デルタ株を含む新型コロナウイルス変異株に対するヨウ素の抗ウイルス効果を確認
小林製薬株式会社(本社:大阪市、社長:小林章浩)は、デルタ株を含む新型コロナウイルス変異株に対するヨウ素の抗ウイルス効果を確認 しました。(※抗ウイルス効果:試験管内の試験において、細胞への感染性を持つウイルスが 99.9 %以上減少すること)
【研究の概要】
新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに生活者の感染症への対策意識は高まっており、加えて変異株の感染流行により、新型コロナウイルスの変異に関わらず、不活化が可能な素材の検証が求められています。
これまで弊社では、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルス(従来株:SARS-CoV-2/JPN/TY/WK-521)など様々なウイルスに対し、ヨウ素など各種殺菌成分の抗ウイルス効果を確認し、2021年9月に開催された「日本防菌防黴学会第48回年次大会」にて報告いたしました(2021年11月8日ニュースリリース参照)。
今回の研究では、第三者試験機関(一般財団法人 日本繊維製品品質技術センター)で行われた in vitro 実験(試験管内の実験)において、ヨウ素水溶液(0.5%)を新型コロナウイルスの各種変異株(アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ株)に作用させると不活化(感染性消失)することを確認しました(図1)。
弊社では、以前からヨウ素を含む殺菌成分の抗ウイルス効果に関する基礎研究を続けております。今回の研究は、新型コロナウイルスの不活化に関する新たな知見として、感染症対策研究の一助として社会に貢献できるものと考えております。
【ヨウ素とは?】
ヨウ素は殺菌消毒の医薬品として古くから使われてきた元素です。人体に使用でき、かつ強い殺菌力を持つため様々な種類の細菌やウイルスに対応できる成分です。人にとって必須元素ですが、多くとれば良いというわけではなく、過剰摂取した場合には甲状腺機能低下症などを発症するリスクがあります。日本では食生活の中で海藻などから自然にヨウ素の摂取が行われているため、積極的にヨウ素を摂取する必要はありません。
【研究の詳細】
⚫目的:ヨウ素水溶液の新型コロナウイルス変異株不活化効果を確認する
⚫被験物質:ヨウ素水溶液(0.5%)、PBS(陰性対照)
⚫供試ウイルス:新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)従来株(JPN/TY/WK-521)
アルファ株(hCoV-19/Japan/QK002/2020)
ベータ株(hCoV-19/Japan/TY8-612/2021)
ガンマ株(hCoV-19/Japan/TY7-501/2021)
デルタ株(hCoV-19/Japan/TY11-927-P1/2021)
⚫作用時間:15秒
⚫方法:
① 被験物質0.9 mLにウイルス懸濁液0.1 mL(>108 PFU/mL)を加え、十分に撹拌した。
② 25℃で15秒間静置した。
③ ヨウ素水溶液にはチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、不活化することで反応を停止させた。
④ ③液と陰性対照のウイルス感染価をプラーク測定法にて求めた。(図1)
⚫試験委託先:一般財団法人 日本繊維製品品質技術センター
⚫試験結果:
・ヨウ素水溶液(0.5%)により、新型コロナウイルス変異株は一様に不活化されることが認められた。
・変異の有無にかかわらず、新型コロナウイルスに対しヨウ素は有効であることが示された。
【用語解説】
●新型コロナウイルス
ニドウイルス目コロナウイルス科コロナウイルス亜科ベータコロナウイルスに分類されるウイルス。コロナウイルス科のウイルスは表面にエンベロープという膜構造を有しており、このエンベロープ膜を壊すことで不活化できる。
●ヨウ素
元素記号「I」。酸化力により細胞膜などの膜構造を破壊することで殺菌・抗ウイルス作用を示すとされる。
●宿主細胞
ウイルスが感染し、自らを増殖させるための細胞のこと。本試験ではアフリカミドリザルの腎細胞(VeroE6/TMPRSS2 JCRB1819)を使用している。
●プラーク測定法
ウイルスが感染する能力を測定する方法の一つ。ウイルスが感染し、変性が起こった細胞は染色しても染まら
