元公立教員の一歩から3年、約60社・90名が集結。教育に関わる企業・行政が集う「共育の場」、SPOT TEACHERが実証
福岡発、閉鎖性の高い公立学校に多業種が関わる共育モデル“授業”から“場”へ——教育と社会をつなぐ関係性の広がりを可視化
共育パレット株式会社(本社:福岡市)は、2026年2月24日、大名カンファレンス(福岡市)にて、学校と社会をつなぐ「SPOT TEACHER(スポットティーチャー)」の取り組み3年目の節目として、共育イベントを開催しました。
本イベントはクローズ形式での開催にも関わらず、企業・団体・行政・クリエイターなど多様な立場の参加者が集まり、IT・インフラ・建築・飲食・観光・クリエイティブなど、これまで学校教育に関わってきた幅広い分野の経営者・実務者が一堂に会しました。
元公立教員の実践から始まった取り組みに、多業種の大人が関わる「共育の場」が生まれ始めていることを示す機会となりました。

本取り組みは、これまでの学校との関わりの中で生まれてきた関係性の延長線上にあります。
“閉鎖的”“外部連携は難しい”と言われがちな公立学校を起点に、多様な主体が教育について議論する場が成立したことは、教育と社会の関係性に新たな変化が生まれつつあることを示しています。
当日の様子
本イベントは、これまでの授業の軌跡をまとめたオープニング映像からスタートしました。
学校現場で生まれてきた出会いや学びの積み重ねが、一つの流れとして可視化される時間となりました。
会場にはさまざまな分野の参加者が集い、立場を越えた交流が生まれていました。
トークセッションや今後の展望共有、懇親会を通して、教育を起点に多様な関係が交差する時間となりました。
トークセッション概要
セッションテーマ
「組織として、そして経営として、なぜ教育に関わり続けるのか?」
登壇したのは、株式会社ヌーラボ 代表取締役CEO 橋本正徳氏、株式会社ボーダレス・ジャパン 代表取締役CEO 田口一成氏、一般社団法人福岡県中小企業経営者協会連合会 専務理事 古賀正博氏、そして共育パレット株式会社 代表取締役 松下ゆか理。
いずれも、自ら学校教育に関わり、企業としての関わり方を実践してきた立場にあります。

議論は、登壇者が松下との出会いやこれまでの関わりをきっかけに、どのように学校や教育と接点を持つようになったのかという実体験から始まり、「なぜ企業が教育に関わるのか」という問いへと展開されました。
田口氏は、尊敬する恩師の存在を背景に、教師に対する社会的な見方に疑問を感じた経験から、
「批判するだけでなく、社会の側が子どもたちの前に立つべきではないか」と語り、企業が教育に関わる責任について言及しました。
また、「子どもたちは、何気なく出会った大人に憧れることがある」とし、学校に多様な大人が関わることの意味を示しました。
橋本氏は、社員が子どもたちの前で話すこと自体に価値があるとし、自身の仕事や会社を言語化し伝える過程が、社員にとっての学びにもなっていると説明しました。
そのため、自らだけでなく社員が学校に出向く仕組みを整え、組織として教育に関わる取り組みを進めてきたといいます。
また、教員への敬意を前提に、共に学びをつくる姿勢の重要性にも触れられました。
さらに、教師からかけられた言葉が長く記憶に残っているというエピソードから、学校での関わりがその後の人生に影響を与える可能性が示されました。


古賀氏からは、長年にわたり企業と学校をつないできた経験を踏まえ、
「最初の授業はうまくいかないことも多いが、子どもたちの発達段階に合わせることが重要である」といった現場視点が共有されました。
また、「福岡をエデュケーションバレーに」という構想のもと、地域全体で教育を支える動きの重要性にも触れられました。
松下は、元教員としての現場経験とこれまでの実践を踏まえ、教育に関わる人はより多様であってよいという考えを共有しました。
探究やアントレプレナーシップといった文脈では関われる人が限られることもある中で、SPOT TEACHERでは特定のテーマにとどまらず、多様な業界・職種の方が関われる形を大切にしてきました。
その結果、それぞれの立場から教育に関わる余地が広がりつつあることが示されました。


議論を通して見えてきたのは、教育に関わる主体が教員だけでなく、企業や社会へと広がり始めているという変化です。
会場からの問いをリアルタイムで受けながら進行することで、登壇者と参加者が立場を越えて意見を交わす場となりました。
企業経営者や実務者が教育について本気で議論する光景は、これまでの教育のあり方とは異なる、新たな関係性の兆しを示すものとなりました。


