パフォーマンスを出すにはケイパビリティが重要だった 2022年、学びとパフォーマンスの結びつきが企業成長のカギ
〜ユームテクノロジー、学習・パフォーマンスラーニングに関する「2021年総括及び、2022年展望」を発表〜
- 学びの重要性を認識していない組織に成長はない
新型コロナ元年といえる2020年は、あらゆるモノやコトがオンライン化へ半強制的に舵を切った歴史的な転換点でした。学習に関しても、企業や学校など多くの組織がオンラインラーニングを活用しましたが、組織によって導入などに差が生じたこともまた事実です。2021年は各組織がその状況を振り返りながら、発展や改善を行う1年でした。
特に多かったのは、前年に緊急対応で導入したオンライン化の欠点や課題などを見直す動きです。たとえば、企業でオンラインの新人教育ばかりをやっていると、新人同士の関係性がうまく醸成されません。また、配属後もオンラインでは人脈作りが困難です。その点、今年はリアルとオンラインのブレンド型に移行し、できるだけリアルで集まれるようにする頻度が高まりました。
このブレンド型が教育の中では大きな転換点になり、そのことで働き方も流動的になってリアルのよさも見直されるでしょう。やはり、直接会うことは情報の深度や明度が違います。営業や商談の場でも「実際に会いに来てくれる人に」という観点が、差別化要因のひとつになると考えられます。
企業における研修に関しては、意識の違いで差が出てきているといえます。やはり、学びの重要性をどれだけ認識しているかによって差が出ます。たとえば、役員や現場のリーダーが理解しておらず、研修は時間がある時に行うような企業は成長が鈍化していきます。
リーダーの在り方が問われるというエビデンスは、世界最大級の人材開発・組織開発団体ATD(Association for Talent Development)の調査でも出ており、その差は4倍。学習しない組織は、停滞して成長できないというものです。一方、学習する文化が根付いている組織はリーマンショックもコロナも乗り越え、売上や利益が伸長していく流れです。
- ラーニングエコシステムの導入が大切
日本にはCLO(chief learning officer/最高人材・組織開発責任者)が多くの組織で存在していません。CLOの役割は人材の育成とそれを促す組織の実現でありますが、日本では各メディアですらその存在に言及することは少ない現状です。
重要なことは、学びから発せられたアクションが、どうパフォーマンスや業績と結びついたかの関連性をみること。そのためには、学びのDXを学習できる環境、ラーニングエコシステムを導入し、リーダーたちが進んで学習することです。
コロナ禍によって世の中のニーズが変わり、商品やサービスの在り方も変わりました。売れていたものが売れなくなったケースも少なくありません。仮にもし業績が悪化しても、リカバリーしている企業というのは、新たなビジネスへとダイナミックに転換していることが見受けられます。
これは教育関連でも同様。今までの学習方法、そして今までのeラーニングでは通用しないのです。社会がどう変わり、そのために自社のミッションがどう変わり、どんなビジネスを提供していくべきなのか。企業のパーパスを見直すということであり、これについてはATDの調査でも過半数のCEOが見直しています。
新たな価値を提供するためには行動も変わるでしょう。従来の研修やeラーニングはもともと分断されていますが、つながりのない世界で努力をしても、よりよりパフォーマンスとは結びつきません。だからこそ逆算、ブレイクダウンしていくのです。
どこにビジネスの舵を切り、向かっていくのか。ではそのためにとるべき行動は。その行動のためにスキルやマインドをどう変えるべきか。とはいえ従来の研修のように、1年間に3日、5日、7日間とやっても間に合いません。毎日30分でも15分でも学び続け、仕事のパフォーマンスを上げる必要性が出てきています。
そのうえで「こんな学びがあった」と、気付きを共有し、「なるほど。であれば自分もやってみよう」と学びを共有して、チームがバージョンアップしていく。そういう組織が必要になります。
そしてリーダーは、大きな学びの方向性を打ち出し「会社を変えるために自分たちはこうして学んでいくぞ」と、提示できる能力が必要です。彼らはよく「どうDXを理解させ、浸透させていくか」と言います。ただしDXは手段でしかありません。大前提として学ぶ文化の醸成が必要であり、学ぶ組織に変えるための行動が大切となります。
現在は、得たナレッジやスキルを独り占めするのではなく、組織で共有し全体をアップデートしていく時代です。惜しみなく教え合い、組織力を高めていく。そのためには、日々簡単にアドオンで付け加えられるツールが必要です。そのうえでラーニングエコシステムの基盤を出せるもの、それがUMUに繋がっています。
- これからの人材にはケイパビリティの要素が重要