ないため穴が開いたように見える。この染まらなかったプラークの部分を計数することでウイルス量を評価する。
以上
新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに生活者の感染症への対策意識は高まっており、加えて変異株の感染流行により、新型コロナウイルスの変異に関わらず、不活化が可能な素材の検証が求められています。
これまで弊社では、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルス(従来株:SARS-CoV-2/JPN/TY/WK-521)など様々なウイルスに対し、ヨウ素など各種殺菌成分の抗ウイルス効果を確認し、2021年9月に開催された「日本防菌防黴学会第48回年次大会」にて報告いたしました(2021年11月8日ニュースリリース参照)。
今回の研究では、第三者試験機関(一般財団法人 日本繊維製品品質技術センター)で行われた in vitro 実験(試験管内の実験)において、ヨウ素水溶液(0.5%)を新型コロナウイルスの各種変異株(アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ株)に作用させると不活化(感染性消失)することを確認しました(図1)。
弊社では、以前からヨウ素を含む殺菌成分の抗ウイルス効果に関する基礎研究を続けております。今回の研究は、新型コロナウイルスの不活化に関する新たな知見として、感染症対策研究の一助として社会に貢献できるものと考えております。
【ヨウ素とは?】
ヨウ素は殺菌消毒の医薬品として古くから使われてきた元素です。人体に使用でき、かつ強い殺菌力を持つため様々な種類の細菌やウイルスに対応できる成分です。人にとって必須元素ですが、多くとれば良いというわけではなく、過剰摂取した場合には甲状腺機能低下症などを発症するリスクがあります。日本では食生活の中で海藻などから自然にヨウ素の摂取が行われているため、積極的にヨウ素を摂取する必要はありません。
【研究の詳細】
⚫目的:ヨウ素水溶液の新型コロナウイルス変異株不活化効果を確認する
⚫被験物質:ヨウ素水溶液(0.5%)、PBS(陰性対照)
⚫供試ウイルス:新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)従来株(JPN/TY/WK-521)
アルファ株(hCoV-19/Japan/QK002/2020)
ベータ株(hCoV-19/Japan/TY8-612/2021)
ガンマ株(hCoV-19/Japan/TY7-501/2021)
デルタ株(hCoV-19/Japan/TY11-927-P1/2021)
⚫作用時間:15秒
⚫方法:
① 被験物質0.9 mLにウイルス懸濁液0.1 mL(>108 PFU/mL)を加え、十分に撹拌した。
② 25℃で15秒間静置した。
③ ヨウ素水溶液にはチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、不活化することで反応を停止させた。
④ ③液と陰性対照のウイルス感染価をプラーク測定法にて求めた。(図1)
⚫試験委託先:一般財団法人 日本繊維製品品質技術センター
⚫試験結果:
・ヨウ素水溶液(0.5%)により、新型コロナウイルス変異株は一様に不活化されることが認められた。
・変異の有無にかかわらず、新型コロナウイルスに対しヨウ素は有効であることが示された。
【用語解説】
●新型コロナウイルス
ニドウイルス目コロナウイルス科コロナウイルス亜科ベータコロナウイルスに分類されるウイルス。コロナウイルス科のウイルスは表面にエンベロープという膜構造を有しており、このエンベロープ膜を壊すことで不活化できる。
●ヨウ素
元素記号「I」。酸化力により細胞膜などの膜構造を破壊することで殺菌・抗ウイルス作用を示すとされる。
●宿主細胞
ウイルスが感染し、自らを増殖させるための細胞のこと。本試験ではアフリカミドリザルの腎細胞(VeroE6/TMPRSS2 JCRB1819)を使用している。
●プラーク測定法
ウイルスが感染する能力を測定する方法の一つ。ウイルスが感染し、変性が起こった細胞は染色しても染まら
ないため穴が開いたように見える。この染まらなかったプラークの部分を計数することでウイルス量を評価する。
以上
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