【空き家の放置理由と困ったことランキング】経験者118人アンケート調査
空き家の放置理由に関する意識調査
一般社団法人あんしん解体業者認定協会(所在地:東京都港区、代表理事:鈴木佑一)は、空き家を放置した経験がある118人を対象に「空き家の放置理由に関する意識調査」を実施し、そのデータをランキング化しました。
空き家の増加が社会問題になっています。空き家を所有しており、取り扱いに困っている方も多いのではないでしょうか。
今回、一般社団法人あんしん解体業者認定協会(https://anshin-kaitai.or.jp/ )運営の解体無料見積ガイド( https://www.kaitai-guide.net/ )は、空き家を放置した経験がある118人に「空き家の放置理由」についてアンケート調査を実施。その結果をランキング形式でまとめました。
調査結果に対して、一級建築士試験を攻略するブログ「一級建築士への道( https://ikkyuukentikushi.com )」を運営の菊地重信氏よりご考察いただいております。
【データの引用・転載についてお願い】
本リリースの調査結果・画像をご利用いただく際は、必ず「解体無料見積ガイド」のURL( https://www.kaitai-guide.net/ )へのリンク設置をお願い致します。
【調査概要】
・調査対象:空き家を放置した経験がある方
・調査期間:2023年12月1日~19日
・調査機関:当協会調査
・調査方法:インターネットによる任意回答
・有効回答数:118人(女性61人/男性57人)
・回答者の年代:20代 10.2%/30代 33.8%/40代 26.3%/50代 19.5%/60代以上 10.2%
【調査結果サマリー】
・空き家の放置理由1位は「手続きが進められない状態だった」
・空き家の放置期間は平均5年
・空き家を放置して困ったことは「管理が面倒・手間」
空き家の放置理由1位は「手続きが進められない状態だった」
空き家を放置した経験がある118人に「放置理由」を聞きました。
その結果、1位は「手続きが進められない状態だった(33.1%)」、2位は「解体費用がかかる(28.8%)」、3位は「更地にすると固定資産税が高くなる(17.8%)」でした。
空き家のままで放置するのはよくないと思いつつも、何らかの理由で具体的な行動を起こせなかった人が多いとわかります。積極的に空き家のまま残しておいた人は少数派でした。
<1位 手続きが進められない状態だった>
・兄弟姉妹で空き家の権利を分割しています。兄弟姉妹と連絡がとれないため、話が進みません(30代 女性)
・父が亡くなったとき、海外暮らしからすぐに戻れなかったため(40代 男性)
・土地の境界線問題が決着していない(50代 男性)
手続きが進められない理由としては「家族・親族の意向がまとまらない」「遠方に住んでいたり忙しかったりして、対処できない」などが目立ちます。
「家族で話し合っているがまとまらない」というコメントもある一方で、話し合いすらできていないご家庭もありました。
方向性が決まらずに何年も放置していると、空き家の劣化が進んでしまうリスクがあります。売りたいけれど忙しくて対処できない場合は、リモートで相談できる不動産業者を使うのもひとつの方法です。
<2位 解体費用がかかる>
・解体費用が高額で、貯金する時間が必要だった(30代 女性)
・取り壊しに数百万円かかるため、費用が捻出できなかった(40代 男性)
・更地にする場合、家と鉄筋の車庫2つを壊すために、費用が200万円ほどかかる(60代以上 女性)
家の解体にはまとまった費用がかかります。例えば50坪の家を解体する場合だと、150~200万円程度かかるといわれています。
そのため、解体費用がすぐには出せないという理由で、しばらく空き家のままで放置した人もいました。
なお「老朽化が進み、倒壊リスクが高い」「住宅密集地・狭小地で重機が入りにくい」などの場合には、解体費用は高額になります。
<3位 更地にすると固定資産税が高くなる>
・更地にすると税金が高くなるので、古い建物でも建てたままでいます(40代 男性)
・更地にすると固定資産税が高くなる(50代 男性)
家を解体して更地にすると、「住宅用地の特例」が適用されなくなって固定資産税が高くなります。そのため、古い家を解体せずに残したままにしている人もいました。
