえ待ち会に遅刻したことがある身としてはなにも言えない。当日になって「やっぱり家で待ってます」と言える雰囲気ではない。よって、私は水を張ったトレイに竹皮をじゃばじゃばと浸し、酒瓶で重しをして、洗って浸水させた新潟米を炊飯器にセットした。
(なぜ「竹の皮」なのか!? 続きは『HB』でお楽しみください)


【挿絵について】

今シリーズでも人気イラストレーター・北澤平祐が挿絵を担当し、エッセイの世界観を不思議にかわいく、色あざやかに表現してくれています。

▼『ときどき わるい食べもの』連載URL
https://hb.homesha.co.jp/n/n5861c5d92625

▼ホーム社文芸図書編集部読みものサイト『HB』(エイチ・ビー)
https://hb.homesha.co.jp/


【プロフィール】
◆千早茜(ちはや・あかね)
1979年北海道生まれ。小学生時代の大半をアフリカで過ごす。立命館大学文学部卒業。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。同作で09年に泉鏡花文学賞、13年『あとかた』で島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で渡辺淳一文学賞、23年に『しろがねの葉』で第168回直木賞を受賞。小説に『男ともだち』『犬も食わない』(共著・尾崎世界観)『ひきなみ』など。エッセイ集に『わるい食べもの』『しつこく わるい食べもの』『こりずに わるい食べもの』『胃が合うふたり』(共著・新井見枝香)がある。

◆北澤平祐(きたざわ・へいすけ)
イラストレーター。東京都在住。カリフォルニア州立大学フラトン校にてBFA、同大学院にてMA取得。アメリカに16年暮らした後、イラストレーターとして活動を開始。書籍装画、広告、CDジャケット、商品パッケージなど国内外の幅広い分野でイラストを手がける。著書に『キャラメルゴーストハウス』(共著・かさいたつや)、『こはるとちはる』(文・白石一文)、『ぼくとねこのすれちがい日記』『ゆらゆら』『ルッコラのちいさなさがしものやさん』など。


【既刊シリーズ好評発売中】
これまでの連載は『わるい食べもの』、『しつこく わるい食べもの』、『こりずに わるい食べもの』と、それぞれ書籍化されており、重版もかかるなどファンから好評を博しています。


「いい食べもの」はもうたくさん! 気高き毒気が冴えわたる、異色の食エッセイ。
「わるたべ」シリーズ第1弾!

『わるい食べもの』

2018年12月5日発売
1,540円(税込)
四六判変型/208ページ
発行:ホーム社 発売:集英社


わるたべシリーズ第1弾が文庫になって登場!

『わるい食べもの』(集英社文庫)
2022年3月18日発売
660円(税込)
文庫判/256ページ
発売:集英社


偏屈でめんどくさい食いしん坊作家の自由な日常は、否応なくコロナ禍に侵食されていく。それでも――。
わるたべシリーズ第2弾!

『しつこく わるい食べもの』
2021年2月26日発売
1,540円(税込)
四六判変型/192ページ
発行:ホーム社 発売:集英社


京都の偏屈な食いしん坊作家、初の東京ひとり暮らしへ……。
わるたべシリーズ第3弾!

『こりずに わるい食べもの』
2022年11月25日発売
1,540円(税込)
四六判変型/160ページ
発行:ホーム社 発売:集英社


【『わるい食べもの』LINEスタンプ発売中!】

大好評食エッセイシリーズ「わるい食べもの」がスタンプになりました。著者・千早茜が選んだ強めワードと人気イラストレーター・北澤平祐による、へんてこかわいいイラストのコラボがクセになる味わいです。
「ご武運を」スタンプは、著者が直木賞候補の発表後に友人・知人からたくさん送られてきたそうで、著者曰く「死ぬのかな?」と不安になったそうです。


▼『わるい食べもの』LINEスタンプは、LINE STORE、スタンプショップにて発売中!

商品名:「わるい食べもの(千早茜×北澤平祐)」スタンプ
価格:120円
購入用URL:https://store.line.me/stickershop/product/21362871/ja


【会社概要】
会社名:株式会社ホーム社
所在地:東京都千代田区神田神保町3-29 共同ビル
代表者:代表取締役 木下暢起
URL:https://www.homesha.co.jp/
事業内容:雑誌・書籍・コミックスの出版

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業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区神田神保町3-29 共同ビル5F・7F
電話番号
03-5211-2650
代表者名
茂木行雄
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
1964年08月