戦後80年 講談社絵本賞・小学館児童出版文化賞受賞作家 堀川理万子が描く、“戦争を伝える絵本”『いま、日本は戦争をしている-太平洋戦争のときの子どもたち-』7月9日発売
いま、聞いておかなくてはー生きた声を伝える65篇のエピソード
『ひろしまのピカ』など戦争に題材をとった本を数多く出版してきた株式会社小峰書店(所在地:東京都新宿区、代表:小峰広一郎)は、堀川理万子さんが描く“戦争を伝える絵本“『いま、日本は戦争をしている─太平洋戦争のときの子どもたち─』を、終戦から80年の2025年のこの夏7月9日(水)に全国の書店およびネット書店で発売します。
子どもの頃、空襲、原爆、地上戦、引き揚げ、疎開などを経験した方を取材。子どもたちの語りを通して、戦争の理不尽とリアルを伝える絵本です。

10歳のおれ、12歳のわたし、7歳のぼく……17人の子どもが見た戦争
太平洋戦争中、子どもたちは、日々、何を感じ、どのように暮らしていたのか……。子どもの頃、沖縄、広島、長崎、満州、樺太、北海道、東京、岩手、静岡、三重、長野、茨城、山梨の各地で、空襲、原爆、地上戦、引き揚げ、疎開を経験した方々、中国残留邦人の方、総勢17名にインタビューを実施。子どもだった当時の口調と言葉そのままに、読者へ戦争を伝えます。1エピソードを1見開きとして、大きな絵と文章で紹介。どのページからでも、興味を持ったエピソードから読むことができます。幅広い年齢の方に読んでいただくため、全ページ総ルビ対応。わかりにくい用語などの注釈は、同一ページに記載しました。


プロフィール&メッセージ
堀川理万子(ほりかわりまこ)
1965年、東京生まれ。東京藝術大学美術学部デザイン科卒業、同大学院美術研究科修了。絵画作品による個展、グループ展、出版などで作品を発表。Bunkamuraドゥマゴ文学賞、講談社絵本賞、小学館児童出版文化賞を受賞した絵本『海のアトリエ』(偕成社)、『おひなさまの平安生活えほん』(あすなろ書房)、読み物に『アンニンちゃんとパオズ』(ポプラ社)、坪田譲治文学賞を受賞した『ひみつだけど、話します』(あかね書房)など多数。
「17人の子ども(だった方々)が見た光景や経験をかきました。その困難な時代を生き抜いた彼らは、生きるパワーに満ちていて、勇気を与えてくれます。でも、戦争が「現在」の問題でもあるいま、私たちはどう考え、どう行動したらいいのか、この本とともにいっしょに考えてくれませんか?」
堀川理万子さん絵画展・原画展
戦後80年の夏、東京と愛知の4会場で、堀川理万子さんの絵画展と原画展が開催されます。展示される絵本の原画は、『いま、日本は戦争をしている−太平洋戦争のときの子どもたち−』の原画です。
「堀川理万子 終戦から80年 〜見て、聞いて、惟(おも)って〜」
〈絵本の原画と新作タブロー展〉
・2025年7月9日(水)〜15日(火) 松坂屋上野店7階 美術画廊(東京都台東区)
*トークショー 12日(土)14時〜
・2025年7月23日(水)〜29日(火) 松坂屋名古屋店本館8階 第一画廊(愛知県名古屋市)
*トークショー 26日(土)14時〜
『いま日本は戦争をしているー太平洋戦争のときの子どもたちー』原画展
〈絵本の原画を展示〉
・2025年7月25日(金)〜8月31日(日) 銀座 教文館ナルニア国(東京都中央区)
・2025年8月2日(土)〜22日(金) 丸善・丸の内本店 児童書壁面ギャラリー(東京都中央区)
小峰書店と戦争の本

弊社は戦後間もない1946年6月、未見社という名前で創立されました。紙が不足し、出版にはGHQによる検閲が行われる困難な状況の中、1947年6月には社名を小峰書店に改め、”子どもたちが自ら選んでものごとを考えだそうとする強い芽ばえを育てたい”と、児童雑誌「子供の青空」の刊行を開始します。「子供の青空」は、子どもたちが書いた作品を数多く掲載し、子どもの生活に役立つ工作や知識を紹介するなど、常に子どもの目線にたって編集されており、時には戦災孤児たちの座談会を掲載するなど、戦争で傷ついた子どもたちへ目を向けることも忘れませんでした。

