AI電話応対診断ツールの共同開発を開始 ― 「人×AI」で応対品質の診断ツールを2026年春に正式リリース予定
AI×人の二段階評価で、応対品質を公正に可視化
株式会社ドゥファイン(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:恩田謙太郎)は、当社の「電話応対品質診断」サービスをAI一次評価+人の最終レビューで可視化する「DF-CX Score AI(仮称)」の共同開発を開始しました。
2026年初旬にPoCをスタートし、2026年春頃の正式提供を予定しています。
傾聴・説明・敬意表現・クロージングの4観点を標準化し、AIによる一次診断と診断専任担当による最終レビュー(Human-in-the-Loop)を組み合わせた、さらなるレベルの応対力診断の実現を目指します。
本プロジェクトは、タンデムクロス株式会社を中核に推進し、パートナーエンジニアを、東京大学大学院のOBやベンチャー企業出身者が中心となって設立されたAI系スタートアップの株式会社onerootsが務めます。
■本製品の特徴
1. 一貫性のある公正・公平な診断
これまで当社の電話応対品質診断は、専門スタッフが音声を精査する人手中心のプロセスでした。
高度な知見に基づく評価である一方、聴取のタイミングやコンディションに起因するわずかな評価ブレを抑えるため複数名体制を敷くなど、さらなる精度確保に努めてきました。
今回のAI電話応対診断の開発により、まずAIが客観指標で一次評価を行い、最終工程で専門アナリストがレビューする「Human-in-the-Loop」構成を確立。評価根拠(発話内容・文脈・指標)の一貫性が高まり、より公正・公平で精度の高い診断を実現します。
2. 要望に応じた柔軟なチューニング
クライアントごとに「この観点を重点的に見てほしい」という要望に応えるカスタマイズ性を強化しております。
例えば、傾聴や説明の明瞭さ、敬意表現、クレーム予兆など、特定の観点やシナリオを重み付けしてモデルをチューニングでき、評価レポートやフィードバックの粒度も業務実態に合わせて最適化します。
3. 業界別ベンチマークで立ち位置を可視化
業界別のベンチマークと比較可能な評価指標を整備。
全体平均に対する位置づけ(例:業界横断スコア)に加え、金融、保険、情報通信、健康食品、ホテル・サービス、医薬品製造、食品メーカー等での診断実績を生かし、各業界に特化したスコアリングやコメント表現にも対応します。
これにより、「自社は業界内でどのレベルか」「どの項目を改善すれば競合優位性を築けるか」が明確になり、現場の育成と経営判断の双方を後押しします。
■期待される効果
本開発により、傾聴・説明・敬意表現・クロージングを多面的に可視化して評価を標準化し、属人化を抑えた応対品質の底上げが期待できます。
加えて、録音聴取~採点~レポート作成を自動化することでQA(Quality Assurance=品質保証)工程の所要時間を最大で85%程度短縮することを見込んでおり、担当者は結果レビューに集中できる環境が整います。
併せて、同一基準での評価により一貫性や公平性を担保するため、定期的に診断を実施することで成長の実感と学習意欲の喚起、改善サイクルの高速化が可能です(運用次第では増員なしで診断・評価処理可能な通話量の拡大を見込めます)。
さらに、評価根拠の透明化が現場の心理的安全性を高め、丁寧で一貫した応対の継続がCX向上とブランド価値の積み上げにつながります。
■活用イメージ
本サービスは、以下のようなケースで活用されます。
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CX・顧客接点の高度化
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人材オペレーションとガバナンスの強化
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経営・横断意思決定の可視化
なお、導入企業の要望に応じたカスタマイズが可能なため、どのような業種・業態・規模感の企業にもご活用いただけます。
1. CX・顧客接点の高度化

電話の、AIと人による”二段階診断”で明らかになった弱点(傾聴・説明・敬意表現・クロージング)を、スクリプトやFAQ、優先ルーティングへ反映し、チャネル横断で継続改善が可能です。
通話から抽出した「意図×言い回し」は学習データとして横展開され、一次解決率の向上と不要なエスカレーション抑制に寄与します。
そして、チャットと電話の体験を一体的に平準化し、CXを底上げします。
2. 人材オペレーションとガバナンスの強化

診断・評価結果をもとに研修・トレーニング計画を立てることができ、OJT期間の短縮や配席・シフト最適化を後押しします。
診断結果をもとにした最適な研修の提案も、ドゥファインが行います。
さらに、不当要求の兆候や逸脱表現の自動検知を即時のエスカレーション基準や標準応答に反映することで、現場の心理的安全性と説明責任を高い水準で担保します。
3. 経営・横断意思決定の可視化

