「日越外交関係樹立50周年記念 ベトナム映画の現在plus」アテネ・フランセ文化センターにて8月17日開催。第76回カンヌ国際映画祭カメラ・ドール受賞監督の短編も上映。来日ゲストを招いてトークも
日程:2023年8月17日(木)〜19日(土)会場:アテネ・フランセ文化センター(東京・御茶ノ水)
協力:福岡市総合図書館
2021年2月にアテネ・フランセ文化センターと福岡市総合図書館が実施した「ベトナム映画の現在」(助成:国際交流基金アジアセンター)は鬼才ファン・ダン・ジー監督の全面協力により実現した、ベトナム映画の過去と現在を見渡す試みでした。しかし、残念ながらコロナ禍で入場制限を設けざるを得ませんでした。
近年ベトナム映画の若い作家たちは次々と国際映画祭で高い評価を受けており、2023年開催の第76回カンヌ国際映画祭では、89年生まれのファム・ティエン・アン監督がカメラドール賞を獲得し話題に。
今回の「ベトナム映画の現在plus」は、そんな新世代の若手監督の作品を中心に、前回の特集では上映できなかった作品もplus。今回も福岡市総合図書館のご協力のもと、アーカイブ所蔵のベトナム映画を特集し、ベトナムの映画人にもご登場いただきトークを行います。
また本年は日本とベトナムの外交関係樹立50周年の年でもあります。新宿K’s cinemaをはじめ東京・横浜・大阪・名古屋の全国4都市で「ベトナム映画祭2023」を開催するムービー・アクト・プロジェクトとアテネフランセ文化センター、日本映画映像学会アジア映画研究会との共催にて開催の本企画は、日本とベトナムの文化交流の促進を目的に、ベトナム映画の鑑賞機会をより提供することを目的に企画するものであります。
上映スケジュール
◆8月17日(木)
13:50―
「樹上の家」チューン・ミン・クイ(84分)
2045年、火星に降り立った映画監督は、遠く離れた故郷、ベトナムの中部高原について記憶を辿る。戦争中に撮影された米軍の記録映像と、現代の映像を織り交ぜながら、タイのイサーン(東北部)と並ぶ「ゾミア」、中部高原の折り重なる歴史へのSF旅行に観客を誘う。
「常に備えよ」ファム・ティエン・アン(14分)
ホーチミン市(サイゴン)、夜の街角を全編ワンショットで撮影されたスローシネマ。街の喧騒、流しの歌声の中、男たちによる謎の会話も聴こえ、やがて、急ブレーキと衝突音も飛び込んできて…。第76回カンヌ映画祭カメラ・ドール受賞作『Inside the Yellow Cocoon Shell』のアン監督による短編。
16:00―
「アナザーシティ 」ファム・ゴック・ラン(25分)
中年女性、新婦、若い男たち、都市で生きる人々の苦悩の断片に、繋がりを見出す、ベトナムの新たな群像劇。中年女性を演じる、ミン・チャウは、ダン・ニャット・ミン監督『河の女』(1987)の主演女優。
「どこでもないところで羽ばたいて」グエン・ホアン・ディエップ(99分)
故郷を離れ、ハノイで大学に通うフェンと労働者のトゥン。妊娠が発覚するも、若い二人の生活は苦しく、中絶費用のため、フェンは援助交際に手を染める。ファン・ダン・ジー監督作品、そして『Kfc』などのプロデューサーとしても、ベトナム映画新潮流を牽引する女性、ディップ監督による初長編劇映画。
18:30 ― オープング上映&トーク
「Kfc」レ・ビン・ザン(69分・英語字幕のみ)
ベトナム映画の突然変異、ザン監督の長編デビュー作にして、呪われた問題作。そして、兇悪と暴力の連鎖をテーマにした、最凶の食人ホラーが日本初上映。救急車を悪用し、非道を尽くす人喰い医師、その犠牲になった男など、複数の破綻者が交差する「異常」群像劇にして、血と肉の狂宴。今回、英語字幕での上映。
◆8月18日(金)
14:20―短編集
「聖地」ファム・ゴック・ラン(19分)
父の墓を探す母と息子、ゴルフに興じる中年男性。これら墓地とゴルフ場の話が砂丘を介して交錯する。
「蟻人」ヴィエト・ヴ―(26分)
体に蟻が住み着く非日常と、ゲイの日常を組み合わせた、ベトナムのケネス・アンガー、ヴ―監督の挑戦的デビュー作。
「曇天」ヴ―・ミン・ギア、ファム・ホアン・ミン・ティー(20分)
ウエディングドレス店員の女性と路上パフォーマーの青年と恋愛モノと思いきや、予想の斜め上に展開し…。
青年役を『Kdc』ザン監督が好演。
「天国にいたる道」ズーン・ジウ・リン(15分)