1978年には、当時の子どもの視点から、戦争で亡くなった祖父に想いを馳せる物語『砂の音はとうさんの声』(赤座憲久/作、鈴木義治/絵)を刊行します。骨も見つからず、南の島の砂となって小さな箱につめられた祖父。幼いときの母が書いた「箱をふるときこえる砂の音がとうさんの声」という文章が心に残るストーリーは、図書館関係者にも高く評価され、その年の青少年読書感想文全国コンクールの課題図書に選ばれました。

1980年には、夫の丸木位里さんと「原爆の図」を制作した丸木俊さんが、大勢の方から聞いた原爆体験を織り合わせて作り上げた絵本『ひろしまのピカ』を刊行します。日本で初めて全米図書館協会ミルドレッド・L・バッチェルダー賞を受賞したほか、第3回絵本にっぽん大賞、ミルドレッド・バチェルダー賞、第15回造本装幀コンクール日本書籍出版協会理事長賞の各賞を受賞。中国、フランス、オランダ、スウェーデン、アメリカ、イギリス、オーストリア、ノルウェー、ロシア、イタリア、トルコ、スペイン、インド、デンマーク、ギリシャ、ウェールズの15か国と1地域でそれぞれ翻訳出版されるなど、弊社を代表する1冊となりました。
その後も、胸をえぐるような沖縄戦の惨劇を伝える絵本『おきなわ 島のこえ』(丸木俊、丸木位里/文・絵、1984年、第16回講談社絵本賞・第19回造本装幀コンクール全日本光沢化工紙協同組合連合会会長賞)、”原爆の子の像”のモデルになった佐々木禎子さんの願いを描いた絵本『海をわたった折り鶴』(石倉欣二/作、2010年)、真珠湾攻撃を日系二世の少年マレスケの視点から描いた物語『マレスケの虹』(森川成美/作、2018年、第43回日本児童文芸家協会賞)、敗戦後の混乱期にラジオドラマに出演することになった子供たちの戸惑いと奮闘を描く物語『鐘を鳴らす子どもたち』(古内一絵/作、2020年)、96才のかずさんがひ孫に伝える長崎に原爆がおとされた日のお話『かずさんの手』(佐和みずえ/作、かわいちひろ/絵、2021年)、人間の言葉が話せる不思議な亀が小学2年生の女の子に1945年8月の広島で何が起こったのかを伝える物語『ひろしまの満月』(中澤晶子/作、ささめやゆき/絵、2022年、第70回産経児童出版文化賞産経新聞社賞)と、戦争に題材をとった本の出版を重ねてきました。

『おきなわ 島のこえ』

『海をわたった折り鶴』

『マレスケの虹』

『鐘を鳴らす子どもたち』

『かずさんの手』

『ひろしまの満月』
絵本と物語の他にも、丸木位里・俊夫妻が第二次世界大戦後の半生をかけて取りくんだ屏風連作「原爆の図」全15部を収録した画集『増補保存版 原爆の図』(2000年)や、図書館向けに、池上彰さんが監修を手がけた「教えて! 池上彰さん どうして戦争はなくならないの? 地政学で見る世界」(池上彰/監修、2023年)、「教えて! 池上彰さん 沖縄から考える戦争と平和」(池上彰/監修、2024年)の2シリーズを刊行するなど、その出版活動は多岐にわたります。

『増補保存版 原爆の図』

「教えて! 池上彰さん どうして戦争はなくならないの? 地政学で見る世界」

「教えて! 池上彰さん 沖縄から考える戦争と平和」
そして、戦後80年の2025年には、絵本『いま、日本は戦争をしている−太平洋戦争のときの子どもたち−』(堀川理万子/絵と文)と、幼年童話『ひろしま絵日記』(中澤晶子/作、ささめやゆき/絵)の2冊を刊行。『ひろしま絵日記』は、現代の小学2年生・みなみちゃんがひいおばあちゃんの家で見つけた、1945年の国民学校2年生・まさこちゃんの日記を読み進めながら、当時の暮らしや戦争の様子、そして原爆のことを知っていく物語で、原爆と戦争の悲惨さを子どもたちに伝えます。

『いま、日本は戦争をしている−太平洋戦争のときの子どもたち−』

『ひろしま絵日記』

株式会社小峰書店
子どもの本の出版社。絵本では「恐竜トリケラトプス」シリーズ(黒川みつひろ 作・絵)、児童文学では「モンスター・ホテル」シリーズ(柏葉幸子 作/高畠 純 絵)などを出版しているほか、学校図書館・公共図書館向けに調べ学習や総合的な学習に役立つ図書を多数刊行。
【会社概要】
社名:株式会社小峰書店
本社所在地:〒162-0066 東京都新宿区市谷台町4-15
代表取締役:小峰広一郎
事業内容:児童図書の出版
設立:1947年6月
HP:https://www.komineshoten.co.jp/
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