近年重要視されているのがラーニングコミュニティであり、2021年の動向に触れていきます。これまでパフォーマンスを出すための評価では行動特性、いわばコンピテンシーが重視され、企業もコンピテンシーベースの能力開発をやってきました。
しかし、その考え方で育成した人材には「本当に仕事ができるのか?」という議論があったことも事実です。そこで約2年前に、コンピテンシーを含んだケイパビリティモデルをATDが発表しました。しかし、その途端に世界はコロナ禍となってしまいました。
私たちが業務でパフォーマンスを出すには、知識やスキルだけでは不十分です。一方、仕事ができる人はたとえ知識やスキルが完全でなくても、人を巻き込むことで不可能を可能にしています。知恵を借りたりアドバイスをもらったりする、これがケイパビリティの要素です。
たとえば人脈。どんな人とつながって、アドバイスを受けているのか。社内外で人脈があれば、困難にぶち当たった時でも助けてもらえる。これがケイパビリティの重要ポイントです。それを作るにはコミュニティが大切です。ジャンルは、興味がある分野で構いません。AIのコミュニティなど、お互いに学ぶことがあれば触発し合い、そこに新しい学びが生まれ、経験を得て成長できます。
仕事以外のネットワークだけではなく、ダンスや芸術、音楽など、それら趣味のコミュニティでもケイパビリティになります。たとえばITエンジニアがITのスキルで行き詰った場合、しかし芸術の分野など他のソリューションがあれば、解決の糸口に繋がります。
コミュニティを作って議論し、刺激を受けながら教えたり学んだりして成長する。そこが学びのゲートウェイです。そのうえで、コミュニティで学んだことを共有すると、また新たな知見が加わり、メンバーもブーストして強い組織になっていきます。
これからは上意下達ではなく、組織の中に学べるコミュニティが構築され、多様性を生み出しながら新たな価値を創造するようになっていくでしょう。ケイパビリティとは人間的要素であり、人間力も上げます。その人が困っている時に助けたくなる、そんな関係性を作れるかどうか。自社だけでソリューションは構築できないため、そこには優秀なベンダーや営業パーソンがつながって、ソリューションの使い方を得られる関係性が重要なのです。
- ラーニング業界で今後伸びる分野とは
これからの学びは、プッシュ型のトレーニングからプル型のラーニングへとますます変わっていきます。やはり上意下達ではありません。現場の人間が自ら探して学び、組織へ共有する。その枠組みを作っていくことがリーダーの役割となっていきます。
根底にはダイバーシティがあります。一般的にはダイバーシティや、意見をインクルージョンし、認め励まし合う中で柔軟な組織風土が生まれ、時にイノベーティブなアイデアが生まれます。その点でも、多様性を認めることは大事な要素です。
同様に、学びのダイバーシティも重要です。専門性だけでなく他の分野にも理解を示し勉強していく。そうすることで創造性が磨かれます。ものごとを柔軟にとらえて発想をよりよく転換していくためには、幅広く学習する学びのダイバーシティが欠かせません。
2022年を迎えるにあたり、注目されているもののひとつが、特定の技術の成熟度、採用度、社会への適用度を示すハイプ・サイクルです。本国アメリカでは学習のハイプ・サイクルも発表されました。そこではAIのほか、ARやVR、学習の個別化がピークのところにあり、今後は下がってきています。
AIや個別に学びを整えるパーソナライゼーションの結果が出るまでには数年かかるでしょう。特にAIはデータが溜まらないと効果を発揮しないので、忍耐が必要です。ただし遅れは禁物のため、今から着手して学びのデータを取り始めることが重要です。
他方、LXP(Learning Experience Platform/学習体験プラットフォーム)はATDの提唱から5年近く経っていますが、注目されるのはこれからでしょう。LXPをはじめ、ラーニングエコシステム、マイクロラーニングなどはこれから伸びていく分野です。
企業が着目するのはパフォーマンスをどう発揮させるか。そのためには、学びとパフォーマンスを結びつけることの重要性に気付くべきです。このことに気付いて着手し始める企業こそ業績は早く回復し、新たなチャンスやビジネスモデルも見つけられるのではないでしょうか。
- 会社概要
名称 :ユームテクノロジージャパン株式会社
本社 :〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-5 リンクスクエア新宿 16F
代表者 :代表取締役 松田 しゅう平
設立 :2018年2月9日
事業内容:インターネットテクノロジーを利用したラーニングプラットフォームのUMUの販売
URL :https://umujapan.co.jp/
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