ただ「古家付きはイヤだけど、更地なら買いたい」という人が現れるかもしれません。更地にして売れる見込みがある土地なら、解体も検討してはいかがでしょうか。
<4位 保有しておきたい>
・祖父母の家で、思い出があったため(20代 女性)
・雪寄せ場として活用できたから(30代 男性)
・将来的に自分が住むかもしれないと思ったから(30代 女性)
保有しておきたい理由は、「いつか誰かが住むかもしれない」「活用方法がありそう」など。近い将来有効活用できそうであれば、しばらく空き家のまま保有する選択肢もありますね。
また実家や祖父母の家を手放す決心がつかず、ひとまず保有を続けていた人もいました。
<5位 手続きが面倒・手間>
・家の中を掃除するのも、解体する手続きも面倒(30代 男性)
・取り壊して土地を売却するのに手間がかかるからです(50代 女性)
「名義変更や解体・売却の手続きが面倒」というコメントのほか、「片付けや掃除が面倒」という声も寄せられています。
物が多くて広い家の場合、掃除や片付けだけでもかなりの労力や時間が必要になるでしょう。遺品整理や片付けを請け負う業者もありますが、依頼にはもちろん費用がかかります。
空き家の放置期間は平均5年
空き家を放置した経験がある118人に聞いた「放置期間」の平均は5年でした。
ただ、現在進行形で空き家状態の人もいるため、平均年数はさらに長くなる可能性もあります。アンケートでも「空き家状態が5年超」の人が3割近くおり、なかには「30年以上空き家になっている」という人もいました。
空き家状態が長く続くほど家の劣化が進み、倒壊などのリスクも高まります。
空き家を放置して困ったことは「管理が面倒・手間」
空き家を放置して困ったことの1位は「管理が面倒・手間(44.9%)」で、全体の4割以上を占めました。2位は「行政・隣人からクレームが入った(20.3%)」、3位は「空き家にもコストがかかる(18.6%)」です。
空き家は、きちんと管理しようとすると手間がかかりますし、十分な管理ができないと、行政や近隣住民から苦情を言われたり、家の劣化スピードが速くなったりします。
どちらにしても、空き家の放置には「困りごと」がつきまとうようですね。
<1位 管理が面倒・手間>
・遠方なのに、定期的に風を通したり掃除したりしに行く必要がある(40代 女性)
・年に数回、草刈りしに行くのが苦痛に感じる(50代 女性)
・周りに雑草や木が伸びて、草刈りや伐採がかなり負担になってきた(60代以上 男性)
「庭木や雑草の手入れが大変」という声が目立っています。現在の居住地と保有している空き家が離れている場合、メンテナンスのために移動するのも大変です。
「仕事や家事で忙しく、空き家に行く時間がない」「高齢になり、負担が大きい」という場合には、「空き家の管理を代行してくれるサービス」を検討してみましょう。月々の費用はかかりますが、手間は減らせます。
<2位 行政・隣人からクレームが入った>
・「周りの草がぼうぼうで、柿の実がなるとカラスが集まる」と、地元役場から連絡が来ました(30代 女性)
・台風のときに屋根瓦が近隣に飛んでしまい、苦情を受けた(40代 女性)
・近隣住民から「不用心だ」と苦情が来た(60代以上 男性)
多かったクレームは「雑草や庭木が隣家の敷地に侵入してしまう」というもの。
また空き家の中にゴミを投げ捨てたりする人もいるため、「見た目がよくない」「地域の景観を乱す」などの理由でクレームが入ることもあるようです。
近隣住民から直接文句を言われた人もいれば、役所を通じて連絡を受けた人もいました。
<3位 空き家にもコストがかかる>
・誰も住む人がいないのに、税金はかかる(20代 女性)
・ネズミが出て、駆除するためにお金がかかった(30代 女性)
・火災保険を払い続けなければならなかった(40代 男性)
空き家にかかるコストとして代表的なものは「固定資産税・都市計画税」です。
固定資産税の他には「劣化・倒壊を防ぐためのメンテナンス費用」や「分譲マンションの管理費・修繕積立金」などもかかります。
空き家用の火災保険に加入している場合は、毎月の保険料も発生します。空き家をカバーしてくれる火災保険は限られますが、「放火」「漏電火災」「自然災害」などに備えて、空き家でも火災保険に加入しておくのがおすすめです。
<4位 家が劣化・破損した>
・メンテナンスできなくて、老朽化が進むこと(30代 男性)
・家がすぐに傷んだ(40代 女性)
・増築した外階段が老朽化しており、崩れないか心配です(50代 女性)
