2021年1月欧州新車販売台数速報
SUVが過去最高のマーケットシェアを更新し、2021年の欧州新車市場は始まった
自動車産業の世界的な調査会社であるJATO Japan Limitedは、欧州の自動車市場についての最新レポートを公開した。
[本リリースは、2021年2月24日にJATO Dynamics Limitedが発表したプレスリリースを邦訳したものです]
● 2021年1月の販売台数は前年同月比26%減の839,600台
● 27カ国中24カ国で2桁の販売台数減少を記録した
● SUVが市場全体の44%を占め、欧州で過去最高記録を更新
2020年は欧州の自動車産業にとって試練の年であったが、2021年もこれまでのところ、それほど楽な年ではないようだ。欧州27カ国のデータによると、2021年1月の新車販売台数は839,525台で、2020年の同月と比較して26%減少しており、1月度としては1982年以降で最低の結果となっている。JATO DynamicsのグローバルアナリストであるFelipe Munozは「政府や自動車会社がピュアEV(BEV)の販売台数を増やす努力をしているにもかかわらず、世界的な感染拡大や地域のロックダウンの影響を相殺するには十分ではなかった」と述べている。
自動車ディーラーもまた、新型コロナウイルスの悪影響を感じ続けている。ドイツやスペインなどの主要国では、販売台数がそれぞれ32%と52%減少した。当月は、昨年末まで顧客が享受することのできた税制優遇措置が無くなったため、12月の成功には及ばなかった。Munozは「1月1日から税金が変更されることを知った消費者は、先駆けて12月に新車を購入した」と続けた。
全体的にマイナスの傾向にあるにもかかわらず、いくつか例外があった。スウェーデンでは、2020年1月と比較して台数が23%増加した。これは、2020年1月1日に導入した、スウェーデンのボーナス・マルス制度が変更されたためで、高排出ガス車に有利な課税を利用するために、2019年12月は販売台数が大きく増えていた。ノルウェーでは、消費者が再びショールームに足を運ぶことができるようになったことで販売台数が8%増加し、手厚い報奨金にも後押しされ電動車の需要増も続いた。
SUVは当月、新車販売全体の44%を占め、過去最高のマーケットシェアを記録して新しい年が始まった。Munozは「SUVの需要は停滞の兆しがなく、欧州でも米国や中国と同様の成長パターンを示している。SUVの高額な価格と排出ガス量を考えると、この結果は特に注目に値する」と述べた。SUVの総販売台数は368,100台で、2020年1月と比較してわずか18%の減少となった。
スモールSUVが18%の販売減となりながらも、SUV全体の36%を獲得している。コンパクトSUVが需要の大半を占める一方で、177,500台となり、こちらも18%減となった。SUVの販売台数の15%を占めたのはミッドサイズSUVとラージ/ラグジュアリーSUVで、20%減の56,800台であった。ブランド別では、フォルクスワーゲン、プジョー、BMWが上位を占めたが、4位のフォードが最もシェアを伸ばしている。
ボルボが、最もマーケットシェアを拡大
メーカー別では、SUVとミッドサイズセグメントの需要が増加したことを受けて、ボルボが最もシェアを伸ばした。ボルボ XC40は当月、欧州で最も売れたプレミアムカーとなり、販売台数は58%増の10,590台であった。反対にフォルクスワーゲングループは、2020年に欧州で最も売れたモデルであるゴルフが、ドイツ市場で販売が好調であったため、0.9%ポイントの下落で済んだ。
また、当月はモデルランキング全体で顕著な変動が見られた。ゴルフは順位を3つ下げ、トヨタ ヤリス、プジョー 208、ダチア サンデロ(Dacia Sandero)に次ぐ4位であった。プジョー 2008がSUVランキングの首位に立ち、競合車であるフォルクスワーゲン T-Rocとルノー キャプチャーがそれぞれ7%と2%販売を落としたのとは対照的に、87%の大幅な上昇を記録した。
