近畿圏不動産流通市場の動向について(2023年10~12月期)
2023年10~12月期の中古住宅市場は堅調、金融政策の修正観測あるも影響は軽微
中古マンションの成約価格は、3,004万円(前年同期比プラス9.1%)と14期連続で上昇し、売り出し(新規登録)価格は2,801万円(前年同期比プラス0.7%)となりました。成約価格は12地域中10地域が前年比で上昇し、最も価格水準が高い大阪市は15年10~12月期から32期連続で前年同期を上回り、依然として上昇が続いています。
中古戸建住宅の成約件数は、2,781件(前年同期比プラス6.0%)と4期連続で増加し、売り出し(新規登録)件数は11,182件(前年同期比プラス26.8%)となりました。成約件数は12地域中8地域が増加し、大阪府南部や京都市、滋賀県などは2ケタ増となりました。中古マンションに比べて増加するエリアが多く、堅調な取引が続いています。
中古戸建住宅の成約価格は2,434万円(前年同期比プラス8.0%)と13期連続で上昇し、売り出し(新規登録)価格は2,839万円(前年同期比プラス4.5%)となりました。成約価格は12地域中7地域が前年比で上昇し、大阪市は5期連続、京都市は4期連続で上昇するなど、取引が堅調な中で価格が上昇するエリアも広がりました。
中古マンション・戸建住宅ともに件数は増加、価格は上昇し、市場は拡大局面にあります。双方とも売り出し件数の増加により売り圧力は高い状態が続いていますが、取引は堅調で価格も上昇しており、需要は底堅い状況にあります。マイナス金利解除など日銀による金融政策の修正観測が高まっていますが、基本的な緩和姿勢は維持されるとの見方が多く、住宅ローン金利への影響は軽微とみられます。当面は、中古住宅市場を下支えする環境は大きく変化しないものと予想されます。
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