登壇者の声

パネルトークを始めるために壇上にあがると、会場が満席なのが確認できた。 しかもその多くが経営者。 過去に学校教育系イベントで、こんなにも企業関係者が押し寄せたことはあっただろうか。
嬉しくなった。 主に小中学生向けの教育。ゆえに企業にとって直接的なメリットはない。 そんな場にこれほど多くの人たちが集まったのだ。 その価値、その意義を感じ、あるいは確かめに来てくれたのだろう。
学校教育が地域に開かれていく。 その意義と可能性を壇上から噛み締めることができた。 松下ゆか理さんが灯してくれた火を、みんなで大きくしていきたい。

スポットティーチャーとして活動する松下さん。
教職を辞し、貯金を切り崩しながら「先生と子どものために」と起業した一歩は、並大抵の覚悟ではなかったはずです。 そんな想いに共鳴する人が少しずつ増え、今ではこれほど大きな輪になっている。その光景に胸が熱くなりました。
これからは企業も教育に参画し、地域社会が一体となって子どもたちに多様な機会を届ける。先生と手を取り合い、みんなで育む社会――。そんな未来を共につくりたいと、改めて強く感じた会でした。
松下さん、これからも応援しています。一緒に走り抜けましょう!

松下さんから「先生を学校に出前する」という構想を初めて伺った際、その実現は非常に難易度の高い挑戦だと感じていました。しかし、その後も試行錯誤を重ねながら着実に前進され、実際に形にし、さらに多くの人を巻き込んでいる現在の姿には驚かされます。
こうした大きな挑戦に向き合い続ける姿勢そのものが、まさに「先生らしさ」だと感じました。現在では授業数も100を超え、スタートアップ業界や地域産業など、多様な立場の方々が関わる場へと広がっていると伺っています。
今回のイベントにはパネリストの一人として参加させていただきましたが、私自身もその「巻き込まれた一人」です。今後さらに多くの人を巻き込みながら、大きなうねりとなっていくことを楽しみにしています。
参加者の声
株式会社ピエトロ 代表取締役社長 高橋泰行 氏
子供の教育を真剣に考えることは、日本の未来を真剣に考えることだと思います。
松下さんの子供と教育と元の職場である学校の先生方を思う熱い気持ちが世の中を動かし始めているのを、今日、体感しました。今後とも微力ながらお手伝いさせていただきます。
KBC九州朝日放送 チーフプロデューサー 河相大輔 氏
トークセッションであった『福岡をエデュケーションバレーに』とのお話に感銘を受けました。
企業・学校の垣根なく、全国的にもめずらしい教育が行われる福岡を想像するとすごくワクワクしました。松下さんの情熱があれだけの人を巻き込み動かしていることに、あらためて敬意を表させてください。
最所 あさみ 氏(コミュニケーションデザイナー)
スポットティーチャーに関わってらっしゃる方々はみなさん授業をされているだけあって語ることをたくさん持っていらっしゃって、かつ自分の仕事や専門分野を心から楽しみ、その楽しさごと子どもたちとシェアしたいという動機の方が多く、どなたと話しても興味深く盛り上がることばかりで、たいへん有意義な時間でした。
このつながりの輪に入れたことも、スポットティーチャーを通して授業をしてよかったことのひとつです。
広川町教育委員会 黒田康裕 氏
トークセッションでは、民間企業の、次世代を担う人材の教育への関心の高さがうかがえ、驚きました。「教育とは学校だけで完結するものではない」とよく言われますが、少子高齢化が進む日本社会において、「教育」とは、まさに社会全体で担っていくものだと改めて強く思いました。
そのためには、行政機関としても、民間企業をはじめとする外部人材が、垣根なく学校教育に入り込める、協働できる仕組み作りが必要だと感じました。
SPOT TEACHERを通じて生まれた関わりの広がり
イベント後のアンケートでは、「今後、SPOT TEACHERにどのように関わりたいか」という問いに対し、「授業として関わりたい」「誰かを紹介したい」「共育サポーターとして関わりたい」といった回答が多く見られました。

授業にとどまらず、紹介や支援、組織としての参画など、多様な関わり方が生まれていることが確認されました。
また、「なぜ教育に関わるのか」という問いに対しても、
「次世代への責任」「未来への投資」「社会貢献」といった理由が多く挙げられています。

企業・団体が教育に関わる理由として、「次世代への責任」が最も多く挙げられ、8割を超える結果となりました。
また、「未来への投資」「社会貢献」といった回答も多く、教育への関与が多様な動機から広がっていることがうかがえます。

