日経クロストレンド「トレンドマップ 2020冬」を発表
MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)、D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)の将来性を高く評価
・技術、マーケティング、消費の3分野のトレンドを見極める分析を実施
・前回調査(2019年夏)から将来性スコアが最も伸びたのは、技術では「AR(拡張現実)/VR(仮想現実)/MR(複合現実)」、マーケティングでは「D2C」、消費では「MaaS」に
・前回調査(2019年夏)から将来性スコアが最も伸びたのは、技術では「AR(拡張現実)/VR(仮想現実)/MR(複合現実)」、マーケティングでは「D2C」、消費では「MaaS」に
株式会社 日経BP(本社:東京都港区、社長:吉田 直人)は2020年3月23日、マーケティング専門メディア「日経クロストレンド」(https://xtrend.nikkei.com/)が作成した「技術」「マーケティング」「消費」の潮流を見極める「トレンドマップ 2020冬」を発表しました。
本調査は18年夏、19年冬、19年夏に続く4回目となります。技術、マーケティング、消費の3分野は変化が激しく、様々なバズワードが飛び交います。この中から、中長期的に注目すべきトレンド(潮流)の見極めを目的とし、日経クロストレンドの活動に助言する外部アドバイザリーボード約50人と、編集部の記者など各分野の専門家にアンケートを実施し、その知見を集約しました。分析結果は、「現時点での経済インパクト」と「将来性」の2つのスコアでマッピングしています。
前回の19年夏調査と比較し、将来性スコアが最も伸びたのが、技術は「AR/VR/MR」、マーケティングは「D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」、消費は「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」です。また、経済インパクトでは、技術は「スマートフォン」、マーケティングは「DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)」、消費は「ジェンダーフリー」が、スコアを伸ばしました。
■各分野でスコアを伸ばしたキーワード(2019年夏調査との比較)
今回発表するトレンドマップ2020冬で、経済インパクト、将来性スコアの上位3位に入ったのは、以下の通りです。なお、最新トレンドマップの全キーワードは、3月23日に日経クロストレンドのWebサイト(https://xtrend.nikkei.com/)で公開しました。
◆技術分野は、新キーワード「都市OS」が急浮上
経済インパクトの1位は「スマートフォン」、スコアは5点満点中の4.75となりました。これは、18年夏、19年冬、19年夏の調査でも同じ結果です。一方、将来性の1位は「AI(人工知能)」で、スコアは4.64。引き続き重要キーワードとしての認識が強く、経済インパクトも3.86と高く評価されています。また、AIに続いたのが、「自動運転」で、将来性スコアは4.54。そして、モノのインターネット「IoT」(4.39)と、新たな通信規格「5G(第5世代移動通信システム)」(4.39)が、上位に挙がっています。
また、技術分野では、今回の調査から「都市OS」「遠隔医療」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」「バーチャル・ヒューマン・エージェント」という4つのキーワードを追加しました。このうち、将来性スコアで上位につけたのは、「都市OS」(4.29)、「遠隔医療」(4.29)、「DX」(4.19)の3つです。
都市OSとは、交通や医療、エネルギー、流通、観光など、様々なデータを分野横断的に収集・整理したデータ連携基盤のことで、デジタル化された都市、スマートシティを形づくる重要なベース技術となります。世界最大のデジタル技術見本市「CES 2020」で、トヨタ自動車が発表した未来都市構想「Woven City(ウーブン・シティ)」が象徴するように、未来のまちづくりに対する関心が高まっています。
■技術分野のトレンドマップ
◆マーケティング分野は「D2C」に注目
マーケティングの経済インパクト、将来性スコアの1位は、いずれも「EC(ネット通販)」となりました。一方、前回の19年夏調査から大きく将来性スコアを伸ばしたのが、「D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」(4.07)です。
D2Cとは、顧客に直接商品を販売するモデルのこと。従来のSPA(製造小売り)との違いは、多くのD2Cブランドがオンライン発である点です。米国ではユニコーン企業(評価額10億ドル以上の未上場企業)が相次いで生まれており、日本でも丸井グループがD2Cの支援に特化した子会社を設置し、D2Cを丸井が目指す次世代店舗の戦略の要に据えるなど、期待感が高まっています。
