Datachain、日立と共同開発。Hyperledger Fabric/Besu間の相互接続によるNFT決済サンプルコードをHyperledger Foundationに寄贈へ
株式会社Datachain(本社:東京都港区、代表取締役:久田 哲史、以下、Datachain)は、株式会社日立製作所(以下、日立)と、Hyperledger Fabric上のERC-20トークンとHyperledger Besu上のERC-721トークンの同時移転の実現のため、共同開発を実施します。
今回の取り組みでは、Hyperledgerでのトークン活用の知見を持つ日立のアドバイスを受けながらHyperledger Fabric上にERC-20トークンを発行した上で、Datachainが開発をリードするHyperledger Lab YUIとCross Frameworkを用いて、上述の2つのブロックチェーンの相互接続、および双方のブロックチェーン上の取引の同時実行を行います。
共同で開発を行ったNFT決済サンプルコードについては、Hyperledger Foundationに寄贈する予定です。今後、Datachainでは、日立と共に具体的なユースケースへの適用を検討してまいります。
今回の取り組みでは、Hyperledgerでのトークン活用の知見を持つ日立のアドバイスを受けながらHyperledger Fabric上にERC-20トークンを発行した上で、Datachainが開発をリードするHyperledger Lab YUIとCross Frameworkを用いて、上述の2つのブロックチェーンの相互接続、および双方のブロックチェーン上の取引の同時実行を行います。
共同で開発を行ったNFT決済サンプルコードについては、Hyperledger Foundationに寄贈する予定です。今後、Datachainでは、日立と共に具体的なユースケースへの適用を検討してまいります。
■日立と共同開発を実施
Datachainは、Hyperledger Fabric上のERC-20トークンの移転とHyperledger Besu上のERC-721トークンの移転を同時に行うアトミックスワップの実装を行うため、日立と共同開発を開始しました。
今回の取り組みでは、Fungible Tokenの標準規格であるERC-20に準拠したトークンと、Non Fungible Token(NFT)の標準規格であるERC-721に準拠したトークンの2種類のトークンを用いることで、トークン化されたアセットの権利移転と支払いという2つの取引を同時に実行することを目指します。
なお、Datachainが日立と共に開発を行ったサンプルコードは、Linux Foundationが運営する世界最大級のブロックチェーンOSSコミュニティであるHyperledger Foundationに寄贈する予定です。
■共同開発の実施方法
今回の共同開発では、エンタープライズ向けのブロックチェーンとして頻繁に用いられているHyperledger FabricとHyperledger Besuの2つのブロックチェーンを用意します。
その上で、Datachainが開発をリードするHyperledger Lab YUIの構成要素であるIBC Moduleを用いて、Hyperledger FabricとHyperledger Besuの双方のブロックチェーン上にお互いのトランザクションを検証するためのモジュールを配置します。
さらに、Hyperledger Fabric上にERC-20トークンを発行し、Hyperledger Besu上にはERC-721に準拠したNFTのトークンを発行します。
上記の環境において、DatachainがOSSとして提供するCross Frameworkを用いることで、各ブロックチェーン上のアセット移転の取引を同時に実行し、アトミックスワップを実現します。
今回の開発で用いるCross Frameworkは、複数のブロックチェーンにまたがる(クロスチェーンの)スマートコントラクトの実行を可能にするためのフレームワークです。Cross Frameworkの詳細については、以下をご覧ください。
- Medium:https://medium.com/@datachain_jp/cross-framework-introduction-88dc87f8fcb7
- GitHub:https://github.com/datachainlab/cross
また、これまでCross Frameworkを用いる際には各ブロックチェーン上でトークン残高の排他的ロックが必要となり取引が非効率な状況がありましたが、今回CDT(Conflict-free Data Type)を用いた機能拡張により、必ずしもトークン残高をロックせずに並行してブロックチェーンをまたいだ取引を行うことを可能にしました。
CDTとは、Datachainが開発した、分散トランザクションにおいて並行に読み書きできるデータ構造を提供するライブラリです。CDTの詳細については、こちらをご覧ください。
https://github.com/datachainlab/cross-cdt
なお、トランザクションの検証においては、新たなブロックチェーンネットワークが加わることも見据え、拡張性のあるアーキテクチャを採用します。
■今後について
今後、Datachainでは、今回の取り組みを通して得た知見を活かし、日立と共同で具体的なビジネスユースケースへの適用を検討してまいります。
また、今回の取り組みにおいて実施予定のHyperledger Foundationへの寄贈をはじめとして、ブロックチェーン技術の実用化を推進し、コミュニティ貢献にも引き続き力を入れてまいります。
【日立製作所 Software CoE Blockchain推進部 部長、 Hyperledger Foundation Governing Board 福田 圭様より】
日立はデジタル社会の発展に向けブロックチェーンを異業種連携に活用する取り組みを推進しています。
ブロックチェーンが社会基盤として広く活用され定着するためには、インターオペラビリティ技術の確立が必須であり、本分野において高い技術力と多くの経験をもつDatachain社と共同で、非中央集権型(リレー方式)での性能や拡張性を考慮した実用化に有効な共同実証ができることを嬉しく思います。
日立がHyperledger Foundationプレミアメンバーとしてブロックチェーン基盤技術の開発やオープンソース化への参画により培った技術を、プラットフォームのマネージドサービスであるHitachi Blockchain Service for Hyperledger Fabricとして実用化し各種ユースケースに適用してきた経験が、今回の実証に役立つと考えます。
日立は今後も、ブロックチェーン技術の発展に貢献するとともに、幅広い事業領域での知識を生かし、異なる業界
をつなぎ社会課題を解決するサービスの創出に取り組んでまいります。
日立製作所 Software CoE Blockchain推進部 部長
Hyperledger Foundation Governing Board
福田 圭
■Hyperledger Lab YUI
YUIは、様々なブロックチェーン基盤においてIBC(*1)によるインターオペラビリティを実現するためのプロジェクトです。Datachainが開発をリードしており、Hyperledger LabとしてOSSで提供しています。通信プロトコルにIBCを採用しているため、第三者の仲介者の信頼に依存することなく、異なるブロックチェーン同士をつなぐことができます。
YUIでは、Hyperledger Fabric、Hyperledger Besu、Cordaなどの主要なエンタープライズブロックチェーンをサポートしています。また、パブリックブロックチェーンのEthereum、カンボジアのCBDCなどのデジタル通貨プロジェクトで多く採用されているHyperledger Irohaへのサポートも現在進行しています。
Hyperledger Lab YUIの詳細については、以下のリンクをご覧ください。
https://github.com/hyperledger-labs/yui-docs
*1 IBC:Inter-blockchain communicationの略称。Interchain FoundationおよびCosmosプロジェクトによって策定が進んでいる、ブロックチェーン同士の相互運用性を担保するための仕様標準。
■ 株式会社Datachainについて
社名 :株式会社Datachain
事業概要:ブロックチェーン技術に関連する企画・開発
設立 :2018年3月
所在地 :東京都港区六本木四丁目1番4号
代表者 :代表取締役 久田 哲史
URL :https://ja.datachain.jp/
* 株式会社Datachainは、株式会社Speee(本社:東京都港区、代表取締役:大塚 英樹、東証JASDAQ:4499)の子会社です。
* 本資料に記載されている会社名、商品名、サービス名は、各社の商標又は登録商標です。
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