医療的ケア児・障がい児『映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』上映会 全国1,733人を動員
青森から鹿児島まで11劇場を行脚 AYAインクルーシブ映画上映会2025夏

NPO法人AYA(本社:神奈川県横浜市、代表:中川悠樹)は、病気や障がいのある / 医療的ケアが必要であるお子さんとそのご家族を対象に、『映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』を鑑賞するイベント~AYAインクルーシブ 映画上映会 2025夏~を開催。8月24日の宮崎セントラルシネマ(宮崎県宮崎市)を皮切りに、全国11地域での上映会を実施し、延べ1,733名を動員しました。イベントには、同法人代表で医師の中川ほか、多くのスタッフとして参加し映画鑑賞をサポート。参加者からは「温かい気持ちで親子で映画を楽しめました」「今後の子育ての励みになりました」などの声が届いています。
◾️NPO法人AYA と、AYAインクルーシブ映画上映会開催の背景
日本には約2万人の医療的ケア児(*1)、約90万人の障がい児(*2)、約25万人の難病児(*3)が存在します。こうした子どもたちの日常生活・社会生活を支援することは社会全体に求められている課題です。
NPO法人AYAは、目指したい未来(Vision)として「人々の心がつながり合い、可能性が広がる未来」を掲げ、病気や障がいのある子どもたちとその家族へ、ワクワクする “ひととき” を届けることを果たすべき役割(Mission)として活動しています。
*1) 令和元年度障害者総合福祉推進事業 医療的ケア児者とその家族の生活実態調査
*2) 令和5年版厚生労働白書
*3) 日本財団 難病の子どもと家族を支えるプログラム 取り組みについて

上映会誕生のきっかけは、「映画館で、映画を鑑賞したい!」という医療的ケア児のお母さんからの声。席にじっと座っていることができない、急に声を出してしまう、医療機器のアラーム音・痰の吸引音が鳴るなどの理由から、周囲に迷惑がかかることを気にして、映画館での映画鑑賞に高いハードルを感じている現状を知ったことがスタートでした。
「健常な子どもたちや、その家族と同じように映画館で映画を見てみたい!」という、彼らの思いを叶えるためにスタートした本プロジェクトですが、実現までには資金や会場の確保など、たくさんの課題がありました。
最終的には、映画館のシアターをまるごと貸し切ることで、“音や声が出ても、じっとしていられなくても、医療的ケア(点滴・栄養剤の投与・人工呼吸器の使用など)が必要でも、安心して映画を鑑賞できる環境”を実現。医師や看護師などの医療従事者が会場内で見守ることで、緊急時の対応を懸念する映画館側の受け入れ障壁を下げました。
◾️青森から鹿児島まで、11地域での上映会を実施 延べ1,733名を動員
『映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』~AYAインクルーシブ映画上映会 2025夏~は、配給会社である東宝株式会社と、会場となった各映画館の全面協力を得て実現しました。全11会場は以下の通り。この場を借りて、すべての関係者の皆さまに御礼申し上げます。
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8月24日(日)
宮崎:宮崎セントラルシネマ(144名)
福井:福井コロナシネマワールド(76名)
8月31日(日)
青森:イオンシネマ新青森(81名)
埼玉:MOVIXさいたま(141名)
9月7日(日)
長野:TOHOシネマズ 上田(109名)
兵庫:MOVIXあまがさき(141名)
9月14日(日)
岩手:イオンシネマ北上(124名)
広島:広島バルト11(255名)
9月21日(日)
高知:TOHOシネマズ 高知(85名)
静岡:TOHOシネマズ サンストリート浜北(224名)
鹿児島:TOHOシネマズ 与次郎 (353名)
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◾️参加者の声
上映会にご参加くださった子どもたちと、そのご家族の皆さまからお寄せいただいたコメントの一部をご紹介します。
・子供が声をあげてしまうため映画鑑賞は避けていましたが今回、一緒に参加する事が出来て大変、嬉しく思っています。また座席の位置や介助など、スタッフの方々の心遣いに感謝しています。(宮崎)
・障害があって、TPOを考えず声を出したり笑ったりしてしまっても大丈夫というのが、気が楽でした。明るいので、胃瘻の注入もしやすく助かりました。(福井)
・ショッピングモールや外食へ出掛けても、いつも周りの方へ「すみません?ありがとうございます?」と言ってばかり。今日は、サポートが必要なことは当たり前、の空気の中だったので「すみません疲れ」がなくストレスがなかったです!(青森)
・周りに迷惑かけないよう!など気にしすぎることなく、リラックスして映画を観ることが出来て嬉しかったです。むすめが障害児になってはじめて一緒に映画を観ることが出来ました。(埼玉)
・年齢が上がるにつれて、外出が大変になり、家で過ごした方が楽だと思ってしまう日々でした。AYAさんの存在を知り、家族でお出掛けの機会を増やし、楽しい思い出を親子で作っていきたいと思うようになりました。(長野)
・楽しくなると声を出してしまうので映画は諦めていましたが、声を出してダンスをして体を使って楽しそうにする姿を見て、参加できてよかったなと思います!(兵庫)
・このような機会がないと知的障害、ADHD、自閉症のある我が子が映画館に行くことができなかったと思います。子供と映画館で映画をみれて、それを経験させてあげられてよかったです。(岩手)
・我が子が自分らしくありのままで映画鑑賞をさせてもらえたこの機会に巡り合わせ頂けた事が、障害児の親として生きていく・育てていく希望になりました。ありがとうございます。(広島)
・子供が場に慣れず泣いてしまい、なかなか席まで辿り着けなかったのですが、温かいお声をスタッフの方にかけて頂けて、とてもありがたかったです。迎えてくださってる雰囲気がとてもありがたかったです。(鹿児島)
・周りの方達も同じ、子供が興奮して声出しても、ごめんなさいと過剰に思わなくて良かったです。今までチャレンジしてみようと思いながら、なかなか出来なかった事だったので、子供に映画館を体験させれて良かったです。(高知)
・この子とは映画館には行けないなと、ずっと諦めていましたが、今回、このような素敵な機会をいただいて、嬉しかったです。隣で大きなスクリーンをキラキラした目で観ている我が子の姿に感動しました。(静岡)