また、マーケティング分野では今回の調査から「SDGs(持続可能な開発目標)」「ファンベース」「アドベリフィケーション」「信用スコア」という4つのキーワードを追加しました。このうち、「SDGs」は将来性スコア4.17で2位につけており、関心の高さを物語っています。
◆消費分野は「キャッシュレス決済」と「MaaS」に注目
消費分野の経済インパクト1位は「コト(体験)消費」でスコアは3.71でした。2位の「キャッシュレス決済」(3.66)は、将来性スコアでも2位(4.40)につけました。「100億円キャンペーン」などで注目を集めたPayPayを筆頭に積極的なマーケティング投資が行われているうえ、19年10月の消費税率引き上げに伴う「キャッシュレス・消費者還元事業」を受けて利用者が急増していることが要因でしょう。
また、将来性スコアの1位は「MaaS」で4.53でした。MaaSとは、あらゆる交通サービスを統合し、1つのスマートフォンアプリを通じてルート検索、予約、決済機能にアクセスできるようにするサービスのこと。日本ではトヨタ自動車の「my route(マイルート)」や小田急電鉄の「EMot(エモット)」など、各地でサービス展開がスタートしています。
その中で生まれている新潮流が、MaaSと異業種の連携モデルです。MaaSアプリに飲食店のサブスクリプションサービスを取り入れたり、マンション住民向けにオンデマンドの乗り合いバスを提供したりと、他産業を巻き込んだ取り組みが進んでいます。人々の移動の先には「目的」があり、そこには消費を捉えるチャンスがあるため、消費キーワードとしてMaaSへの期待が高まっていると見られます。
■「トレンドマップ2020冬」の分析手法
調査は2020年2月に実施。編集部が選定した技術24キーワード、マーケティング25キーワード、消費25キーワードそれぞれを認知する人に、そのキーワードの現時点での「経済インパクト」と「将来性」を5段階で尋ねてスコアリングしました。質問の選択肢は下記の通りです。
[経済インパクト]
1.どの企業も収益を得られていない/2.一握りの企業(1~2割程度)の収益に影響している/3.一部の企業(3~5割程度)の収益に影響している/4.大半の企業(6~8割程度)の収益に影響している/5.社会全体になくてはならない存在
[将来性(=企業の収益貢献や社会変革へのインパクト)]
1.将来性は低い/2.将来性はやや低い/3.どちらとも言えない/4.将来性はやや高い/5.将来性は高い]
【日経クロストレンドについて】
「日経クロストレンド」(https://xtrend.nikkei.com/)は、マーケティング戦略や商品開発、新事業創造などの情報を提供するデジタルメディアです。デジタル・テクノロジーの進化などで様変わりする企業の新商品開発、マーケティング戦略、事業戦略の最前線をデータと実例を基に詳報。「売れる商品」「サービス開発」の勘所を解き明かします。対象は企業の経営企画、新事業開発、商品企画・開発、システム、マーケティング、営業、顧客窓口など幅広いビジネスパーソンで、Webサイト・スマホサイトを中心にお届けしています。
本調査は18年夏、19年冬、19年夏に続く4回目となります。技術、マーケティング、消費の3分野は変化が激しく、様々なバズワードが飛び交います。この中から、中長期的に注目すべきトレンド(潮流)の見極めを目的とし、日経クロストレンドの活動に助言する外部アドバイザリーボード約50人と、編集部の記者など各分野の専門家にアンケートを実施し、その知見を集約しました。分析結果は、「現時点での経済インパクト」と「将来性」の2つのスコアでマッピングしています。
前回の19年夏調査と比較し、将来性スコアが最も伸びたのが、技術は「AR/VR/MR」、マーケティングは「D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」、消費は「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」です。また、経済インパクトでは、技術は「スマートフォン」、マーケティングは「DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)」、消費は「ジェンダーフリー」が、スコアを伸ばしました。
■各分野でスコアを伸ばしたキーワード(2019年夏調査との比較)
今回発表するトレンドマップ2020冬で、経済インパクト、将来性スコアの上位3位に入ったのは、以下の通りです。なお、最新トレンドマップの全キーワードは、3月23日に日経クロストレンドのWebサイト(https://xtrend.nikkei.com/)で公開しました。
◆技術分野は、新キーワード「都市OS」が急浮上
経済インパクトの1位は「スマートフォン」、スコアは5点満点中の4.75となりました。これは、18年夏、19年冬、19年夏の調査でも同じ結果です。一方、将来性の1位は「AI(人工知能)」で、スコアは4.64。引き続き重要キーワードとしての認識が強く、経済インパクトも3.86と高く評価されています。また、AIに続いたのが、「自動運転」で、将来性スコアは4.54。そして、モノのインターネット「IoT」(4.39)と、新たな通信規格「5G(第5世代移動通信システム)」(4.39)が、上位に挙がっています。