その他、販売台数を大きく伸ばしたのは以下のモデルである:フォード プーマ(Puma)が72%増、フォード クーガ(Kuga)が258%増、BMW X3とキア ニロ(Kia Niro)がそれぞれ12%増、メルセデス GLAが18%増、スズキ イグニスが25%増、スマート フォーツーが208%増、ポルシェ マカンが23%増。
最近発売されたモデルで好調な結果を残したのは:メルセデス GLBが3,802台、フォルクスワーゲン ID.3が2,909台、クプラ フォーメンター(Cupra Formentor)が2,826台、シトロエン C4が2,491台、BMW 2シリーズ グランクーペが2,409台、ポールスター(Polestar) 2が1,290台、ポルシェ タイカンが1,017台、トヨタ プロエース シティ ヴァーソ(Proace City Verso)が915台、アウディ e-tronスポーツバックが908台、ランドローバー ディフェンダーが871台。
JATOについて
JATO Dynamicsは、1984年に設立され、現在世界51カ国以上で活動しています。30年以上に渡り、自動車の仕様、価格、販売登録台数に関する、世界で最もタイムリーで、正確な最新のデータを提供してきました。弊社は、単なるデータ以上のものを提供し、世界の変化と、それに伴う消費者の考え方の変化を見極め、業界が求める洞察をお伝えしています。短期的な市場の動きに対応し、長期的な成長へ向けた計画を行い、そして最終的にはお客様のニーズへもお応えすることが可能です。詳しくは弊社のウェブサイトをご覧ください。
■ダウンロードいただけるPDFもご用意しております
https://www.jato.com/japan/media-insight/
お問い合わせ先
JATO Japan Limited
113-0024 東京都文京区西片 2-22-21 本郷MKビル2F
Web: www.jato.com/japan/
Tel: 03-6801-9551
(9:00 ~ 12:00、 13:00 ~ 18:00、土日祝を除く)
Email: japan.marketing@jato.com
Twitter: https://twitter.com/JatoJapan
LinkedIn: https://linkedin.com/showcase/jato-dynamics-in-japan
● 2021年1月の販売台数は前年同月比26%減の839,600台
● 27カ国中24カ国で2桁の販売台数減少を記録した
● SUVが市場全体の44%を占め、欧州で過去最高記録を更新
2020年は欧州の自動車産業にとって試練の年であったが、2021年もこれまでのところ、それほど楽な年ではないようだ。欧州27カ国のデータによると、2021年1月の新車販売台数は839,525台で、2020年の同月と比較して26%減少しており、1月度としては1982年以降で最低の結果となっている。JATO DynamicsのグローバルアナリストであるFelipe Munozは「政府や自動車会社がピュアEV(BEV)の販売台数を増やす努力をしているにもかかわらず、世界的な感染拡大や地域のロックダウンの影響を相殺するには十分ではなかった」と述べている。
自動車ディーラーもまた、新型コロナウイルスの悪影響を感じ続けている。ドイツやスペインなどの主要国では、販売台数がそれぞれ32%と52%減少した。当月は、昨年末まで顧客が享受することのできた税制優遇措置が無くなったため、12月の成功には及ばなかった。Munozは「1月1日から税金が変更されることを知った消費者は、先駆けて12月に新車を購入した」と続けた。
全体的にマイナスの傾向にあるにもかかわらず、いくつか例外があった。スウェーデンでは、2020年1月と比較して台数が23%増加した。これは、2020年1月1日に導入した、スウェーデンのボーナス・マルス制度が変更されたためで、高排出ガス車に有利な課税を利用するために、2019年12月は販売台数が大きく増えていた。ノルウェーでは、消費者が再びショールームに足を運ぶことができるようになったことで販売台数が8%増加し、手厚い報奨金にも後押しされ電動車の需要増も続いた。
SUVの成功
