Thinkerが2.3億円の資金調達を実施 ~近接覚センサーで “指先で考えてつかむ” 次世代型ロボットハンドの開発を加速~
近接覚センサーは、ロボットハンド領域の長年の課題だった“死角”を克服できる画期的な技術です。Thinkerは創業から1年という短期間で、その商品化・量産化を達成しました。今後は、近接覚センサーのさらなる用途開発に取り組むとともに、近接覚センサーと柔軟機構とを組み合わせることでばら積み部品などを“まさぐりながら、つかみにいく”ことのできる新たなロボットハンドの開発にも注力してまいります。またそれにともない、ショールームの整備やデモ機の拡充、営業人材の採用などにも積極的に取り組む予定です。
Thinkerでは、近接覚センサーを活用した基盤技術により、従来のFAロボットや製造装置に“できなかった”ことを“できる”に変える製品・サービスの実装を進めてまいります。
投資家などからのコメント
《OUVC 代表取締役社長 清水速水氏》
Thinkerは、大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻の小山佳祐助教が開発した「近接覚センサー」の社会実装に向け、創業された大阪大学発のベンチャー企業です。同社は設立前より、大阪大学の起業支援施策である「起業プロジェクト育成グラント」の採択案件として大学・OUVCのバックアップのもと事業化に向け取り組んで参りました。今般、設立から1年という短期間で近接覚センサーの商品化・量産化を達成された点、また幅広いアプリケーションへの適用が期待でき、「ロボティクスの最後の砦」とされてきたロボットマニピュレーションに革新的な進歩をもたらすことが可能であり社会的な意義が大きい点を踏まえ、追加投資に至りました。
《SMBCベンチャーキャピタル 関西投資営業部 次長 川戸啓太氏》
近接覚センサーは、物体に触れずに柔らかいものや透明なものを認識できる先端的な技術であり、既に多くの企業から引き合いが来ています。この技術によって、機械化が進んでいる分野へのアプローチだけでなく、従来ヒトにしかできなかった作業の自動化といった取組の可能性も秘めており、今後様々な用途での活用が期待できます。今回の出資を機に、Thinker社のミッション実現のため、SMBC グループとして様々な貌で支援してまいります。
《三菱UFJキャピタル 副部長 李 範煥氏》
この度はThinker様に出資させて頂く機会に恵まれたこと嬉しく思います。ロボット需要が急増している中、ロボットの「スマート化」は喫緊の課題です。当社の技術と製品はまさにロボットをスマートにするものであり、ロボット普及の起爆剤になるポテンシャルを持っていると思います。今後「スマート化」のトップソリューション企業として世界で認められる企業に成長されることを期待しています。弊社もMUFGの一員として引き続き当社成長に貢献して参ります。
《日本政策金融公庫 国民生活事業本部 大阪ビジネスサポートプラザ 延原憲一氏》
Thinker社のコア技術である「近接覚センサー」は対象物の「距離」と「傾き」を「高速かつ高分解能で計測」ができ、指先センシングと柔らかな機構で、これまでロボットが苦手としていたワーク(不揃いなもの、鏡など)が可能になります。これらの技術は、産業用機器の製造現場以外にロボットマニュピレーションが未導入の領域など幅広い応用展開が期待されています。日本公庫はThinker社の新規性・優位性・成長性を高く評価し、資本性資金の導入を行いました。今回の融資により、Thinker社がさらに発展されることを期待しています。
Thinker代表からのコメント
《Thinker代表取締役兼CEO 藤本弘道》
もし人間が新たな感覚器を得て、“独自に思考する手”を持ったとしたら、日々の営みに革新が起こるはずです。「近接覚センサーTK-01」の量産化により、シードラウンドで描いたそんな未来への第一歩を踏み出すことができました。未来の実現をさらに加速させるタイミングで投資いただいた大阪大学ベンチャーキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、三菱UFJキャピタルの皆さまに心から感謝申し上げます。「真のロボットの生体化」の早期実現に向けて、邁進してまいります。
ばら積みされたネジをつかむ動画
https://www.youtube.com/watch?v=corYw8IoCTw
■近接覚センサーTK-01について
「近接覚センサーTK-01」は、カメラを用いることなく、赤外線とAIを組み合わせた独自の高速・高分解能なセンシングによりモノの位置と形を非接触かつ高速に把握できる唯一のセンサーです。これにより、従来の産業用ロボットでは難しいとされていた鏡面・透明物質の取り扱いや、現場環境に応じた臨機応変なピックアップが可能となり、ロボットハンドによるピッキングの可能性を飛躍的に広げることができます。また、ティーチング(※注)の時間や労力を大幅に軽減できることから、これまでとは異なる領域でのロボットハンドの活用も期待されています。7月31日より出荷開始。
※注・・・・・ティーチングとはロボットに作業を教え込む工程。
○近接覚センサーTK-01の紹介動画(YouTube):
〇動く対象物をセンシングすることで把持部が追従する動画(YouTube):
https://www.youtube.com/watch?v=MtwL4D1kWuU
■会社概要
名称 : 株式会社Thinker
住所 : 〒541-0056 大阪府大阪市中央区久太郎町4丁目1−3 大阪センタービル6F-188
代表者 : 代表取締役兼CEO 藤本 弘道
設立 : 2022年8月
企業説明: 大阪大学大学院基礎工学研究科の小山佳祐助教(当社取締役)が開発した「近接覚センサー」の販売および、同製品を活用したソリューション提案を行っています。その場、その場に応じて、自分で判断する“思考力”をロボットに持たせることで、ヒトと一緒に働く協働ロボットの世界に革新を起こします。
URL : https://www.thinker-robotics.co.jp/
備考 : 社名のThinkerには「考え抜く集団」「考えるロボット」「ロボットの進化(シンカ)を加速させる」といった思いを込めています。
■関連リンク
・ロボットハンドに頭脳を与える近接覚センサーがいよいよ量産、2023年7月発売へ
(MONOist 2023年5月17日)
https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2305/17/news075.html
・「部品不足で青ざめた」危機乗り越え、Thinkerが近接覚センサーの量産開始
(日経クロステック 2023年5月18日)
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01537/00809/
・動作時の死角を補う第六感センサー、独自のハードとAIで透明物体も逃さない
(日経クロステック 2022年9月13日)
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02183/00002/
・ロボットの視覚・触覚を補う“第六感”、阪大小山助教が開発「近接覚センサー」
(日経クロステック 2022年2月28日)
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/nmc/18/00011/00158/
・小山佳祐公式サイト
■株式会社Thinkerへのお問い合わせ
Eメール:info-web[at]thinker-robotics.co.jp ※[at]を@に変えて入力ください。
件名に貴社名、本文にご担当者情報[(1)法人名、(2)部署、(3)氏名、(4)メールアドレス、(5)企業URL]とお問い合わせ内容をご記入のうえ、送信ください。
公式ウェブサイト:https://www.thinker-robotics.co.jp/
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