2020年第2四半期台湾医療器材産業の振り返りとトピック<ワイズ機械業界ジャーナル9月第4週号発行>
〜台湾機械業界の動向が分かる〜
ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の9月第4週号を発行しました。今週号では、機械設備業界、医療器材業界、ギアボックス部品のメーカーTSANG YOW、スマート製造業界について紹介します。
<200924号内容案内>
1 | 機械設備業界 | 台湾機械設備製造業の振り返りと今後の展望—2020年上半期 |
2 | 医療器材業界 | 台湾医療器材産業の振り返りとトピック—2020年第2四半期 |
3 | 自動車・二輪車業界 | ギアボックス部品のメーカー、倉佑実業(TSANG YOW) |
4 | スマート製造業界 | 台湾プラスチック・ゴム機械製造業の発展トレンド |
台湾医療器材産業の振り返りとトピック—2020年第2四半期
一、カテゴリー別概況
1.診断・測定用医療器材
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、防疫物資の需要が大幅増加し、2020年第2四半期の診断・測定用医療器材の生産額は63億5,000万台湾元で、前期比204.4%増、前年同期比245.8%増と大きく伸びた。
このうち、医療用画像機械は超音波検査用装置が主要輸出製品である。長年の研究開発を経て、台湾メーカーはプローブなどの関連部品だけではなく、超音波検査用装置の完成品も生産できるようになった。また、世界市場の開拓に力を入れたことから、2020年第2四半期の生産額は前年同期比42.8%増と大きく伸びた。
生体情報器材は、心電計とその他電気診断器材が主要輸出製品である。新型コロナウイルスの感染拡大により、患者生体状況のモニタリング装置を含む関連製品の需要が増加したことから、2020年第2四半期のその他電気診断器材の生産額が成長し、生体情報器材の生産額は前期比324.6%増、前年同期比514.8%増と大幅成長した。
生理検査用器材は、▽血圧計▽体温計▽聴診器―などが主要輸出製品である。対米国輸出が大幅増加したことから、2020年第2四半期の血圧計の輸出額は前年同期比95.9%増となった。また、体温計も20年3月から輸出制限が解除されたため、第2四半期の輸出額は大幅増加した。このため、20年第2四半期の生理検査用器材の生産額は前年同期比11倍の成長となった。
2.手術・治療用医療器材
2020年第2四半期の手術・治療用医療器材の生産額は68億6,000万台湾元で、前期比4.3%増、前年同期比8.5%増だった。
動力手術器材は、その他眼科用手術・医療器材が主要輸出製品である。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で非緊急の医療需要が減少したことから、2020年第2四半期の輸出額は前年同期比38.9%減だった。歯科用手術・医療器材の輸出額は横ばいを維持した。
手術・治療用医療器材は一般手術器材・部品が最も大きい輸出割合を占めており、製品の種類が最も多い。台湾メーカーは大手メーカーのOEM(相手先ブランドによる生産)受注と同時に、製品の研究開発と市場開拓に力を入れているため、総輸出額は成長が続いている。
呼吸器製品は、その他呼吸器とその他医療用呼吸器が主要輸出品目で、台湾メーカーの多くは持続陽圧呼吸(CPAP)療法用器材を主に生産している。新型コロナウイルスは過呼吸・呼吸困難などの症状を引き起すため、その他医療用呼吸器の需要が増加し、2020年第2四半期の呼吸器製品の輸出額は前年同期比95.1%増となった。なお、呼吸器市場の需要増加に対し、一部メーカーが新製品の開発と緊急使用許可(EUA)の申請を進めていることから、呼吸器製品の輸出額はさらに成長する見通しだ。
3.補助・補填用医療器材
2020年第2四半期の補助・補填用医療器材の生産額は69億3,000万台湾元、前期比9.1%減、前年同期比23.4%減だった。
身体機能補助器具は、新型コロナウイルスの影響で病院からの需要が減少した。このため、2020年第2四半期は主要輸出製品である人工関節の輸出額が前年同期比19.6%減、整形外科器材の輸出額が同24.8%減となったが、人工骨やボルトなど部品の輸出額は同13.6%増となった。
コンタクトレンズは台湾医療器材のうち、最も大きい輸出割合を占める製品である。しかし、価格競争の激化と新型コロナウイルスの感染拡大によって需要が減少したことから、2020年第2四半期の輸出額は前年同期比11.3%減となった。
4.体外診断用医療器材
2020年第2四半期の体外診断用医療器材の生産額は65億台湾元、前期比10.4%増、前年同期比9%増だった。体外診断用医療器材は血糖値測定製品や血糖試験紙などを主要輸出製品としている。血糖値測定器の輸出額は全体の19%を占め、2020年第2四半期の輸出額は前年同期比1.2%増とわずかに成長した。血糖試験紙の輸出額は全体の40.1%を占め、20年第2四半期の輸出額は同12.6%増だった。血糖値測定の需要は一定の規模を有しており、かつ成長が続いているため、今後も体外診断用医療器材の主要輸出製品の一つであり続けるだろう。
5.その他医療器材
その他医療器材は病院が定期的に調達する消耗品が主要項目であるため、毎年安定した成長が続いている。今年は、新型コロナウイルスの感染拡大によって防疫物資の需要が拡大したことから、2020年第2四半期の生産額は118億1,000万台湾元、前期比79.6%増、前年同期比83.2%増と大きく伸びた。
このうち、その他カテーテルの輸出額は前年同期比15.6%増だった。これは、大手メーカーである邦特生物科技(Bioteq)と太平洋医材(Pahsco)が先進材料の応用開発に力を入れたことから、輸出市場における需要が成長したためだ。
絆創膏製品は、台湾メーカーが積極的に新製品を研究開発している分野で、とくに先進材料の応用、臨床診療の応用に向けて、ハイエンド製品の研究開発を進んでいる。2020年第2四半期の輸出額は新型コロナウイルスの影響で前年同期比34.8%減となったものの、長期的に見ると大きな潜在的商機を有する分野である。
二、2020年第2四半期トピック
台湾の新型コロナウイルス感染症は収束の兆し 2020年6月1日よりマスク輸出を再開 台湾医療器材産業の輸出額をけん引
新型コロナウイルスの感染予防として、経済部が「マスク国家チーム」を発足してから、台湾のマスクの生産枚数は1日188万枚から2,000万枚に引き上げられた。また、台湾では新型コロナウイルス感染症は収束の兆しを示しており、かつマスクの在庫も一定数を確保していることから、経済部は衛生福利部(衛福部)を含む部門と協議し、2020年6月より一部マスクの輸出を再開する決定を下した。ただし、マスク国家チームの所属メーカーから毎日合計800万枚のマスクを徴収する方針は、20年12月まで継続する。
分析:
新型コロナウイルスの影響で、防疫物資の関連需要は拡大した。マスク着用は個人ができる感染予防の第一歩だが、世界的に供給不足となっており、各国はマスクを重要物資とみなしている。台湾は新型コロナウイルスの感染拡大の影響は落ち着いているため、マスクの輸出制限を緩和した。台湾のマスクメーカーが既存顧客と新規顧客からの受注を対応できるようになっただけではなく、台湾の医療器材の品質の高さを世界に宣伝できる機会となった。また、マスク国家チームの発足によって、メーカーはマスク生産ラインのモジュール化を確立することができた。機械設備、原材料の供給や品質検査までのプロセスを統合したことで、今後メーカーはマスク生産のソリューションサービスを提供できるようになるだろう。
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