業界横断スコアや業界別ベンチマークにより自社の立ち位置と改善優先度を特定し、教育・人員・ツールへの投資判断をKPIで合理化できます。
応対の診断・評価で得た内容を管理者やAIへ学習させることで、部門を跨いだ指標管理とPDCAを高速化。
結果として、日々の運用改善と中長期の投資戦略を同じ“共通言語”で結び、持続的な成果創出へとつなげます。
■開発の背景
近年、企業の電話応対には「迅速さ」だけでなく、的確な説明力・傾聴姿勢・状況判断がより強く求められています。とりわけ、社会的関心が高まるカスタマーハラスメント(カスハラ)対策の観点からも、不当要求の兆しを早期に察知し、エスカレーションを未然に防ぐ応対力の底上げが不可欠です。
ドゥファインは、創業以来30年以上培ってきた応対ノウハウをもとに、“誰が応じても一定以上の品質を提供できる”状態を標準化できるシステム開発を目標に掲げ、2025年1月には「AIを用いた電話応対診断システムの新規開発とサービス展開」のテーマで、経営革新計画として東京都からの承認を得ることができました。
本開発は、通話内容を客観指標で可視化し、コンプライアンス・セーフティの観点を含む改善点を明確化することで、現場の自己学習と上司のコーチングを加速させる取り組みです。
AIでの一次診断により、傾聴・ヒアリング深度・説明の分かりやすさ・敬意表現・不当要求の兆候などを多面的に把握。
最終納品前は弊社の専任担当が「人の目」で妥当性を検証し、公平で説得力のあるフィードバックへと仕上げます。これにより、応対レベルの継続的な向上を実現していきます。
■開発体制
本プロジェクトは、タンデムクロス株式会社がプロジェクト管理を、株式会社onerootsが開発担当を務めます。
タンデムクロス株式会社

デジタルマーケティングを軸に、企業にDX化の提供やマーケティングソリューションの提供を行う。
マーケティング事業としての取引先は、朝日新聞社・太平洋クラブ・Y-SAPIX・マネックス証券などマーケティングシステムの提案から運用まで行っており、様々なプロジェクトを実施。
会社概要
会社名:タンデムクロス株式会社
所在地:東京都中央区湊二丁目2番8号 CKビル5階
代表者名:石井悟朗
公式サイト:https://www.tandem-ad.co.jp/
事業内容:広告代理業、デザイン制作、AI開発、AIシステム販売
株式会社oneroots

東京大学大学院のOBやベンチャー企業出身者が中心となって設立されたAI系スタートアップ。ビジネスや社会が抱える「出会いと別れ」に起因する様々な課題に対し、最先端のデータ科学技術やAI技術を取り入れ、より良い社会の実現を目指す。
エンジニア
西口 真央
・博士(経済学)
・東京大学 大学院工学系研究科 特任研究員
・ベンチャーから大企業まで、30以上のデータ分析・AIプロジェクトに参画
・国際学会Paper Award、データ解析系コンペ優秀賞など受賞多数
岡村 光埋
・株式会社onerootsにてデータ分析・Webアプリ開発に従事
・Python、TypeScript等を用い、フルスタック開発・データ分析を担当
・医療AI、交通分析、会員数予測、マッチングシステム開発等に参画
会社概要
会社名:株式会社oneroots
所在地:東京都千代田区神田須田町2-3-12
代表者名:西口真央
公式サイト:https://oneroots.company/
事業内容:
・AIに関するソフトウェア及びアルゴリズムの開発、販売、運営、並びに管理
・データ分析業務の受託
・データ利活用に関するコンサルティング業務
■代表者コメント
株式会社ドゥファインは、あらゆるカスタマーサポートを通じて「ありがとうがあふれる社会を目指す」ことを企業ビジョンとして掲げ、顧客体験価値(CX)の向上に取り組んでおります。
現在、日本国内では人口減少に伴う労働力不足が深刻化しており、今後はより一層、人材確保が困難になることが予想されています。こうした環境変化の中で、AI技術を活用した業務効率化や顧客対応の高度化は、企業にとって重要な経営課題の一つとなっています。
この度、弊社が開発した「DF-CX Score AI(仮称)」は、人と人、あるいはAIと顧客との対話におけるコミュニケーションを可視化し、スコアリング・分析を通じて課題の発見と改善を支援するソリューションです。顧客対応の品質向上を数値的に把握し、より良い顧客体験の創出に貢献いたします。
今後は、本サービスを他社様にも幅広くご利用いただけるよう、ご要望に応じたカスタマイズや導入支援を進め、日本全国の顧客体験をより豊かにすることを目指してまいります。
■会社概要
会社名: 株式会社ドゥファイン (Do Fine Co., Ltd.)
所在地: 東京都千代田区神田猿楽町2-7-6 TK猿楽町ビル3階
代表者: 代表取締役社長 恩田 謙太郎
設立: 1990年6月12日
会社HP:https://www.dofine.co.jp/
事業内容: コンタクトセンター事業、人材派遣事業[派13-090047]、教育事業、物販事業
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