サステナクラフト、RegrowおよびATOA Carbonと提携し、JCM向けモデルベースAWD方法論の共同開発に着手

JCM AWDにおけるモニタリング負荷の軽減、プロジェクト形成の拡大、透明性向上を目指す

株式会社サステナクラフト

株式会社sustainacraft(本社:東京都、代表取締役:末次浩詩、以下「サステナクラフト」)はこのたび、リモートセンシング、機械学習、土壌モデリング技術を活用した農業分野のGHG計測において世界をリードするRegrow Ag(本社:米国ニューハンプシャー州、共同創業者兼CSO:William Salas博士、以下「Regrow」)、およびカーボンオフセットプロジェクトの実施と方法論開発に豊富な実績を有するATOA Carbon(本社:米国カリフォルニア州、創業者兼CEO:Sami Osman、以下「ATOA」)との間で、協力覚書(MoU)を締結いたしました。

本提携は、日本の二国間クレジット制度(JCM)において、水田由来のメタン排出削減が期待される水管理手法(AWD: Alternate Wetting and Drying)などの持続可能な稲作手法による温室効果ガス(GHG)排出量の低減効果を、モデルベースで定量化する新たな方法論の共同開発を目的としています。

本協定により、この3社は、AWD活動における測定・報告・検証(MRV)手法を、モデルベース推定により高度化し、稲作分野におけるスケーラブルかつ透明性の高いGHG削減の実現に貢献することを目指します。

背景と目的

二国間クレジット制度(JCM)は、日本のNDC達成の貢献が期待されており、2040年までに累計で2億tCO2eのクレジット発行を日本政府としても目指しています。

その中で、AWDは、特に東南アジア諸国において大きなGHG削減ポテンシャルを持つ農業活動の一つです。2025年2月には、フィリピンにおいてJCM初のAWD方法論が正式承認され、今後同様のプロジェクト展開が期待されています。

一方で、現行のJCM方法論ではチャンバーを用いた実測モニタリングが必要とされ、現場への負担や実施コストが課題となっています。これに対し、VCSやCARなど国際的なクレジットスタンダードでは、すでにモデルベースによる排出量推定が認められています。

サステナクラフトは、国内外のプロジェクト開発者への技術支援を通じて、モデルベース手法の普及促進を図っており、Regrow社が独占的にライセンスを保有する生物地球化学モデル「DNDC」の活用が、その中核を担うと見込まれます。また、ATOA社は、世界最大のボランタリー炭素クレジットのレジストリーであるVCSにおける最新のAWD方法論「VM0051」の提案者であり、VM0051ではすでにモデルベースによる定量化が認められています。

今後の取り組み

本協定に基づき、3社は以下の取り組みを進める予定です。

  • AWD活動において、モデルベースによるGHG排出推定のパイロット実証の実施

  • 日本国内の企業・関係省庁との連携による手法の普及活動

  • 実証成果に基づくJCM方法論案の提案および制度設計への貢献

2025年中には、複数の企業・政府機関との連携のもと、AWD活動におけるパイロット実証を開始する予定です。本実証では、DNDCモデルを用いた温室効果ガス排出量の推定手法の有効性を検証します。

今後、AWDの案件形成が見込まれる東南アジア地域を中心に展開を図っており、すでに稲作を実施している企業を対象に、実証パートナーの募集も開始します。

実証パートナーの募集

本取り組みでは、主に東南アジア諸国(特にJCMパートナーシップ締結国)において、モデルベース定量化の推進にご協力いただける現地パートナーを募集しています。

該当地域で稲作事業を実施されている企業、またはAWDによるクレジット創出にご関心のある企業の方は、ぜひ下記の連絡先までご連絡ください。

各社代表コメント

William Salas博士(Regrow 共同創業者・CSO)

「稲作は、農業由来のメタン排出削減において最も大きな可能性を秘めた領域の一つです。科学的に実証されたDNDCのようなモデルを活用することで、モニタリングのコストと複雑さを大幅に低減でき、より多くの農家・プロジェクト開発者がカーボンプログラムに参加できる環境が整います。sustainacraftおよびATOAと連携し、JCMにモデルベース手法を導入できることを誇りに思います。」

Sami Osman(ATOA 創業者・CEO)

「sustainacraftおよびRegrowと協力し、JCM市場におけるイノベーションと効率化を推進できるこの機会に、大きな期待と感謝を抱いています。」

末次 浩詩(sustainacraft 代表取締役)

「当社とRegrowおよびATOAとのパートナーシップは、JCMの下で高品質な農業プロジェクトの拡大に向けた重要な一歩です。Regrowの高度なモデリング技術とATOAの方法論開発経験、およ当社のプロジェクトデューデリジェンスの専門知識を組み合わせることで、モデルベースの方法論の普及拡大と農業カーボンクレジットの信頼性向上を目指します。」

会社概要

Regrow社について
Regrowは、リテール・CPG・食品加工業者・農業生産者など、農業バリューチェーンのステークホルダー向けに気候レジリエンス強化ソリューションを提供する米国企業です。TIME誌の「2023年 世界で最も影響力のある100社」に選出されており、Cargill、General Mills、Nestlé、Kellanovaといった企業とも提携。2023年Fast Company「世界で最も革新的な企業」リストでは農業部門で第1位、2024年Inc. 5000では米国急成長企業ランキング328位にランクインしています。

ATOAについて
ATOAは、カーボンオフセットプログラムの効率性と実行能力を高めることを専門とする米国拠点のコンサルティング企業です。自主および法定の両市場に精通しており、国際的なクレジット登録機関および国の制度に向けたプロジェクト実施支援や方法論開発を展開しています。

サステナクラフトについて

サステナクラフトは、「自然資本への資金循環の促進」をミッションに掲げ、自然由来カーボンクレジットのデューデリジェンスおよび調達支援を専門とするスタートアップ企業です。2024年9月には、信頼性の高い海外クレジットを効率的に調達可能とする「nature.cocraft」の提供を開始しました。


<会社概要>

・社名:株式会社sustainacraft(サステナクラフト)

・設立:2021年 10 月1日

・代表者:末次 浩詩

・資本金:3億3,601万円(資本準備金含む)

・投資家: インクルージョン・ジャパン株式会社、株式会社三菱UFJイノベーション・パートナーズ、ジャフコ グループ株式会社

・所在地:東京都目黒区目黒2-11-3

・会社HP:https://sustainacraft.com/ja

・共同調達プラットフォームについて:https://sustainacraft.com/ja/ncc

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環境・エコ・リサイクル
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会社概要

株式会社sustainacraft

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URL
https://sustainacraft.com
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区平河町 1丁目6番15号USビル8階
電話番号
-
代表者名
末次浩詩
上場
未上場
資本金
5000万円
設立
2021年10月