マルチクラウド環境で、人のスキルに依存しないシステム監視と一元的な業務運用管理を容易にする「JP1」の最新版を販売開始
高信頼な運用基盤をSaaS型で利用可能な「JP1 Cloud Service」も新たに提供
株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)に取り組む企業に対し、複雑なマルチクラウド環境で、人のスキルに依存しないシステム監視と一元的な業務運用管理を容易にする統合システム運用管理「JP1」(以下、JP1)の最新版「JP1 V12.5」を、1月21日から販売開始します。また、これらのシステム監視と業務運用管理などの高信頼な運用基盤をSaaS*1型で利用できる新サービス「JP1 Cloud Service」も3月31日から販売開始します。これらの利用により、IT部門はシステム運用におけるスキル依存の軽減や業務の自動化を促進しDXを推進できます。
*1 SaaS:Software as a Service
現在、企業の競争力強化に向けたDXの取り組みはコロナ禍においてさらに加速し、既存のオンプレミス環境に加え、複数のクラウドサービスを組み合わせて活用するなどシステムは複雑化しています。そのため、IT部門では、オフィスだけでなくリモートも含めた柔軟な作業環境の整備や、人のスキルに依存せず的確かつ安定的にシステム運用を行うことが課題となっています。また、新たなビジネス価値の創出に向け、クラウドサービス上で新しく開発した業務と、既存のオンプレミス環境の業務をシームレスに連動させ自動化するなど、マルチクラウド環境で業務を一元的に運用管理することも求められています。
日立は長年、多くの企業にJP1を提供し、システム環境全体の運用に関わる情報を関連付け可視化するインテリジェント統合管理「JP1/Integrated Management 2」(以下、JP1/IM2)や、業務の自動実行を制御・管理する「JP1/Automatic Job Management System 3」(以下、JP1/AJS3)などにより、IT部門の運用効率化や業務自動化などのニーズに応えてきました。これらの取り組みで日立が蓄積してきたIT部門の運用ナレッジをもとに、「JP1 V12.5」では、中核製品であるJP1/IM2とJP1/AJS3を中心に強化しました。
具体的には、JP1/IM2では、システム状況に応じた的確な対処内容を提案する新機能により、システム監視の運用担当者のスキル依存を軽減します。また、JP1/AJS3では、クラウドサービスを活用して新たに開発した業務を、オンプレミス側の既存業務と連携させ一連の業務として実行管理することを容易にします。さらに、これらのJP1の主要機能をSaaS型で利用できる新サービス「JP1 Cloud Service」を提供し高信頼な運用基盤の導入から保守に関わるIT部門の負担を軽減します。
今後も、日立は、お客さまのクラウド活用を支援するメニューの拡充*2とともに、 JP1と関連サービスによるマルチクラウド環境の一元管理と自律運用を進め、お客さまのDX推進に貢献していきます。
*2 2021年1月19日ニュースリリース「基幹システムのクラウド移行に向けた戦略策定、システム再構築・移行を効率化する新たなサービスを販売開始」https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2021/01/0119.html
■「JP1 V12.5」の主な特長
1.日立の運用ナレッジに基づく対処手順の提案により、障害対応のスキル依存を軽減
システム監視の中でも緊急度や属人性が高い障害対応を支援するため、これまでJP1/IM2で提供してきたシステム環境全体の運用情報の関連付けと、判断に必要な情報の可視化に加え、今回、日立の運用ナレッジに基づき、リアルタイムなシステム状況から最適な対処手順の提案を実現しました。具体的には、各JP1製品で検知したエラーや障害で影響を受ける業務の実行状況やシステムリソース状況などの多様な運用情報に応じた対処案を、JP1/IM2の統合オペレーション・ビューアーに一覧表示します。これを選択することにより、経験が浅い運用担当者でも迷わず適切な対処を実行できます。例えば、サーバの障害が発生した場合、運用担当者は、影響を受ける業務の確認、担当するエンジニアへの連絡、原因調査用画面の表示といった対処案に従って、迅速に対処できます。さらに、「IT運用最適化サービス」のAI*3などと連携することで、より高度な分析や判断を伴う対処の提案や実行も可能となり、属人性をさらに軽減できます。
