「35年前の自分にまた出会えた奇跡に感謝」90年代ラブコメ映画『スキ!』『香港パラダイス』『山田ババアに花束を』『咬みつきたい』初Blu-ray&DVD化記念!島崎和歌子&渡邊孝好監督トークショー開催
『スキ!』『香港パラダイス』『山田ババアに花束を』『咬みつきたい』Blu-ray&DVD発売中!
90年代のラブコメヒット作4タイトル『スキ!』『香港パラダイス』『山田ババアに花束を』『咬みつきたい』が初Blu-ray&DVD化、9月17日(水)に発売されたのを記念して、神保町シアターにて、9月27日(土) から特集上映「東宝90年代ラブコメ★パラダイス」を開催中。
期間中の9月30日(火)『スキ!』の上映にあわせて主演の島崎和歌子と渡邊孝好監督によるトークショーが行われた。
冒頭にポスターを指さし「35年前の私と、奇跡の今52歳です(笑)今日は皆さんと一緒に思い出を楽しめたら」という島崎のコメントでスタート。


公開から35年を経て、Blu-ray&DVD化されたことに対して、渡邊監督は、「昨年、90年代の“未DVD化特集”で『スキ!』を含む私の監督作が3本上映されたんです。そこで「そろそろソフトにならないかな」と、東宝さんに遠回しに圧を…(笑)。というのは冗談で、今日も「どうして決断してくれたんですか?」って聞いちゃいましたが(笑)昨年のこの神保町シアターでの上映会で久しぶりに島崎さんとも再会して、そういったことも後押しになっているのかなと思います」と語り、島崎は、「35年前の自分に会えるって機会ははあまりないですし、手元に置ける形になるなんて思っていなかったので、感慨深いですね。VHSは“宝”として大事に持ってましたけど、今は再生できないですし。上映されることもうれしいことですが、Blu-ray、DVDになって、側にいられるのは本当にうれしいです。」と話した。


キャスティングについて、正式な大規模オーディションというより、制作会社の会議室で“面接”的に監督と初対面、という感じだったという。「今だから聞きますけど、(私に)決まってたんですか?」という島崎に、「何人か候補はいたけど、面接をしたのは、島崎さんだけだったと思う。相性の確認は必要だったので、会ってから決めた」と監督が答えると、「役のイメージもありますしね。よかったです。ご縁があって!」と喜んだ。
当時、17歳の島崎は、映画の現場は初。島崎は当時を振り返り、「映画もドラマもわからず、監督に言われた通りに動けばいいという感じでした。セリフは全部覚えていくんですが、その通りに言うと怒られる(笑)。「台本通りに喋るな」って。今は大人になったからわかりますが・・・そんな言い方ないじゃないですか(笑)監督の演出方法だったんですか?」とツッコむと、渡邊監督は「そのままに縛られるよりは、役になりきった人から出てくる言葉と動きを撮りたいと思っていた」と答えた。
コンプライアンス無視?!の当時の撮影について、渋谷センター街でのゲリラ撮影が忘れられないという島崎。「ロケバスを停められるところがなくて、西武のA館とB館の間から降りて、とにかく「下向いて歩け、合図したら行くぞ」って(笑)。当時はカメラも担ぐタイプで、撮影だとわかるので、通行人の皆さんもカメラ目線で映り込んでいたりして。」と話すと、渡邊監督は「相米慎二監督 に影響を受けていて、いわゆる 長回しでの生のライブ感みたいなものを求めていて。セリフ通りにしゃべるというよりも、その役をやりきった人間の中から出てくるものを撮りたいと考えていました。それで、その渋谷での撮影も含め、実際の場所に役を放り込んで“どうする?”みたいなことをしていましたね」と話した。
撮影中、島崎が印象に残ったのは、終盤のマンションの玄関で泣くシーン。
「涙が出なくて、無理に泣こうとしたら監督に「嘘泣きするな、セリフ通りに言ったって仕方ない」と怒られて、本当に怖くて泣いてしまって。「ライトをセッティングがあるから、そこでそのままいろ」と言われて、その場で「何もできないな」と思って悲しくてうつむいていたら、いつの間にかカメラが回っていて…。それが使われたんです。試写で観て、初めて知って驚きました。台本通りにやった芝居も撮ってもいたのに、何がいけなかったんですか(笑)?」と尋ねると、「無理に泣くとか、決まったセリフをしゃべること自体はもはや必要なくて。明るくはっちゃけてキャピキャピしているけど、内面にあるものを掘り起こしたいと思っていたので、現場のリアル、役のリアルの部分が出ていていいなと思って使いました。けっこう無理なこともやらせていたけど、17歳でよく耐えて、掴んでくれたと思います。」と渡邊監督に言われ、「本当に何も知らないってすごいですよね。ちょっと経験していたら、多分ついていくのは無理だったと思います。」と当時を振り返った。
共演の大江千里について、島崎は「本当にいい人ですよね。当時とてもお忙しい時期でお疲れだったと思うのですが、そんなことは一切出さず、サービス精神旺盛でとてもいい方で、現場で精神的に助けていただきました。打ち上げでは歌も披露してくださって。いい人すぎて、何年か後に私が一人暮らしを始めるときには、物件探しまで手伝ってくれました。」というエピソードを披露。渡邊監督は「人としてできている。彼がいれば現場は大丈夫という感じで、存在して大きかったですね。この『スキ!』での役柄は会社でのキャリアを全部捨てて、なりたかった絵描きになるし、大江さんもポップスでものすごく売れていたのに、 ニューヨークに行って一からジャズピアニストになる。今この映画を観返してみて、役柄と大江さんのイメージがリンクしていると感じました。」と語った。

Blu-ray&DVDならではの見どころを渡邊監督は「最後に高校生が美大生になり、モノクロで描かれる“二年後の再会”のシーン。犬のパトラッシュを見つけた時は昔の元気な双葉ですが、大江くんを見た時に島崎さんがただ驚くだけでなく、かすかに微笑む。それがものすごくいい表情で、役の上で二年分の大人になった姿を発見できます。それから、交通事故後にふっと振り返る横顔も、劇中の快活さとは違う“大人の女の顔”を見せていました。撮影最終日で体調が万全ではなかったと後で知りましたが、自分としては納得していない心残りがあったのか、そんな島崎さんの表情も映していますので、その辺に注目して観ていただきたいです」と語り、島崎は「自宅で“一時停止”しながら細部まで見られるのがいいですよね。ラストに登場する賢いワンちゃん(パトラッシュ)を「犬キック」と言って蹴るシーン、アドリブでもないですし、本当に蹴っていませんので、そんなところも観てください。今日ちゃんと言えてよかったです(笑)」と会場を沸かせた。


そして、最後に会場の観客に向けたメッセージとして、渡邊監督は「Blu-rayとDVDになって、見直せるのが本当に嬉しい。機会があればぜひ手に取って、ご自宅でもう一度、ご覧になってください。」
島崎は「35年経って、1つの作品が形になることもそうそうないですし、何が何だかわからなかった10代だったんですが、こうやって35年前の自分にまた出会えた奇跡に感謝しています。この空気感をご自宅で味わっていただけたら嬉しいです。」と締めくくった。
『スキ!』『香港パラダイス』『山田ババアに花束を』『咬みつきたい』Blu-ray&DVD 発売中
Blu-ray:6,050円(税込)DVD:3,300円(税込)
発売元:東宝




特集上映「東宝90年代ラブコメ★パラダイス」神保町シアターにて開催中【~10月3日(金)】
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