足白癬・爪白癬の実態と潜在罹患率の大規模疫学調査(Foot Check 2023)の結果公表
-日本人の7人に1人が足白癬、13人に1人が爪白癬-
また、この調査結果は、第40回日本臨床皮膚科医会総会・臨床学術大会(2024年4月20日・21日開催)にて発表される予定です。
1.調査対象:
全国の日本臨床皮膚科医会の会員(4,450名)の所属施設のうち、調査協力の許諾が得られた211施設の皮膚科外来に2023年4月~2023年5月の間に受診した患者(初診・再診、受診理由、疾病は問わない)
2.調査方法:
アンケート調査票の記入を依頼し、年齢、性別、受診の目的、足の健康調査への参加の可否について回答を得ました。参加同意が得られた患者について、担当医師による足の健康調査を実施し、足および爪の疾患・症状の有無、足白癬・爪白癬が疑われた場合の確定診断・治療の希望の有無を確認しました。希望があった場合は通常の診療として確定診断および治療を行い、診断方法、診断結果、治療内容を調査票に記録しました。
3.調査結果
回答が得られた患者23,087例のうち、対象に「足・爪の水虫の診察」で受診した患者2,116 例を除外し、参加同意が得られた患者14,588例について、解析を行いました。
その結果、本邦における真の潜在罹患率は足白癬13.7%、爪白癬7.9%、足白癬ないし爪白癬16.6%であり、7人に1人が足白癬、13人に1人が爪白癬、6人に1人が足に何らかの白癬を有していることが明らかとなりました。
<医師コメント>
日本臨床皮膚科医会 会長、あたご皮フ科 副院長 江藤 隆史 先生
日本臨床皮膚科医会は、皮膚科を専門とする臨床医の集まりとして1984年に設立された全国に約4,500名の会員を擁する組織です。今回、科研製薬からの資金提供により16年ぶりに大規模疫学調査を実施できたことで、本医会が精度の高い疫学調査を実施できること、その結果を礎に社会に貢献できることをあらためて示すことができました。私たち日本臨床皮膚科医会会員は、皮膚疾患に悩む方々が最善・最適な医療を受けられるよう、今後も努めてまいります。
日本臨床皮膚科医会 常任理事、神奈川はた皮膚科クリニック 院長 畑 康樹 先生
日本臨床皮膚科医会が2007年に実施した「足白癬・爪白癬の実態と潜在罹患率に関する大規模疫学調査(Foot Check 2007)」から16年が経過し、その間に新たな爪白癬治療外用薬や経口抗真菌薬が承認され、足白癬・爪白癬に関する啓発活動も行われてきました。しかしながら、同様の大規模疫学調査は2007年以降実施されておらず、疾患の認知率、顕在および潜在的な罹患状況や受療行動に関する実態を十分に把握できていませんでした。本調査によって、本邦における最新の足白癬・爪白癬の潜在罹患率を明らかにすることができました。皮膚科医の役割として、足白癬・爪白癬に対する積極的な治療介入および潜在患者に対する予防を含めた啓発活動の取り組みが引き続き重要であると考えられます。
科研製薬は、疾患啓発の一環として、爪白癬(爪水虫)治療のための情報サイト「つめ水虫.jp」を開設しています。爪水虫の症状や診断、治療方法に加え、爪水虫のセルフチェックリストなどを公開し、気になる症状のある方が早期に医療機関を受診し、適切な治療を受けられる環境づくりに取り組んでいます。
■つめ水虫.jp
URL:https://www.tumemizumushi.jp/
今後も爪白癬(爪水虫)に関する情報を提供することで、より多くの患者さんのQOLの向上に貢献してまいります。
※1 畑康樹ほか:足白癬・爪白癬の実態と潜在罹患率の大規模疫学調査(Foot Check 2023)第1報. 日臨皮会誌 2024:41(1), 66-76.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jocd/41/1/41_66/_article/-char/ja
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