人が住まなくなると換気や掃除がおろそかになるため、家の劣化が早まります。「将来的に住みたい」という気持ちで残しておいた空き家なのに、劣化が進んで住めない状態になってしまうことも。
劣化を遅らせたいなら、「家族や親族と協力する」「業者に依頼する」などして、メンテナンス頻度を増やす方法を検討しましょう。
賃貸にして誰かに住んでもらうのも、劣化を防ぐ方法のひとつです。
<5位 防犯面の不安がある>
・窓を割られるなどのイタズラをされた(30代 女性)
・家のものが持ち去られていた。誰かが勝手に侵入したと思われる(40代 男性)
・掃除しに行ったら、何者かがしばらくの間生活していた形跡がありました(50代 女性)
「家財がなくなった」「住みつかれた」などの体験談が寄せられています。
空き家を掃除しに行って「誰かが家に入ったようだ」を気づいたら、ゾッとするのではないでしょうか。空き家に住みつかれてしまった場合には、「水道や電気を勝手に使われる」「失火による家事」といったリスクもあります。
空き家の防犯対策としては「定期的な見回り」「ドアや窓の施錠」のほか、「監視カメラの設置」「業者や親族に依頼して見回り頻度を増やす」などがあります。
まとめ
「実家が空き家になったけど、とくに困っていないから空き家のままでいいや」という人は少数派。空き家をなんとかしたいけど何らかの事情で動けない人が多いとわかりました。
空き家のままにしている理由としては、コスト面の問題を挙げた人が目立ったほか、「空き家をどうしたいか方針が決まらない」という人も多数。しかし方針が決まらないままずっと空き家にしていると管理が大変ですし、コストもかさみます。
そのため「実家や住んでいる家が空き家になったときどうするか」について、早い段階で考え始めておくことをおすすめします。
もし空き家を取り壊す場合、坪単価費用で木造で約3万6千円、鉄骨造で約4万1千円ほどかかります。
https://www.kaitai-guide.net/costprice/purpose/akiyakaitai-hiyou/
空き家になったときにとれる方法を知っておくだけでも、スムーズな対処につながるはずです。
▽菊地重信氏の考察
調査結果を見ると、約8割の人がコミュニケーションの問題とお金の問題で空き家を放置せざるを得ない状態になっています。家族間の意見の不一致や遠方に住んでいるための対処困難などが含まれます。
空き家の放置期間は平均5年ですが、今後空き家は増える見込みなので、放置期間も増加するでしょう。空き家状態が長く続くほど家の劣化や倒壊リスクが高まるので危険です。
空き家を放置することは多くの問題を引き起こし、管理に関して多大な努力とコストが必要です。空き家問題への早期対応や適切な管理計画の立案がこの問題に対処するための鍵となります。
具体的には空き家になる前から空き家になったときに取れる方法を知識として知ること、不動産をどのように対応するか決めておくことが大切です。
■監修者紹介
一級建築士 菊地重信氏
一級建築士、一級建築施工管理技士他様々な建築系資格を取得。ゼネコンで様々な業務を経験しながら一級建築士試験で苦労した経験を活かし、一級建築士試験を攻略するブログ「一級建築士への道( https://ikkyuukentikushi.com )」を運営。建設を学ぶ専門サイトの立ち上げ経験もあり。
著書「学び直しの一級建築士( https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798179414 )」
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■一般社団法人 あんしん解体業者認定協会について
一般社団法人あんしん解体業者認定協会は、解体工事を計画する皆様が安心して依頼できる環境作りを目的に、全国都道府県下の優良解体業者を認定しています。また、解体工事に関する様々な疑問にお応えするご相談窓口としての業務を行い、ご希望に応じて無料でご紹介も行っています。
■協会概要
社名 :一般社団法人 あんしん解体業者認定協会
所在地 : 〒108-0023 東京都港区芝浦4-12-31 VORT芝浦WaterFront 4階
代表者 : 代表理事 鈴木佑一
設立 : 2015年6月
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