*3 「AI for IT Operations」 IT運用におけるAI活用のノウハウや技術を実装したもの。2018年より提供。
2.マルチクラウド環境での一元的な業務運用管理を容易とし、クラウド活用を運用面から促進
JP1/AJS3では、クラウドサービスを利用する業務とオンプレミス側の既存業務とを連携させるといった、マルチクラウド・ハイブリッドクラウド環境をまたがる一連の業務を自動実行し、一元的に実行状況を把握・管理することができます。この際、従来は、JP1/AJS3からクラウドサービス上の業務を制御するために処理を作り込む必要がありましたが、今回、Amazon Web Services (AWS)のAmazon S3やAWS Step Functionsといったクラウドサービスの制御を行う機能*4を提供することで、この作り込みが不要になりました。さらに、REST*5インタフェースを持つサービスとの連携機能も強化し、業務の柔軟な制御を容易にしました。これらにより、IT部門は、各種クラウドサービスを利用した新たな業務とオンプレミス環境の既存業務における実行結果データの引き継ぎなど、マルチクラウド環境の業務の実行管理を容易に定義することが可能になり、クラウド活用を運用面から促進できます。
*4 他のクラウドサービスへの対応も順次拡充予定。
*5 REST:REpresentational State Transfer(分散型システムにおける複数のソフトウェアを連携させるのに適した設計方式)
■「JP1 Cloud Service」の特長
高信頼な運用基盤をSaaS型で利用でき、導入から保守までの負担を軽減
第一弾として、システム運用の中核を担うJP1/IM2とJP1/AJS3の機能を利用できる「統合管理プラットフォーム」「ジョブ管理プラットフォーム」と、JP1/AJS3の運用データを元に長期的な運用傾向などの分析結果をダッシュボードに表示できる「ジョブ運用データ分析サービス」を提供します。これらのメニューは全て、オンプレミスからマルチクラウド環境にまたがるシステムを管理対象にでき、SaaS型で利用できるため導入から保守までの負担を軽減します。
「統合管理プラットフォーム」「ジョブ管理プラットフォーム」では、異なるデータセンター間での冗長化構成や、サービス稼働中のセキュリティパッチ適用など、業務の継続性を向上する工夫により、基幹システムの運用基盤として安心して利用できます*6。また、「ジョブ運用データ分析サービス」は、IT部門の分析工数を削減するだけでなく、将来、業務実行の遅延が発生するリスクを早期に発見し重大な障害を事前に回避できるなど、事業継続性を向上することが可能です。
*6 本サービスの「高信頼モデル」で対応。
■「JP1 V12.5」の新機能の利用イメージ
■「JP1 V12.5」の価格および提供開始時期
*7 買い取りでの提供のほか、サブスクリプションタイプ(年間契約)での提供も可能です。
■「JP1 Cloud Service」の価格および販売開始時期
*8 上記価格の他に初期導入費用等が別途必要となります。統合管理プラットフォームおよびジョブ管理プラットフォームの上記価格は標準モデルの価格です。
■関連するWebサイト
統合システム運用管理JP1
https://www.hitachi.co.jp/jp1/
JP1 Cloud Service
https://www.hitachi.co.jp/jp1/product/jp1_cloud/index.html
日立のクラウド
https://www.hitachi.co.jp/cloud/
■セミナーの開催について
2021年3月10日(水)から「JP1 フォーラム2021」をオンラインで開催します。
https://csc.hitachi.co.jp/jp1forum2021_virtual.html
■商標に関する表示
・JP1は、株式会社日立製作所の商標または登録商標です。
・Amazon Web Services、Amazon S3、AWS、AWS Step Functionsは、米国その他の諸国におけるAmazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
・記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。
■本件に関するお問い合わせ先
株式会社日立製作所 サービスプラットフォーム事業本部 アプリケーションクラウドサービス事業部
お問い合わせフォーム:https://www.hitachi.co.jp/it-pf/inq/NR/
以上
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