アグロデザイン、夏のフランス放射光施設ESRFでのX線結晶回折測定サービスの受付開始

電力需要の大きい夏の日本を避けることでグリーンに創薬研究を加速

アグロデザイン・スタジオ

医薬・農薬研究向けタンパク質構造解析サービスを展開する株式会社アグロデザイン・スタジオ(本社:千葉県柏市、代表取締役社長:西ヶ谷有輝、以下アグロデザイン)は、夏の日本では困難な創薬研究用のX線結晶回折実験を実施するため、フランスの放射光施設「European Synchrotron Radiation Facility(欧州シンクロトロン放射光研究所:以下ESRF)」で測定する【海外放射光測定サービス】の受付を開始しました。測定料金も結晶16個あたり19万8000円(税別)という低価格を実現しております。

夏のESRF測定受付はじめました

今年も日本の創薬研究者にとって悩ましい季節がやって参りました。医薬品や農薬の研究開発に必要なタンパク質のX線結晶構造解析(※1)を行うには、放射光施設(※2)でのX線結晶回折実験が必要です。しかし、放射光施設の電力消費量は極めて大きいため、SPring-8などの日本の放射光施設は電力需要の高い夏期に運転を停止します。このことが医薬品や農薬の創薬研究が遅延する要因のひとつとなっていました。特に近年は化石燃料高騰により、国内放射光施設の運転期間が短くなる傾向にあり、必要十分な測定時間が確保できないことが問題となっています。

そこでアグロデザインでは、8月下旬から9月にかけても稼働しているフランスの放射光施設ESRFを利用することで、夏でもX線結晶回折測定を可能にするサービスを展開します。フランスは、日本の東北から北海道と同等な緯度に位置しており、偏西風と北大西洋海流の影響で大部分の地域が西岸海洋性気候であるため、夏は涼しく冬は温暖な気候であることが特徴です。そのため、フランスでは、冬が電力需要のピークとなっています(※3)。また、フランスの電源構成は、7割以上が安定稼働している原子力発電所であり、再生エネルギーである水力発電が約12%、風力発電も約7%と増加しています(※4)。このように、安定な電力供給体制となっているため、ESRFは夏でも稼働しております(2025年は、8月上旬から中旬にかけてメンテナンス期間があります)。

アグロデザインでは、2025年はESRFのビームタイム(測定割当時間)を年間176時間確保しており、今年の8月下旬~10月上旬の約2か月間は、毎週ビームタイムを確保しています。このビームタイムは、【海外放射光測定サービス(測定のみ代行)】として展開するとともに、【AgroBox® タンパク質/核酸の構造解析フルサービス】での利用、そして当社が独自に行う新規の農薬創出研究に利用する予定です。これらのサービス提供により、放射光施設の運転時間を延ばすことができない日本の夏においても、創薬研究や構造生物学研究を加速させることが可能になります。


【夏の海外放射光測定サービス(測定のみ)】

海外放射光測定サービスでは、国際輸送と測定のみを代行します。煩雑な国際輸送の手続きは当社が行うため、お客様は凍結させた結晶サンプルを千葉県柏市の当社研究所までお送りいただくだけです。その後、当社がフランスへの凍結結晶の輸送とX線回折測定を実施し、測定データをお客様に返送いたします。価格は、結晶16個が保存できる Uni-Puck (※5)1個あたり税別 19.8 万円となります(アカデミア価格:税別 16 万円)。本サービスは、Uni-Puck 1個からお申込みいただけるため、柔軟なご利用が可能です。その他、AI創薬スタートアップ様、受託会社様向けの特別価格の設定もあります。

2025年夏のESRF測定受付中


【AgroBox® タンパク質/核酸の構造解析フルサービス】

AgroBox®では、タンパク質または核酸の立体構造解析に必要な「結晶化スクリーニング~測定~構造モデリング」まで、全て当社にお任せいただく受託サービスです。このサービスにおいても夏のESRF測定を活用するこどで、迅速な実験が可能となります(ESRF利用の場合も追加料金不要)。詳しくは、弊社ウェブサイトよりダウンロードできるパンフレットをご覧ください。

AgroBox®構造解析フルサービス




本サービスの詳細につきましては、以下のURLをご覧ください。

https://agrobox.jp

本サービスに関するご質問などは、AgroBox事業部までお問い合わせください。

Email:sales@agrobox.jp

〈※備考〉

  1. X線結晶構造解析:タンパク質構造解析の代表的な手法であり、タンパク質の分子量に制限が無く、極めて高いスループット性を有しています。そのため、多数の化合物とタンパク質複合体の測定が必要な創薬研究において非常に有効です。

  2. 放射光施設:加速器を利用したシンクロトロン放射によって生み出される強力な光(X線など)を活用して各種測定実験を行う研究施設です。国内には、SPring-8、高エネルギー加速器研究機構 Photon Factory、あいちシンクロトロン光センターなどが存在します。

  3. 月別フランス電力生産:参照 https://jp.tradingeconomics.com/france/electricity-production

  4. フランスの電力構成:参照JETRO https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2022/0802/9a00f07ca7e77da0.html

  5. Uni-Puck:X線結晶構造解析のための標準的なタンパク質結晶サンプル保管容器。最大16個の結晶を保管できます。

〈株式会社アグロデザイン・スタジオについて〉

新規な農薬原体(有効成分の化合物)の研究開発を行うことを目的に2018年3月に創業。2023年には、自社創農薬で培った技術を受託サービス『AgroBox®』としてお客様への提供を開始。自社創農薬事業では、防除対象生物(害虫・雑草・病原菌など)がもつ『ヒトには無いタンパク質』を薬剤標的とすることで、分子標的農薬というコンセプトの毒性リスクが低い農薬を開発中。

住所:〒277-0882 千葉県柏市柏の葉6丁目2番地3
代表取締役社長:西ヶ谷 有輝(にしがや ゆうき)

設立日:2018年3月30日

会社Website:https://www.agrodesign.co.jp

AgroBox®事業部 Website:https://agrobox.jp

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ビジネスカテゴリ
医薬・製薬化学
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会社概要

URL
https://www.agrodesign.co.jp
業種
水産・農林業
本社所在地
千葉県柏市柏の葉六丁目2番地3 東京大学柏IIキャンパス産学官民連携棟303
電話番号
-
代表者名
西ヶ谷有輝
上場
未上場
資本金
5000万円
設立
2018年04月