◾️NPO法人AYA代表 中川悠樹より 上映会開催を終えて

全国各地をめぐるAYAインクルーシブ映画上映会はこれが4度目の開催です。これまで未開催の地域も含めた全11カ所での上映会を実施、とくにこれまでリクエストをいただきながら開催ができていなかった地域での実施がかなったことで、より多くの地域の子どもたちに「映画館で映画を見る体験を届けることができました。
今回の上映会は、同日に2会場・3会場での同時開催ができました。私自身が会場へ足を運ばずとも、安心して開催を任せられる仲間が増えたこと、全国各地でたくさんのボランティアの方々がご協力くださったこと、本当にうれしく思っております。お力を貸してくださった関係者の皆さま、ご参加くださった皆さまに心より感謝申し上げます。映画館で楽しそうに歌い踊る子どもたち、キラキラした瞳で体を揺らす子どもたちの姿を見ることができ、次の活動へ向かうための大きな励みになりました。
2025年度内には全国47都道府県を回ることを目標としております。実現まであと一歩、引き続き頑張ってまいりますので、ぜひ応援をよろしくお願いします!
◆中川 悠樹(なかがわ ゆうき)
2009年 京都大学医学部卒業。救急科専門医・外科専門医・JSPO公認スポーツドクター・医師会認定産業医・旅行医学会認定医・JDLA G検定/E資格。三井記念病院、横浜労災病院での消化器外科・救命救急センターでの勤務を経て、ドクターヘリ添乗医、離島医療などを実践。様々な活動を行いながら、2022年1月に任意団体AYAを立ち上げ、2023年6月にNPO法人化、代表理事就任。
◆NPO法人AYAについて
わたしたちは、「病気や障がいのある子どもたちとその家族へ、ワクワクする“ひととき“を届ける」ことを通じて、人々の心がつながり合い、可能性が広がる未来を目指しています。
【法人概要】
社名:特定非営利活動法人AYA
本社所在地:神奈川県横浜市中区相生町3丁目61番地泰生ビル2F
取材・お問い合わせ:https://aya-npo.org/contact/
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