【9月9日 救急の日】年間3,000件超の重大事故が続く保育現場…保育士2倍配置の園が実践する救急・安全管理体制
手厚い人員配置で、日常の「予防」と緊急時の「対応」を両立
社会福祉法人風の森(東京都杉並区)が運営する認可保育園「Picoナーサリ」6園では、9月9日の「救急の日」にあわせ、独自に継続している【保育士2倍配置】を基盤に、【全園への看護師常時配置】などを組み合わせた安全管理の取り組みをご紹介します。


救急対応だけでは終わらない、保育現場の安全管理
全国の教育・保育施設等における重大事故件数は、2024年に過去最多の3,190件(9年連続増加)を記録。2025年には3130件と、高水準で推移しています。(こども家庭庁「教育・保育施設等における事故報告集計」)
乳幼児は体調の変化を十分に言葉で伝えることが難しく、保育士にはわずかな異変を察知し、迅速に対応することが求められます。
さらに保育園では、一人の子どもに救急対応を行いながら、同時にほかの子どもたちの安全も守らなければなりません。こども家庭庁の事故対応ガイドラインでも、応急処置や救急要請と並行して、他児の保育や関係者への連絡を行うことが示されています。
例えば国の配置基準では、1歳児は保育士1人につき子ども6人。緊急時には、救急対応、他児の見守り、救急要請など複数の役割が同時に発生します。

そのため、救命知識や設備だけでなく、有事にも子どもたち全員の安全を維持できる人員体制が重要です。
ひとりのけいれん発生時、4人の職員が対応した実際の現場

【保育園での0歳児けいれん発生事例】
❶ そばにいた保育士が迅速に気づき、周囲に知らせる。気道を確保し児を横にする。時間経過と様子を確認。
❷ 救急隊員、医師への伝達のため動画を撮影する。
❸ クラスの他児の安全を確保。
❹ 救急車要請、外で待機誘導。
4人の職員が対応
保育園の救急対応では、目の前の子どもへの処置と同時に、他児の安全確保や救急要請など複数の役割が発生します。実際のけいれん対応時にも、4つの対応を並行して行う必要がありました。
Picoナーサリが実践する3つの救急・安全管理
手厚い人員配置を土台に、救命・応急手当研修と緊急対応訓練を重ね、有事にも動ける体制を整えています。
1.人員体制
・国基準の2倍以上の保育士配置
・全園に看護師を常勤配置
・緊急対応中も他児の見守り維持
2.救命・応急手当研修
・全保育士が定期受講
・専属看護師が講師を担当
・AED・心肺蘇生、誤嚥、重度アレルギー等を実技で訓練
3.緊急対応訓練
・予告なしの「抜き打ち訓練」
・緊急時の役割分担の明確化
・園外活動時も想定して訓練
保育士2倍配置が支える『予防』と『対応』
風の森では、国の配置基準の2倍以上となる保育士配置を10年以上継続しています。
この体制は働きやすさの向上だけでなく、日常の小さな変化に気づく「予防」と、万が一に備える「対応」の両方を支えています。

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日常(予防) |
手厚い人員配置により、60分休憩や完全週休2日を確保。 保育士自身の心身に余裕が生まれることで、一人ひとりの体調変化や小さなサインにも気づきやすくなり、事故の未然防止につながる。 |
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緊急時(対応) |
1名が応急手当や救急要請に専念している間も、ほかの保育士が残る子どもたちの安全と落ち着きを守り、保育を継続することができる。 |
■実際に現場で働く保育士のコメント
初めての救急対応時、動揺はしたものの、ぱっと頭に浮かんだのは研修を受けたときのことでした。職員が自然と現場の状況を見て自分にできることを即座に判断し、落ち着いて行動できていたと思います。
それも日頃から職員全員が研修を受けさせていただけていること、
十分な保育士がしっかりと確保、配置されているからこそだと感じます。

子どもと保育士 両方を守る体制

風の森では、独自に【保育士2倍配置】を継続しています。
保育士を多く配置しているのは、保育士の働きやすさのためだけではありません。子どもの命を預かる仕事には、万が一のときにも確実に動ける体制が必要だと考えています。保育士が心身に余裕を持ち、子どもの小さな変化に気づける環境を整えることが、子どもの安全と豊かな体験の両方に繋がります。
Picoナーサリでは、抜き打ちの緊急時訓練を実施していますが、保育士が多くいても、不意打ちで訓練をすると、予測できなかった事態に慌てたり、“抜け”が見つかったりするものです。救急時、人員がいないと命にかかわるということを、救急の日に向けて全園で今一度確認しているところです。

社会福祉法人風の森
1950年から続く久我山幼稚園での幼児教育を母体に、東京都杉並区で認可保育園「Picoナーサリ」6園を運営する。
「健全な成長と限りない能力の開花」を理念に、子どもの主体性や人格を尊重し、一人ひとりの興味・関心・強みを引き出す保育を実践している。
全ての園において国の配置基準の2倍以上の保育士を配置。残業・持ち帰り仕事ゼロ、有給取得率95%など、保育の質と保育士の働きやすさを両立する園づくりを進めている。
こうした取り組みにより、人材不足が続く保育業界の中で、中途採用倍率18倍を実現。持続可能な園運営につなげている。
認可保育園の運営に加え、一時保育、病児保育、児童発達支援など、地域の子育て家庭を支える事業も展開している。
法人名:社会福祉法人風の森(かぜのもり)
所在地:東京都杉並区
事業内容:認可保育園、病児保育、一時保育、児童発達支援等
公式サイト:https://www.kazenomori.or.jp
採用サイト:https://kazenomori.info
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