ビオトープに学校林!江田島市の自然に触れ合う教育プログラムに注目
生き物観察や学校林。自然を生かした教育プログラムが充実!
江田島市内にある小学校は、ほとんどが小規模校であることから、生き物観察会、サマーキャンプ学習など海や山など自然に触れ合いながら学習するプログラムが各校で行われています。
中でも、江田島町にある江田島市立切串小学校では、1978年に発生した古鷹山の山林火災で、失った緑を取り戻そうと「切串緑の少年団」が結成されて以降、山内に学校林を所有するなど、自然体験学習に力を入れています。これまでも、森の手入れやせん定作業、間伐などの森林保全活動を学校教育の一部として行ってきました。切串小学校のこれらの活動は、地域環境の美化のための顕著な功績として評価され、2018年には環境省から「地域環境美化功績者表彰」も受けています。
そんな切串小学校の児童たちを中心に、3月9日(火)・11日(木)に江田島町にある古鷹山で、ビオトープ(※)づくりや学校林活動を通じた自然体験学習が行われました。
※ビオトープ(Biotop)…生命:ビオ(bio)+場所:トープ(topos)を合わせた造語で、さまざまな野生の生き物たちが共生している生息域や空間のこと |
江田島市は、平成30年7月豪雨で家屋浸水や断水、土砂崩れなど大きな被害を受けた町のひとつです。そのため、2005年から続けていたビオトープでの活動も中止となり、災害から手付かずの状態が続いていました。しかし、「元の自然環境に戻したい」という市民や児童たちの思いから、市が協力して1年かけて荒れた土地などを整備し、この度、約2年ぶりにビオトープづくりが再開されました。
当日は、梶岡幹生さん(日本ビオトープ協会・主席ビオトープアドバイザー)の指導の下、児童たちは再び生き物が住みやすい環境になるために、ヤシャブシ・カワヤナギ・ヤマツツジ・カサスゲなど、元々あった10種類の植物を植樹しました。参加した児童は、「何年後かには、もっときれいなビオトープになっている。見るのが楽しみ」「このような体験ができるのが、他の学校よりも楽しいところだと思う」と話していました。4月末には、地元のメダカやドジョウなど、元々ビオトープにいた生き物を池に放流する予定です。
「切串緑の少年団」の活動
江田島市が平成30年7月豪雨で受けた被害は想像以上に大きく、今回活動の舞台となった古鷹山も大きな被害を受けた山のひとつです。切串小学校の所有する学校林の道路は崩れ、2年間何もできない状態が続いていました。「失った緑を取り戻したい、もう一度緑についてみんなで考え、行動したい」という切串小学校の先生や児童たちの思いが実り、ようやく学校林へ入れるようになったのは、昨年の4月のこと。そこから、みんなで1年かけて荒れた土地を綺麗にしてきました。
児童たちは「池を作って生き物たちを入れたい」「昔みたいに、子どもから大人まで安全に楽しく遊べる学校林にしたい」など、それぞれ希望を持って活動に取り組んでいます。指導する先生は「勉強していく中で緑についてもっと興味を持ち、学び、自分たちで課題をクリアしていく。自然豊かな江田島市の土地を活かして、大人になった時に自慢になるような、そんな活動にしていきたいです」と話します。
42年前から続く、「切串緑の少年団」の活動。これまでの活動に携わってきた方々の思いをしっかりと受け継ぎ、復興のために、児童たちは頑張って活動に取り組んでいます。
学校林活動の再開の様子(2020年7月)▶https://www.facebook.com/etajimacity/posts/3454371484615642
切串小学校の他にも、市内各学校では里海などの自然を生かした教育プログラムが充実しているので、自然に関心を持つ子どもたちがたくさんいます。江田島市ならではの環境のもと、子育てしてみるのもおすすめです。
【移住に関すること】
移住定住ポータルサイト『hodohodo』▶https://ijyu-etajima.jp/
江田島市ホームページ▶https://www.city.etajima.hiroshima.jp/
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