山口県 指定無形文化財「鷺流狂言」の伝承・普及をAI開発プロボノで支援
<今回のポイント>
✔︎ 当社のAI開発ノウハウを社会に還元するため、プロボノ活動の支援先を本年4月に募集
✔︎ 伝統芸能「鷺流狂言」の伝承・普及に課題を持つ、山口県を支援先として選定
✔︎ キーポイント検出(姿勢検出)技術を用い、狂言の動きを可視化するAIソリューションを開発
- プレスリリース概要
オーダーメイドによるAI・人工知能ソリューション『カスタムAI』の開発・提供およびコンサルティング事業を展開する株式会社Laboro.AI(ラボロエーアイ、東京都中央区、代表取締役CEO椎橋徹夫・代表取締役CTO藤原弘将。以下、当社)は、本年4月、当社が保有するAI導入やAI開発に関する専門知識・スキルを、社会貢献を目指す各種活動に活用いただくことを目的に、そのノウハウを無償で提供させていただくプロボノ(ボランティア)活動の支援先の募集を実施し、山口県観光スポーツ文化部を支援先として選定し、この度、山口県の指定無形文化財である「鷺流狂言」の伝承・普及を目的としたAI開発プロジェクトに取り組みました。
14世紀には狂言が上演されていたという記録が残る山口県において、明治維新後に伝承が始まった鷺流狂言は県を代表する地域伝統芸能であり、町衆によって形式が受け継がれ、現在は山口鷺流狂言保存会によってその伝統を守るための各種活動が行われています。しかし、伝承者・後継者の不足や伝統芸能に対する関心低下を背景に、今後10年以内にその伝統が消失してしまうことが危惧されています。このプロボノ活動では、山口県観光スポーツ文化部および山口鷺流狂言保存会と協働の上、伝統芸能の普及、特に後継者・担い手の増加や観光コンテンツ化に向けて、AI技術を活用した狂言の動きを可視化する仕組みの開発を実施いたしました。
「すべての産業の新たな姿をつくる」をミッションに掲げる当社では、今後もAI開発・導入に関するノウハウを活かし、伝統文化の継承をはじめとした様々な社会・産業課題の解決に精力的に取り組み、より多くの産業の方々にとってのイノベーション創出パートナーとしてあれるよう、引き続き精進してまいります。
本件について詳細は、下記もしくは以下のPDF版プレスリリース(全文)からご確認いただけます。
https://prtimes.jp/a/?f=d27192-20210806-d7ebc899c4da7a1f39145f053f2cdee7.pdf
鷺流狂言(山口鷺流狂言保存会 提供)
- 山口の鷺流狂言について
山口県では、伝統芸能・文化の普及に向け、雪舟生誕600年を契機とした雪舟の国宝水墨画への没入体験ができる5GVRコンテンツの開発や、観光スポットでのAR技術の導入、美術館収蔵品のデジタル化を進めるなど、県内への誘客・周遊のためにデジタル技術を文化体験コンテンツとして積極的に活用しています。こうした取組の中で、今般のプロジェクトは、小中学生や観光客を対象にした山口の鷺流狂言の普及・教育用コンテンツ開発に向けた第一歩として、AI技術を活用し、狂言演者の動きを可視化することを取り組みテーマとして設定いたしました。
鷺流狂言の公演の様子(山口鷺流狂言保存会 提供)
- 実施コンセプト 「“をかし” なAI」と開発内容
コンセプトに基づき、当プロジェクトでは、小中学生や観光客の方々が楽しんで利用できる普及・教育用アプリの開発の前段として、狂言演者の動きを認識・再現し、動きの違いやブレを可視化するAIソリューションの開発に取り組みました。具体的には、入力された人物画像から関節などの特徴点を座標データとして出力し、姿勢推定や動作解析を可能とする「キーポイント検出」の技術を用いて、お手本(先生)と体験者(生徒)のそれぞれから検出された特徴点を結んだベクトルの向きを比較、類似度をスコア化することを実現いたしました。
狂言の動きの検出結果比較( 左:お手本(先生)・ 右:体験者(生徒) )
- 今後の展望
今般開発したAIソリューションを用いたアプリのイメージ(※今般のプロボノ活動ではアプリ開発は実施しておらず、イメージのみ制作しています。)
当社では、今般のプロボノ活動を通じ、鷺流狂言という県保有の貴重な伝統文化財の伝承・普及の一役を担えたことを誇りに思うと共に、文化伝承を目的としたAI技術の活用可能性を示せたものと考えております。現時点で今後の活動継続は未定ではありますが、引き続き当社では、保有するAI技術に関わるノウハウを活かし、伝統文化の継承をはじめとした様々な社会・産業課題の解決に精力的に取り組んで参る所存です。
当社プロボノ活動を共に推進いただいた、山口県 観光スポーツ文化部 文化振興課 文化環境班長 森重信博 様のコメントをご紹介いたします。
-----------------------------------------------
山口県 観光スポーツ文化部 文化振興課 文化環境班長 森重信博 様
デジタル技術は、我々の生活をより便利なものにし、理解をより一層深めるために有用な手段であり、あらゆる分野で、それぞれの課題解決に向けて最適な形で活用できるものと考えています。
今回のLaboro.AI様のプロボノ活動には、「地域の人々が必死に取り組んでおられる課題について、デジタル技術を活用した支援が少しでもできないものか」と考え応募しましたが、実際に地域の方々と一緒にプロボノ活動に取り組んだところ、Laboro.AIスタッフの方々の専門知識と熱意がこれまでの地元の取組と合わさり、伝統芸能の分野においても新たな展開が期待できる気運が生まれ、課題解決に向けた第一歩になったと実感しています。
また、今回のプロボノ活動では、「地域の課題解決に向けて、地元住民、民間事業者、行政がフラットな関係として一緒に検討していく」新たな関係が見えた感触があり、こうした形からは、伝統と歴史の中にも革新的な取組が生まれることが期待できそうです。
今後は、今回のプロボノ活動をベースに、県民の方々や民間事業者の方々とともに、地域の課題解決に向けたデジタル技術の社会実装や他分野への展開など、積極的に検討していきたいと考えています。
-----------------------------------------------
- プロボノ活動「Laboro ProBono」について
オーダーメイド型AIソリューション『カスタムAI』の開発・導入およびコンサルティング事業を展開し、AI開発・導入に関する専門性を保有する当社では、AI技術に関する知識、スキルおよび専門人材といった当社の資源を、公益のために活動する団体や事業者に無償で提供し、より豊かな社会の創造に貢献することを目的に、国内の事業者を対象としたプロボノ活動の実施を決定、本年4月にその支援先の募集を実施しました。そして今般、多数の応募の中から、社会的意義や実現可能性等を踏まえ、県の指定無形文化財である鷺流狂言の伝承・普及に課題を保有する、山口県観光スポーツ文化部を支援先として選定いたしました。
※プロボノ支援先募集時のプレスリリースはこちらからご覧いただけます。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000027192.html
- 株式会社 Laboro.AIについて
<会社概要>
社 名:株式会社Laboro.AI(ラボロエーアイ)
事 業:機械学習を活用したオーダーメイドAI開発、およびその導入のためのコンサルティング
所在地:〒104-0061 東京都中央区銀座8丁目11-1 GINZA GS BLD.2 3F
代表者:代表取締役CEO 椎橋徹夫・代表取締役CTO 藤原弘将
設 立:2016年4月1日
URL : https://laboro.ai
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
- 種類
- その他
- ビジネスカテゴリ
- システム・Webサイト・アプリ開発政治・官公庁・地方自治体
- ダウンロード