ISL NetworksとフィンランドCumucore社、5G-TSNを活用した産業向けネットワークソリューションで業務提携を締結
日本市場におけるローカル5Gおよび産業用通信基盤の拡大を共同推進

株式会社ISL Networks(本社:東京都港区、代表取締役CEO 井上拓也、以下「ISLN」)は、フィンランドCumucore社(Cumucore Oy、本社:フィンランド エスポー 、CEO ホセ・コスタ=レケナ、以下「Cumucore」)と日本国内におけるCumucore製品およびソリューションの独占販売契約と戦略的業務提携契約を締結しました。
提携に至った背景
近年、日本では製造業やインフラ分野を中心に「ワイヤレスによるリアルタイム制御」への期待が高まっています。特にローカル5Gの実用化が進む中で、工場や社会インフラの自律化・省配線化を実現するためには、有線ネットワークと同等の時刻同期精度と低遅延性を備えた無線通信が不可欠です。
Cumucoreは、欧州を中心に5G Standalone(SA)およびTime-Sensitive Networking(以下TSN:ナノ秒単位の製造機器間の時刻同期)対応コア技術をいち早く実装し、「gPTP over 5G NPN(非公衆ネットワーク)」によるワイヤレス時刻同期デモンストレーションを成功させた世界有数のベンダーです(出典:Cumucore公式サイトニュースリリース、 https://cumucore.com/cumucore-news-and-events/live-demonstration-of-gptp-synchronization-over-5g-npn/)。これにより、有線ネットワークと同等のナノ秒単位の時刻同期をワイヤレス環境で実現することに成功しています。
一方、ISLNは、日本の製造業や通信キャリアと連携し、産業用5Gおよびローカル5Gの設計・構築・検証支援を展開してきました。特に、ロボット・AGV/AMR・AIカメラなど、現場制御機器の無線化や5GのTSN対応を推進しており、現場での課題や適用要件に深い知見を有しています。
こうした背景のもと、両社は「欧州の最先端技術と日本の現場力を融合させ、産業DXを加速させる」という共通のビジョンのもと、本提携に至りました。今後は、5G×TSNによるリアルタイム制御ネットワークの社会実装に向けて、共同で日本市場への展開を進めて参ります。
提携内容
本提携により、ISLNはCumucoreの5Gネットワーク製品およびTSN対応ソリューションを日本国内で独占的に販売・展開する権利を有します。また、両社は日本市場に特化した5年間の共同事業計画を策定し、5G-TSN技術の社会実装を加速させます。
Cumucoreは、3GPP準拠の5Gスタンドアロン(SA)ネットワークを開発・提供する企業で、特に産業用途(Factory Automation、ロボティクス、電力・交通インフラなど)における超低遅延・高精度時刻同期(gPTP)通信の実現で世界的に注目されています。
ISLNは、これらのCumucore製品を日本の製造業・社会インフラ分野へ導入し、5G×TSNによるリアルタイム制御ネットワークの普及と導入支援を行ってまいります。具体的には以下の領域を中心に展開します。
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スマートファクトリー・AGV/AMR・ロボット制御分野
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スマートグリッド・交通制御などの社会インフラ領域
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放送、AV関連
提携の効果・期待される成果
本提携により、両社は以下のような具体的成果を目指します。
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日本初の5G×TSN実装事例の創出
Ethernet TSN同等の時刻同期をワイヤレス環境で実現し、製造現場のロボット・AGV・AIカメラなどの同期制御を可能にすることで、有線配線の削減と生産ラインの柔軟化を実現します。 -
ローカル5G導入のコスト・時間削減
Cumucoreのソフトウェアベースの5Gコアを活用し、従来よりも低コスト・短期間で構築可能なスモールスタート型ローカル5Gシステムを提供し、中堅・中小製造業でも導入しやすい環境を整えます。 -
技術標準化と国際展開の促進
欧州で先行するTSN over 5G技術と日本市場の要件を連携させることで、国際標準化活動への貢献および日本発の5G産業ソリューションの輸出拡大を目指します。 -
産業DX・人材育成の推進
企業との共同実証を通じて、産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)と技術人材の育成を支援します。
この提携を通じ、ISLNとCumucoreは「産業インターネットの時代における通信基盤の再定義」を共に進め、製造業・社会インフラ分野における日本の競争力強化に貢献します。
提携の今後の展開
今後、ISLNとCumucoreは、
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日本市場向けの共同製品開発・技術適合化
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デモ環境・PoC支援の提供
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技術情報や販売・顧客データの相互共有
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様々な産業のプレイヤーと次世代産業システムの共同開発、実証実験を展開
を進め、日本国内の5G-TSN実装を加速させます。
両者代表コメント
Cumucore Oy CEO ホセ・コスタ=レケナ氏
「日本の産業界は、信頼性、品質、精度において世界基準を確立しています。ISL Networksとのパートナーシップを通じて、Cumucoreの先進的な5G-TSN技術を日本に導入し、次世代の産業ネットワークへの移行を加速できることを誇りに思います。」
ISL Networks CEO 井上 拓也氏
「Cumucoreの柔軟で高性能な5Gコア技術と、ISL Networksの現場知見を組み合わせることで、日本の製造業におけるワイヤレス時刻同期制御の実現を加速します。両社の協業が、ローカル5G市場の本格的普及と次世代産業ネットワークの新たな基盤となると確信しています。」
会社概要
Cumucore Oy
本社所在地:Otakaari 7b 4th floor, 02150 Espoo, Finland
代表者:José Costa-Requena(CEO)
事業内容:3GPP準拠5Gコアネットワーク、TSN・スライシング技術開発
URL:https://cumucore.com
株式会社ISL Networks
本社所在地:東京都港区赤坂4-8-19 赤坂フロントタウン3F
代表者:井上 拓也(代表取締役CEO)、久保田 啓一(代表取締役CTO)
事業内容:産業用5G/ローカル5Gネットワーク設計・構築、5G-TSN製品開発・導入支援
URL:https://islnetworks.jp
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