⽇本医療研究開発機構(AMED)令和6年度「医工連携イノベーション推進事業(開発・事業化事業(ベンチャー育成))」の採択決定について
順天堂大学発スタートアップのInnoJin株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:猪俣武範)は、日本医療研究開発機構(AMED)が公募した「令和6年度医工連携イノベーション推進事業」に採択されました
令和6年度「医工連携イノベーション推進事業(開発・事業化事業(ベンチャー育成))」では、設立後間もないベンチャー企業を支援し、ベンチャーキャピタルや公的資金の導入の可能性がもてるように医療機器ベンチャー企業としての形が整うことを目標としています。
尚、本事業に採択された詳細は下記の通りです。
◆採択事業の課題名
『バーチャルリアリティを用いた小児弱視訓練用プログラム医療機器に関する研究開発』
◆研究開発期間
令和6年6月~令和8年3月
◆背景
弱視は一眼あるいは両眼の視力不良を主な特徴とし、小児における発症率は約1–5%である。本邦では約21万人の弱視患者が存在し、その社会的損失は約2.2兆円と推定されている。弱視の治療は、完全矯正眼鏡の常用に加え、アイパッチなどを用いた健眼遮閉(健眼を遮閉し弱視眼を強制的に使用)による弱視訓練を実施する。しかし、人の視覚の感受性期は8歳までであり、この時期までに適切な治療をしなければ、以降は十分な治療効果を期待できない。
本邦では3歳児健診で弱視検査が実施されているが、弱視患者の約6割を見落とすとの報告があり、その後の就学時健康診断や学校検診で小児弱視の過半数以上が発見される。また、アイパッチを用いた健眼遮閉による弱視訓練は、患児の年齢が上がるほど一日あたりの遮閉時間を延長する必要があり、患児への心理的・物理的負担が増大する。弱視治療における患児への負担が大きいと、患児が健眼遮蔽を実施しない、親が自己判断で健眼遮蔽を中断するなどのアドヒアランスの低下により弱視の治療効果の低減に繋がる。そのため、健眼遮閉に代わる心理的・物理的負担が少なく、治療効果の高い弱視訓練方法が望まれている。
◆内容
本研究開発提案の期間内では、バーチャルリアリティ(VR)を用いた小児弱視訓練用プログラム医療機器の小児に対する安全性検証試験を実施うえ、軽量化ならびに小児の瞳孔間距離に適した(小型化)世界初の小児用のヘッドマウンドディスプレイ(HMD)の開発および、健眼遮蔽時間設定機能や利用履歴確認機能などを実装したプロトタイプ(臨床試験機)を開発し、その効果に関わるパイロット研究を実施する。許認可戦略として、本製品の医療機器承認・保険償還に向けたPMDA・総合相談や厚生労働省医薬産業振興・医療情報企画課相談を実施する。また、事業化に向けた知財戦略、製造・サービス体制、販売体制を確立する。
◆今後の展開
本製品の小児に対する安全性検証試験ならびに検証的医師主導治験を実施し、クラスⅡプログラム医療機器として上市を目指す。
本製品の社会実装により、従来の弱視治療方法よりも患児への心理的・物理的負担が少なく、短期間での弱視治療を実現し、視力にハンディキャップを背負う子どもがいない未来を創出することを目指す。
◆会社概要
InnoJin株式会社
代表者: 猪俣武範
設立: 2020年12月1日
所在地: 東京都文京区本郷2-5-2
電話番号:03-6670-8993
企業サイト: https://innojin.co.jp/
事業内容 :
・医療及びヘルスケアに関するITを活用した事業
・医療及びヘルスケアに関する情報収集、分析及び情報提供
・医療及びヘルスケアに関するウェブコンテンツ及びデジタルコンテンツの企画、制作、販売、配信
・医療及びヘルスケアに関するコンサルティング業務
・医療及びヘルスケアに関する研究
・教育事業
・書籍その他印刷物及び電子出版物の企画、政策並びに販売前各号に付帯関連する一切の事業
◆本件に関するお問い合わせ先
InnoJin株式会社
メールアドレス:cs@innojin.co.jp
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