SUVは当月、新車販売全体の44%を占め、過去最高のマーケットシェアを記録して新しい年が始まった。Munozは「SUVの需要は停滞の兆しがなく、欧州でも米国や中国と同様の成長パターンを示している。SUVの高額な価格と排出ガス量を考えると、この結果は特に注目に値する」と述べた。SUVの総販売台数は368,100台で、2020年1月と比較してわずか18%の減少となった。
スモールSUVが18%の販売減となりながらも、SUV全体の36%を獲得している。コンパクトSUVが需要の大半を占める一方で、177,500台となり、こちらも18%減となった。SUVの販売台数の15%を占めたのはミッドサイズSUVとラージ/ラグジュアリーSUVで、20%減の56,800台であった。ブランド別では、フォルクスワーゲン、プジョー、BMWが上位を占めたが、4位のフォードが最もシェアを伸ばしている。
ボルボが、最もマーケットシェアを拡大
メーカー別では、SUVとミッドサイズセグメントの需要が増加したことを受けて、ボルボが最もシェアを伸ばした。ボルボ XC40は当月、欧州で最も売れたプレミアムカーとなり、販売台数は58%増の10,590台であった。反対にフォルクスワーゲングループは、2020年に欧州で最も売れたモデルであるゴルフが、ドイツ市場で販売が好調であったため、0.9%ポイントの下落で済んだ。
また、当月はモデルランキング全体で顕著な変動が見られた。ゴルフは順位を3つ下げ、トヨタ ヤリス、プジョー 208、ダチア サンデロ(Dacia Sandero)に次ぐ4位であった。プジョー 2008がSUVランキングの首位に立ち、競合車であるフォルクスワーゲン T-Rocとルノー キャプチャーがそれぞれ7%と2%販売を落としたのとは対照的に、87%の大幅な上昇を記録した。
その他、販売台数を大きく伸ばしたのは以下のモデルである:フォード プーマ(Puma)が72%増、フォード クーガ(Kuga)が258%増、BMW X3とキア ニロ(Kia Niro)がそれぞれ12%増、メルセデス GLAが18%増、スズキ イグニスが25%増、スマート フォーツーが208%増、ポルシェ マカンが23%増。
最近発売されたモデルで好調な結果を残したのは:メルセデス GLBが3,802台、フォルクスワーゲン ID.3が2,909台、クプラ フォーメンター(Cupra Formentor)が2,826台、シトロエン C4が2,491台、BMW 2シリーズ グランクーペが2,409台、ポールスター(Polestar) 2が1,290台、ポルシェ タイカンが1,017台、トヨタ プロエース シティ ヴァーソ(Proace City Verso)が915台、アウディ e-tronスポーツバックが908台、ランドローバー ディフェンダーが871台。
JATOについて
JATO Dynamicsは、1984年に設立され、現在世界51カ国以上で活動しています。30年以上に渡り、自動車の仕様、価格、販売登録台数に関する、世界で最もタイムリーで、正確な最新のデータを提供してきました。弊社は、単なるデータ以上のものを提供し、世界の変化と、それに伴う消費者の考え方の変化を見極め、業界が求める洞察をお伝えしています。短期的な市場の動きに対応し、長期的な成長へ向けた計画を行い、そして最終的にはお客様のニーズへもお応えすることが可能です。詳しくは弊社のウェブサイトをご覧ください。
■ダウンロードいただけるPDFもご用意しております
https://www.jato.com/japan/media-insight/
お問い合わせ先
JATO Japan Limited
113-0024 東京都文京区西片 2-22-21 本郷MKビル2F
Web: www.jato.com/japan/
Tel: 03-6801-9551
(9:00 ~ 12:00、 13:00 ~ 18:00、土日祝を除く)
Email: japan.marketing@jato.com
Twitter: https://twitter.com/JatoJapan
LinkedIn: https://linkedin.com/showcase/jato-dynamics-in-japan
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