性搾取の実態を告発する本がアジュマブックスより発売に! 韓国の性売買経験当事者が自らの20年にわたる実体験を綴った『道一つ越えたら崖っぷち』。
発売たちまち大反響! 現在5刷の本書を出版したことが評価され、著者ポムナルさんは、2021年の「2021今年のジェンダー平等文化賞・ジェンダー平等文化支援賞個人部門」を受賞、数多くのメディアで話題!
- 性売買の地獄はどこも似ている
ソウルオリンピックが開催された1988年から20年の間、性売買経験当事者の女性。貧困、家庭内暴力、家族間の性差別、同僚の女性たちの苦しみ、暴力と搾取まみれの雇い主や斡旋人、減ることのない借金システム、性売買の集結地「ガラス部屋」、買春男たちの姿態など、著者はすべてを振り返り、克明に綴っています。性売買の地獄から生還した著者の経験は「自分たちとは無縁のもの」とは決して思えないはずです。
崖から突き落とした者たちは、女性を見下す社会構造が生んだ者たちだからです。脱出後、著者はトラウマと闘いながら、同じ境遇に苦しむ女性たちのために闘うシスターフッドの活動を始めています。著者の勇気ある証言をぜひご一読ください。
「私の経験が私をむしばまないようにする唯一の方法は、暴力を暴力だと言い続けることだ」(第15章「性売買、そして性暴力」より)
「二〇年あまりを店で働きながら、そして性売買から脱したあともしばらくは自分の足で店に入ったという事実に罪悪感を持っていた」(第1章「なぜ性売買をすることになったのですか? より)
「店で人間以下の扱いをされるのは嫌だったが、性売買特別法ができたといって、店はなくならないと思った。しかも店から出て生きていくことができない私のためには、性売買特別法は成立してはいけないと考えた。何よりも前借りをすぐに返すことができないので、恐ろしさのほうが大きかった。女性の人権を叫ぶ人たちを見ると人権が飯を食わせてくれるのかと、私がどんな状態にあるのか知りもしないくせにと、誰も私を助けてくれる人がいないという現実に、私の人生の責任をとってくれるはずもない人たちが人権について語っていると思った」(第5章「うちらはどうせクソ客処理班だから」より)
「ある顧客はどこで手に入れたのか日本製のAVを持ってきて一緒にみようと言った」(第8章「金で女性の人格を買う者たち」より)
「どれだけいいかと皮肉るその顧客を早く帰すために身体が壊れるくらいにサービスをした」(第8章「金で女性の人格を買う者たち」より)
「性を売る女という理由で顧客に殴られ、血を流していても、私には人権などというものはなかった。業種によって私が出会った顧客たちの挙動を振り返ってみたが、顧客たちが性売買の女性に接する態度は、基本的にみんな同じだった。私は長い間私が出会ってきた彼らの汚い行為は、私の個人的な経験だとばかり考えており、その暴力を一人だけで対処してきた。しかし、他の性売買経験当事者たちと語り合いながら、それは性売買の女性であれば誰しも経験する暴力であったということを知ることになった」(第8章「金で女性の人格を買う男たち」より)
「一度も聞いたことがない「セックスワーク論」と出会うことがあった。「売られていく恐怖」を感じてみたことがないから」
「何が暴力で、何が搾取なのかもわからないような人生を長いこと生きてきたせいで、私の悲惨な姿をしっかりと見つめるのがつらかった」
「男たちには性欲を解消する手段が必要だ」という言い訳がいまだに通用しているこの社会で、ガラス部屋の路地は長い時間、堂々と存在してきた。(「エピローグ」より)
- 感動の本文に読者からの反響続々と寄せられています
発売たちまち大反響 現在5刷を数える。著者ポムナルさんは、2021年の「2021今年のジェンダー平等文化賞・ジェンダー平等文化支援賞個人部門」を受賞し、数多くのメディアに取り上げられています。
- 文化日報2019年12月5日付「この本」
- 韓国日報2019年12月6日付「新策」
