『うるわし漆器の世界』展 開催
人間国宝 大西 勲と、八溝塗・粟野春慶塗・輪島塗・秀衡塗・琉球漆器

関彰商事株式会社(下館本社:茨城県筑西市/つくば本社:茨城県つくば市/代表取締役社長:関 正樹)は、伝統工芸の継承と地域文化の発信を目的に、東京オフィス(丸の内)にてクラフテリアートギャラリー企画展「うるわし漆器の世界」を2025年11月4日(火)より開催いたします。
会 期 : 2025年11月4日(火)〜11月28日(金)10:00~1700 ※土日祝休
会 場 : クラフテリアートギャラリー(関彰商事㈱ 東京オフィス内)
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館5F
Tel: 03-6256-0367 / Mail: info@crafteriart.jp ※要事前予約
主 催 : 関彰商事株式会社
キュレーター: 津延 美衣
入 場 料 : 無料
開催概要
世界が認める日本特有の漆器文化は縄文時代に起源をもち、現在に至るまで連綿と受け継がれてきました。一方で明治時代以降、国産漆の生産量は大きく減少し、全国の多くの産地では中国産漆(全体の約95%)に依存しながら、伝統的な優れた漆芸の作品制作を続けています。
国産漆のうち、最大産地は岩手県(約75%)、第2位は茨城県大子町(約15%)。大子漆は透明度が高く、上質で美しい艶が最大の特徴です。輪島塗など高級漆器の仕上げや国宝建築の修復にも用いられています。人間国宝の漆芸家・大西 勲氏(昨年逝去)も「大子漆はなくてはならない」と語り、茨城県指定無形文化財の粟野春慶塗にも大子漆が使われています。
大子漆の木を自ら育て、漆掻きから木地制作、仕上げまで一貫して手掛ける「八溝塗」を立ち上げた辻 徹氏は、今まで茨城県は樹液の産地で漆器としての大きな産地ではありませんでしたが、「10年以上育てた木で漆掻きができる。これを10回続けることで、100年先に続く産地をつくりたい」と語ります。
本展では、茨城県内の、髹漆(きゅうしつ)で人間国宝に認定された大西 勲氏の作品、その長女の大西 未穂氏による大子漆の特色を生かした創作漆芸、そして日本三大春慶塗の一つである粟野春慶塗(稲川 武男氏)を紹介します。さらに、辻 徹氏による一般家庭用食器から、金属のような質感と木のぬくもりが共存し、海外のレストランから高評価されている「錫彩漆器」と芸術的要素の入った「八溝塗」の一点物まで展示します。
さらには代表的な漆芸を取り入れた各地の名工による作品として、石川県の輪島塗(藤八屋・塩士 正英氏/漆芸家・浦出 勝彦氏による蒔絵技法など)、岩手県の秀衡塗(丸三漆器工房/奥州藤原文化に連なる意匠)、沖縄県の琉球漆器(琉球うるし工芸/堆錦技法)を取り上げます。
本展を通じて、縄文時代から受け継がれてきた日本独自の「器に漆を塗る」という文化が、時代の移ろいとともに職人の手によって実用性と芸術的な要素である漆芸を高めながら裾野を広げ、やがて世界からも高く評価されるようになった歩みをご覧いただけます。さらに、漆器の世界に新たに加わった存在でありながら最高品質を誇る「大子漆」を用いて生み出された新たな漆器の潮流「八溝塗」にもぜひご注目ください。古き良き日本の文化とともに進化を続ける漆器の“今”に触れていただければ幸いです。皆様のご来場を心よりお待ちしております。
※輪島塗の産地は能登半島地震で大きな被害を受け、現在も復興の途上にあります。本展では、被災により一部損傷した作品も展示しますが、いずれも修復可能な作品となっています。
本展に出展する作家と作品紹介
大西 勲(曲輪・髹漆 人間国宝)
展示作品「髹漆曲輪造盛器(きゅうしつ まげわづくり もりき)」
道具づくりから手掛け、木との対話を重ねながら制作。幾重にも塗りを重ねて研ぎ出し、表面を磨かずに仕上げることで、大子漆の魅力を最大限に引き出した素地の質感が際立ちます。
大西 未穂(漆芸家)
素材の特性を生かすことを重視。大子漆に余計な要素を加えず耐久性を持たせ、輪島で学んだ沈金技法や鎌倉彫を取り入れた創作作品を制作。筑西市「道の駅」構内の店舗にも展示中。
粟野春慶塗(伝承者:稲川 武男)
室町中期に始まったとされる日本三大春慶塗の最古級。檜や欅に、梅酢を加えた透明感ある薄紅色の漆を施し、木目を生かした仕上げ。使い込むほどに黄金色へ変化し味わいが増します。
八溝塗/器而庵 辻 徹
植樹・育成・漆掻き・精製・木地・塗りまで一貫制作。日常の器から、金属色の「錫彩漆器」など洋食にも映えるデザイン、芸術性の高い一点物まで展開。日本伝統工芸展など入選実績あり。


輪島塗/藤八屋・塩士 正英、浦出 勝彦(漆芸家)
地域特有の珪藻土「地の粉」を用いた堅牢な下地に、幾重にも上塗りを重ねる伝統製法。沈金や蒔絵を施した作品を制作。被災で一部欠けた作品は、輪島の伝統技法「なおしもん」により修復可能です。
秀衡塗/丸三漆器工房(青柳 真・匠郎)
奥州藤原文化の意匠を今に伝える「有職菱紋」や草花モチーフの漆絵などを制作。五代目の青柳氏は現代のライフスタイルに合わせた「FUDAN」シリーズや、「漆絵ワイングラス」なども展開。
琉球漆器/琉球うるし工芸(上原 昭男)
中国由来の加飾法を取り入れつつ発展し、1715年に比嘉 乗昌が生み出した沖縄独自の華麗な「堆錦」技法を継承。南国の植物や縁起物をモチーフに、浮き出しの意匠が特色です。
クラフテリアートギャラリーについて
クラフテリアートギャラリーは、関彰商事株式会社が2023年に開設・運営している伝統工芸の発信拠点です。クラフテリアートは、クラフト・アート・インテリアを組み合わせた造語です。日本の文化である伝統的な工芸の技術・技法による作品と、伝統と革新が融合する現代の生活空間に合った作品(工芸品)をご紹介しています。2025年より年に1度、ギャラリーにて企画展を開催する予定です。


関彰商事株式会社
1908年創業以来、茨城県を中心に事業を行う総合商社。ビジネス関連、モバイル、デジタルトランスフォーメーションの他、エネルギー、モビリティ、介護福祉など幅広い領域にて地域密着型ビジネスを展開しています。
代 表 者: 代表取締役社長 関 正樹
本 社: 茨城県筑西市一本松 1755-2 (下館本社)
茨城県つくば市二の宮 1-23-6 (つくば本社)
U R L: https://www.sekisho.co.jp/
設 立: 1938年
社 員 数: グループ計 2,350名(2025年8月時点)
事業内容:総合商社
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