クライオ電顕構造解析の株式会社キュライオ、2.6億円の資金調達を実施。シリーズA累計調達額は5.7億円に
株式会社キュライオ(東京都新宿区、以下、キュライオ)は、シリーズA資金調達ラウンドにおいて、Beyond Next Ventures2号投資事業有限責任組合、T&Dイノベーション投資事業有限責任組合、旭化成ファーマ株式会社、スリーエスキャピタル株式会社、UT創業者の会投資事業有限責任組合、株式会社IKERUNippon Capital Partners、株式会社DOJIN CAPITAL、Ono Venture Investment, Inc.、濡木理、エンジェル投資家1名(氏名非開示)を引受先とする総額約2.6億円の第三者割当増資を追加で実施し、シリーズAラウンドで総額5.7億円の資金を調達したことを発表いたします。(投資家名は順不同、以下同様)
クライオ電顕による構造解析から創薬開発まで一貫して行えるチーム体制を強みに、自社研究開発パイプライン及びパートナー企業とより良い医薬品の創製に努めて参ります。
クライオ電顕による構造解析から創薬開発まで一貫して行えるチーム体制を強みに、自社研究開発パイプライン及びパートナー企業とより良い医薬品の創製に努めて参ります。
左から T&D Innovation Fund 鎌田氏、同 植木氏、株式会社キュライオ執行役員 松原、同CEO 中井、Beyond Next Ventures株式会社 矢藤氏、同 澤邉氏
資金調達の目的
キュライオはクライオ電子顕微鏡を用いたStructure-Based Drug Discovery(SBDD)による自社創薬事業並びに創薬支援事業を進めており、その独自の方法論や基盤技術は新たな創薬研究の道を開くとの大きな期待を集めています。
クライオ電子顕微鏡を用いた構造解析技術は、これまでのX線結晶解析を凌駕する技術として注目され、2017年にはノーベル化学賞を受賞しました。
ライフサイエンス分野、とりわけ創薬研究においてはその技術の期待度は非常に高く、創薬標的となる蛋白質の完全長タンパク質を用いた構造解析、更にはそれらを標的とする薬のシーズとなるリガンドとの複合体の構造解析やその構造変化などの分子レベルでの動きの解析もできるところが特徴で、これはX線結晶解析との大きな差異化となります。
また、クライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析は測定のために試料の結晶化が必要なく、試料水溶液を凍結させての測定を行います。このことは測定対象となるタンパク質やそのリガンドとの複合体の生体内の条件を反映した構造解析を可能にし、創薬研究のために精度の高い、活きた情報を提供します。
キュライオは、クライオ電子顕微鏡測定のためにタンパク質発現をはじめとする試料調製やグリッド作成、3次元構造解析について多様な経験と実績を有しており、さらには単粒子解析における従来からの課題解決に積極的に取り組んでおります。これらの経験や取り組みを今後も創薬研究の対象となる、更には将来それになりうるタンパク質やタンパク質超分子複合体の構造解析へと繋げ、他社に類を見ない、「構造解析による標的をしっかりと可視化した創薬」、「創薬研究開発効率の大幅な向上」の実現を加速していきます。
調達した資金の使途
今回の資金調達によって、自社創薬事業内の主力パイプラインの加速及び拡大、クライオ電子顕微鏡構造解析技術のさらなる創薬への有効活用のための基盤技術の開発を目的として、それらに向けた研究開発費、設備投資や体制強化などを行います。
引受先
Beyond Next Ventures2号投資事業有限責任組合、T&Dイノベーション投資事業有限責任組合、旭化成ファーマ株式会社、スリーエスキャピタル株式会社、UT創業者の会投資事業有限責任組合、株式会社IKERUNippon Capital Partners、株式会社DOJIN CAPITAL、Ono VentureInvestment, Inc.、濡木理、エンジェル投資家(氏名非開示)
キュライオ 代表取締役CEO 中井 基樹のコメント
「シリーズAラウンドにて約2.6億円の追加資金調達を実施いたしました。現在進行している複数の自社創薬のプロジェクトを中心に、素晴らしい実験結果が出てきております。今回出資していただいた投資家の皆様にはその点をしっかりと評価していただき、次のフェーズへ進めるための大きな後押しを得たと思っております。株主の皆様や社会の期待に応えるべく、全力で創薬への挑戦を推し進めて参る所存です。」
引受先のコメント
Beyond Next Ventures株式会社
執行役員・パートナー 橋爪 克弥
投資担当 矢藤 慶悟
「この度、クライオ電顕を基盤技術としたSBDD創薬を行うキュライオ社に追加出資をいたしました。高い構造解析技術と迅速な創薬研究によってSBDD創薬の概念実証を進め、前回ラウンドから創薬パイプラインが順調に進捗しています。人々のアンメットニーズを満たす新薬の創出に向けて、共にチャレンジしていきます。」
T&D Innovation Fund
パートナー 鎌田 和博
「構造解析ベース創薬におけるプラットフォーム技術のクライオ電顕に対する深い知見を有し、構造生物・創薬化学・薬理と三位一体の強固なチームから成るキュライオは、今後世界をリードする創薬企業になると確信し、出資させて頂きました。革新的な医薬品を開発し、人々の健康に一日でも早く寄与できることを期待しています。」
旭化成ファーマ株式会社
取締役兼専務執行役員 医薬研究開発担当 松崎 修
「弊社では画期的技術を有する創薬ベンチャーに積極的に投資を行っております。キュライオはクライオ電子顕微鏡を活用した世界最先端のSBDDの技術と経験を有しており、同社の将来のポテンシャルを高く評価し、今回も継続して出資させていただきました。今後、日本を代表する創薬ベンチャーに成長するとともに、画期的医薬品を創出することを期待しております。」
スリーエスキャピタル株式会社
代表取締役 高山 駿
「キュライオは、クライオ電子顕微鏡による世界最高水準の構造解析技術を有しており、同社の創薬プラットフォームは今後の業界を牽引するものであると確信しております。弊社は『より安心で健康な人生の実現』を目指す理念に沿い、新たな価値の創造および提供を全力で支援してまいります。」
株式会社DOJIN CAPITAL(同仁グループ・企業ベンチャーキャピタル)
代表取締役 上野 景真
「構造解析技術に基づく創薬は、今後の日本の製薬産業を発展させるために必要不可欠な取り組みです。世界で構造解析をリードする濡木教授の研究に裏打ちされたキュライオの取り組みに期待するとともに、一緒にチャレンジしていきたいと考えております。」
株式会社IKERUNippon Capital Partners
代表取締役 濡木 理
「構造生物学、インシリコスクリーニング、化学合成、薬理の全分野で、優秀な人材を揃えたキュライオ が、革新的な薬剤を創出することを期待しています。」
株式会社キュライオについて
当社は、クライオ電子顕微鏡による構造解析技術に特化した企業として2019年8月に設立されました。独自の解析ノウハウを用いた世界最高水準の構造解析精度が強みで、現在は構造解析ベースにした自社創薬事業と創薬支援事業を展開しています。
「より安心で健康な人生の実現へ」の会社理念の下、人々に画期的新薬を提供する事を使命とし、製薬会社や大学研究室との共同研究にも積極的に取り組んでおります。
代表者 :代表取締役CEO 中井 基樹
オフィス所在地:東京都文京区本郷7-3-1東京大学南研究棟357号室
設立日 :2019年8月
URL :https://curreio.com/
事業内容 :クライオ電子顕微鏡による構造解析技術を活用した構造解析ベース創薬事業の展開
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