多業種が集う「共育の場」
本イベントには、IT、インフラ、建築、飲食、観光、クリエイティブ、メディア、行政など、多様な分野の企業・団体が参加しました。
通常、教育分野、とりわけ公立小学校を起点とした取り組みにおいて、これほど多業種の企業・団体が一堂に会する機会は多くありません。
以下は、ご参画いただいた企業・団体一覧です。
■ トークセッションゲスト(50音順)
株式会社ヌーラボ
代表取締役CEO 橋本 正徳
一般社団法人福岡県中小企業経営者協会連合会
専務理事 古賀 正博
株式会社ボーダレス・ジャパン
代表取締役CEO 田口 一成
■ ご参画の皆さま(50音順)
※法人・団体・個人を含みます(敬称略)
株式会社アルサホールディングス
合同会社暗号屋
有限会社いずみ薬局
株式会社上向き
オーシャンリペア株式会社
春日観光株式会社
九電グループ
株式会社クリアクリエイト
経済産業省
株式会社麹王子
ことのは税理士法人
最所あさみ
株式会社サワライズ
株式会社しくみデザイン
ジョッゴ株式会社
スカイベジビー
株式会社スペースカウボーイ
チャリチャリ株式会社
株式会社長大
ツナガル株式会社
株式会社 つなぐ看護師,com
株式会社中山製鋼所
合同会社野の画家
株式会社博水
広川町教育委員会
株式会社ピエトロ
福岡県
福岡市議会
福岡市
福岡市教育委員会
福岡テンジン大学
株式会社西日本新聞社
有限会社ペーパーカンパニー
ボーダレスアカデミー
株式会社松永製作所
明倫国際法律事務所
株式会社吉開のかまぼこ
ラシン株式会社
株式会社リーボ
渡辺鉄工株式会社
AIG損害保険株式会社
Ascentia株式会社
FBS福岡放送
株式会社GenCXOStudio
G's(デジタルハリウッド株式会社)
KBC九州朝日放送
PeaceVoice
株式会社PECOFREE
RainbowLanguages
RKB毎日放送
株式会社Re-member
SundayMorningFactory株式会社
株式会社UPay
これまでのSPOT TEACHERの取り組みは、一つひとつの授業として積み重ねられてきましたが、今回のイベントを通じて、それらがつながる「共育の場」としての広がりが見え始めています。
元教員一人の実践から始まった取り組みが、企業・行政・地域を巻き込みながら、継続的な関係性を生み出す構造へと移行しつつあります。
単発の関わりにとどまらず、教育に関わる人が増え、その関係が次の関わりを生んでいく——こうした継続的なつながり、いわゆる「関係人口」が生まれ始めている点が、本取り組みの大きな特徴です。
今後の展望
SPOT TEACHERでは、これまでの授業実践をベースに、学校と社会をつなぐ取り組みを引き続き展開していきます。
単発の出前授業にとどまらず、企業・行政・地域と連携しながら、継続的に教育に関わることができる仕組みづくりを進め、公立学校においても無理なく導入できる形で、学びの機会を広げていきます。
今回のイベントを通して、教育に関わる方法は一つではないことが改めて示されました。
授業として関わるだけでなく、組織として支える、つながりを生むなど、それぞれの立場から関われる形があります。
こうした多様な関わりを受け止めながら、「共育サポーター制度」などの取り組みを通じて、継続的に教育を支える仕組みを広げていきます。
公立学校を起点に、教育と社会がつながる状態を社会に根づかせていくことを目指します。
🔗 共育サポーター制度の詳細については、以下よりご覧いただけます▼
当日の様子(ダイジェスト動画)
本イベント全体の様子を、約2分のダイジェスト動画としてまとめています。
SPOT TEACHER(スポットティーチャー)について
SPOT TEACHERは、共育パレット株式会社が運営する、学校と企業・団体をつなぐ共育コーディネートサービスです。
「共育(ともいく)」の考え方のもと、企業や団体の専門家による出前授業に加え、元教員がコーディネーターとしてヒアリングから授業設計、当日の進行、振り返りまでを一貫して担っています。
これにより、教員の負担を増やすことなく、学校と社会をつなぐ外部連携を実現しています。
企業にとっては社会貢献や社員の学び、次世代育成の機会となり、教育現場にとっても安心して外部とつながることができる仕組みとして広がりつつあります。
これまでに142回の授業を実施し、80社以上の企業と連携しています。
📚 授業レポート一覧はこちら ▼
https://note.com/yukari_neko2/m/m475fb32d5505
🔗当日のトークセッションや交流の様子については、以下のレポートにて詳しくご覧いただけます▼
https://note.com/yukari_neko2/n/nd87b609e67e4
会社概要
会社名:共育パレット株式会社
代表者:代表取締役 松下ゆか理
本社:福岡県福岡市中央区大名1丁目3-41
設立:2024年4月1日
HP:https://spot-teacher.jp/
事業内容:教育関連事業/学校と企業・団体との連携を通じたプログラムの提供/教育コンテンツの製作及び販売業務
SPOT TEACHER授業レポート:https://note.com/yukari_neko2/m/m475fb32d5505
問い合わせ:info@spot-teacher.jp
会場について
本イベントは、福岡市中央区にある「大名カンファレンス」にて開催されました。
企業・行政・地域の交流拠点として、多様なイベントや取り組みが行われています。


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