また、技術分野では、今回の調査から「都市OS」「遠隔医療」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」「バーチャル・ヒューマン・エージェント」という4つのキーワードを追加しました。このうち、将来性スコアで上位につけたのは、「都市OS」(4.29)、「遠隔医療」(4.29)、「DX」(4.19)の3つです。
都市OSとは、交通や医療、エネルギー、流通、観光など、様々なデータを分野横断的に収集・整理したデータ連携基盤のことで、デジタル化された都市、スマートシティを形づくる重要なベース技術となります。世界最大のデジタル技術見本市「CES 2020」で、トヨタ自動車が発表した未来都市構想「Woven City(ウーブン・シティ)」が象徴するように、未来のまちづくりに対する関心が高まっています。
■技術分野のトレンドマップ
◆マーケティング分野は「D2C」に注目
マーケティングの経済インパクト、将来性スコアの1位は、いずれも「EC(ネット通販)」となりました。一方、前回の19年夏調査から大きく将来性スコアを伸ばしたのが、「D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」(4.07)です。
D2Cとは、顧客に直接商品を販売するモデルのこと。従来のSPA(製造小売り)との違いは、多くのD2Cブランドがオンライン発である点です。米国ではユニコーン企業(評価額10億ドル以上の未上場企業)が相次いで生まれており、日本でも丸井グループがD2Cの支援に特化した子会社を設置し、D2Cを丸井が目指す次世代店舗の戦略の要に据えるなど、期待感が高まっています。
また、マーケティング分野では今回の調査から「SDGs(持続可能な開発目標)」「ファンベース」「アドベリフィケーション」「信用スコア」という4つのキーワードを追加しました。このうち、「SDGs」は将来性スコア4.17で2位につけており、関心の高さを物語っています。
◆消費分野は「キャッシュレス決済」と「MaaS」に注目
消費分野の経済インパクト1位は「コト(体験)消費」でスコアは3.71でした。2位の「キャッシュレス決済」(3.66)は、将来性スコアでも2位(4.40)につけました。「100億円キャンペーン」などで注目を集めたPayPayを筆頭に積極的なマーケティング投資が行われているうえ、19年10月の消費税率引き上げに伴う「キャッシュレス・消費者還元事業」を受けて利用者が急増していることが要因でしょう。
また、将来性スコアの1位は「MaaS」で4.53でした。MaaSとは、あらゆる交通サービスを統合し、1つのスマートフォンアプリを通じてルート検索、予約、決済機能にアクセスできるようにするサービスのこと。日本ではトヨタ自動車の「my route(マイルート)」や小田急電鉄の「EMot(エモット)」など、各地でサービス展開がスタートしています。
その中で生まれている新潮流が、MaaSと異業種の連携モデルです。MaaSアプリに飲食店のサブスクリプションサービスを取り入れたり、マンション住民向けにオンデマンドの乗り合いバスを提供したりと、他産業を巻き込んだ取り組みが進んでいます。人々の移動の先には「目的」があり、そこには消費を捉えるチャンスがあるため、消費キーワードとしてMaaSへの期待が高まっていると見られます。
■「トレンドマップ2020冬」の分析手法
調査は2020年2月に実施。編集部が選定した技術24キーワード、マーケティング25キーワード、消費25キーワードそれぞれを認知する人に、そのキーワードの現時点での「経済インパクト」と「将来性」を5段階で尋ねてスコアリングしました。質問の選択肢は下記の通りです。
[経済インパクト]
1.どの企業も収益を得られていない/2.一握りの企業(1~2割程度)の収益に影響している/3.一部の企業(3~5割程度)の収益に影響している/4.大半の企業(6~8割程度)の収益に影響している/5.社会全体になくてはならない存在
[将来性(=企業の収益貢献や社会変革へのインパクト)]
1.将来性は低い/2.将来性はやや低い/3.どちらとも言えない/4.将来性はやや高い/5.将来性は高い]
【日経クロストレンドについて】
「日経クロストレンド」(https://xtrend.nikkei.com/)は、マーケティング戦略や商品開発、新事業創造などの情報を提供するデジタルメディアです。デジタル・テクノロジーの進化などで様変わりする企業の新商品開発、マーケティング戦略、事業戦略の最前線をデータと実例を基に詳報。「売れる商品」「サービス開発」の勘所を解き明かします。対象は企業の経営企画、新事業開発、商品企画・開発、システム、マーケティング、営業、顧客窓口など幅広いビジネスパーソンで、Webサイト・スマホサイトを中心にお届けしています。
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