- 東亜日報2019年12月7日付「新しく出ました」
- 朝鮮日報2019年12月7日付「一行読む」
- ハンギョレ新聞2019年12月6日付
- ソウル新聞2019年12月6日付「本棚」
- 中央SUNDAY 2019年12月7日付
-原書推薦文
性売買経験当事者である作者の話は具体的で淡々と進む。だから強い力を持つ。文章を読み進めながら、自分へのしんどい問いかけを止められなかった。私だったら違っただろうか。他の人生を生きられただろうか。私は絶対にその道に入らないと言い切れなかったから、本を閉じることが出来なかった。(チェ・ジニョン/小説家)
この本がフィクションだったらよいと思った。読みながらずっと反省した。なぜ私はこの声をまた消そうとしていたのだろうか。あげられなければならない声は、こんなことはありふれたことだとみなす受け入れられない人たちによって、根気よく潰されてきた。そうでなければ性搾取のカルテルを目の前にして「強制されたのか、自発的なのか」「搾取されたのか違うのか」のほうに関心を向けるなんてことはありえない。この不必要で邪悪な問いをまた繰り返したくなったならば、この本の完読をまずはお勧めする。(キムホン・ミリ/フェミニズム研究活動家)
- 性搾取の風景は日本も同じ
- 著者、翻訳者、監修者、解説者
ポムナル:봄날(Bom-nal)
「性売買」という崖っぷちな日々を生き延び、すべての命が芽吹く春の日(ポムナル:著者ペンネーム)に、社会の懐へと還ってきた。自らが被った暴力を再解釈し、性売買経験者と共に精力的に反性売買活動を展開している。友だちとのおしゃべりが好きで、おいしいものを探し回ったりと、今はちょっぴり楽しく生きている。料理、旅行、コンサート、観葉植物を育てるのが好きな、シングルライフを楽しんでいる女性。同じ境遇に苦しむ人を助け合う人生を生きようと努力している。
翻訳:古橋 綾(ふるはし あや)
社会学・ジェンダー研究。社会学博士(韓国・中央大学校)。東京外国語大学大学院非常勤講師・立教大学兼任講師を経て、岩手大学教育学部社会科教育科准教授。韓国で日本軍「慰安婦」問題解決運動、米軍基地村女性支援運動、反性売買運動などに関わってきた。時代を越えた性暴力・性搾取の問題を研究。主な翻訳書に『記憶で書き直す歴史 「慰安婦」サバイバーの語りを聴く』(韓国挺身隊問題対策協議会2000年女性国際戦犯法廷証言チーム編著、金富子、古橋綾編訳、岩波書店、2020年)、『歴史否定とポスト真実の時代――日韓「合作」の「反日種族主義」現象』(康誠賢著,大月書店,2020年)などがある。
監修:李 美淑 (Lee Misook)
東京大学大学院情報学環・准教授。専門はメディア・コミュニケーション研究。国境を越える市民連帯、社会運動とメディア、ジェンダーとメディア、ジャーナリズムについて研究。
解説:北原 みのり(きたはら みのり)
作家、女性のためのプレジャーグッズショップ「ラブピースクラブ」を運営するアジュマ代表。2021年アジュマブックススタート。希望のたね基金理事。著書に『日本のフェミニズム』(河出書房新社刊)など多数。
- 書籍概要
書名:道一つ越えたら崖っぷち
サブタイトル:性売買という搾取と暴力から生のびた性売買経験当事者の手記
著者:ポムナル
訳者:古橋綾
監修:李美淑
解説:北原みのり
判型: 四六判/ソフトカバー
頁数:432
価格:1980円(本体1800円+税)
ISBN:978-4-910276-07-6 C0098
装丁:松田行正
カバーイラスト:PAN DURUOHENG(潘 杜若蘅)
ジャンル:フェミニズム、ノンフィクション
発売日:2022年10月6日
発行:アジュマブックス
https://www.ajuma-books.com/
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