50歳の未亡人タムは、メコンデルタへのバスツアーに参加し、初恋の男性と再会する。彼女は復縁のチャンスを期待するのだが…。
「U...!あるいはこの世の雑多な憂いについて」ヴ―・ミン・ギア(21分)
首都ハノイ、アル中のヒエンは、妻と2人の娘、そして義母と古い社会主義アパートで暮らしている。彼には愛人もいる。ある日、彼は腹部に腫瘍があることに気付く。『曇天』の共同監督、ヴー・ミン・ギア監督による短編。
「静黙」ファム・ティエン・アン(15分)日本語字幕
ハレの日の前夜、若い女性が大雨のホーチミン市(サイゴン)の街を彷徨いながら、見つかるかどうかわからない愛の答えを探し求める。『常に備えよ』の前に作られたアン監督による短編。
16:50―
「ビー、心配しないで」ファン・ダン・ジー(96分)
ベトナム映画ニューウェーブの扉をこじ開けた最初の作品にして、新潮流を牽引するジー監督の初長編劇映画。首都ハノイに住む少年ビーの家に、重病の祖父がやってきてから、家族がギクシャクし始める。父親は浮気相手のもとへ、叔母は16歳の少年に夢中に…。
19:00―
「大親父と、小親父と、その他の話 」ファン・ダン・ジー(102分)
21世紀頭のホーチミン市(サイゴン)。写真を学ぶためにメコンデルタから上京したヴーは、麻薬ディーラーで同居人タンの紹介で、ダンサーのヴァンと出会う。彼らの三角関係を軸に、息子を結婚させたいヴーの父親も絡む、愛憎青春群像劇。
ゲスト:ファン・ダン・ジー監督Q&A
◆8月19日(土)
13:30―
「輝かしき灰」ブイ・タク・チュエン(117分)
ベトナムを代表する作家グエン・ゴック・トゥーのベストセラー小説の映画化。ベトナム南部の海沿いの村を舞台に3人の女性たちの報われない愛を描く。監督は「漂うがごとく」「癒やされた地」のブイ・タク・チュエン。第44回ナント三大陸映画祭ではグランプリに当たる「金の気球賞」を受賞した。
16:00―
「海辺の彼女たち」藤元明緒(88分)
技能実習生として日本に来たベトナム人女性のアンたち3人はある夜、職場から力を合わして脱走を図る。やがて不法滞在となる身に不安が募るも、やっと安定した居場所を見つけた矢先にフォンが体調を壊す。在日ミャンマー人家族の実話を元に描いた『僕の帰る場所』の藤元明緒監督の長編第二作。
18:00―クロージング上映とトーク
「見えない流れ」ファム・ゴック・ラン(23分)
メコン川流域5カ国の監督が参加したオムニバス映画『メコン2030』(2020)の一編。不眠症で悩む若い恋人たちと、30年ぶりに再会した元恋人たち。メコン川の上流と下流で、交錯する二つの話。
ゲストトーク
8/17(木)
18:30― オープング上映とオンライントーク
上映「Kfc」2016レ・ビン・ザン(DCP/69分/英語字幕)
レ・ビン・ザン監督によるリモートQ&A
司会:坂川直也(東南アジア地域研究者)
8/18(金)
19:00― 「大親父と、小親父と、その他の話 」102分
ゲスト:ファン・ダン・ジー監督Q&A
8/19(土)
18:00― クロージング上映とトーク
上映「見えない流れ」ファム・ゴック・ラン(DCP /23分)
トークゲスト
ファン・ダン・ジー(映画監督)
ブイ・タク・チュエン(映画監督)
チャン・ディ・ビック・ゴック(プロデューサー)
藤元明緒(映画監督)
司会:石坂健治(日本映像学会アジア映画研究会代表)
イベント概要
日程:2023年8月17日(木)〜19日(土)
会場:アテネ・フランセ文化センター(東京。御茶ノ水)130席
東京都千代田区神田駿河台2-11 アテネ・フランセ4F
入場料(当日券のみ)
1回券:一般1,500円 シニア・学生1,300円 会員1,000
3回券:3,000円
・各回入替制 ・
チケットは1本目の上映20分前から当日上映分を販売します。
【詳細WEBページ】
http://www.athenee.net/culturalcenter/program/vi/vietnamesecinema_plus.html
実施団体
主催:ムービー・アクト・プロジェクト
共催:アテネ・フランセ文化センター
日本映像学会アジア映画研究会
後援:公益財団法人日本ベトナム協会
一般社団法人ベトナム経済交流センター
ベトナム友好協会
一般社団法人ベトナム情報センター
協力:福岡市総合図書館
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像