水素化プロセスに新たな選択肢―エヌ・イー ケムキャット開発の脱ベンジル化反応用パラジウム触媒「CHOIS-5D」が硫黄条件下で高効率・低投入な水素化反応を可能に
~硫黄含有ニトロ化合物の水素化に高い活性を発現、製薬・高機能材料製造等への展開に期待~
エヌ・イー ケムキャット株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 遠藤晋)は、本日2025年7月24日に開催された日本プロセス化学会2025サマ-シンポジウムにおいて、脱ベンジル化反応用触媒「CHOIS-5D」が、ニトロ化合物の水素化反応のうち、特に難反応とされる硫黄含有化合物においても高い活性を示すことを発表いたしました。

「CHOIS-5D」は、2024年にパラジウム含有量を5wt%に半減しながらも、脱ベンジル反応において高い水素化活性を有する製品として発売されました。今回、同製品が、強い触媒毒性を示すスルフィドやスルホニル基、チオフェン環などを含む硫黄含有ニトロ化合物の水素化反応において、高い選択性と収率を発揮し、効率的に反応が進行することを実証しました。
これにより、本製品は、従来のパラジウム触媒製品では困難とされていた硫黄含有ニトロ化合物の水素化において、性能面と経済面のどちらも考慮した、新たな選択肢と付加価値を提供いたします。
【概要】
貴金属触媒を用いた水素化反応は、多様な官能基変換を温和な反応条件下で進行できることから、医薬中間体の合成や高機能ポリマー材料のモノマー合成において幅広く利用されています。しかしながら、貴金属触媒は硫黄化合物との強い相互作用(触媒毒性)により活性を十分保持できないため、硫黄存在下での各種官能基変換は、パラジウム含有量の高い触媒を多量に使用する必要があるため、性能面・コスト面で課題がありました。
エヌ・イーケムキャットは、昨年パラジウム担持量を10wt% から5wt% に半減した脱ベンジル反応用パラジウムカーボン粉末触媒「CHOIS-5D」を開発し、製品化いたしました。今回、触媒毒性の高いプロセス条件下でも対応可能な触媒に対する市場ニーズの高まりを受け、スルフィドやスルホニル基、チオフェン環等などを有する複数の硫黄含有ニトロ化合物の水素化反応を調査したところ、本製品により目的とするアミノ化合物が高効率で得られることを見出しました。(表1)

これらの結果から、本製品は脱ベンジル反応に加えて、各種硫黄含有ニトロ化合物の水素化反応においても、従来のパラジウム触媒製品群と比べて優れた触媒性能を有しており、かつ従来と比べてパラジウム使用量が低減可能となることで、触媒コストを大幅に抑えた合成ルートの提供が可能となりました。
本製品は、医薬中間体の合成、高機能性ポリマー材料のモノマー製造、電子材料・染料用アミノ化合物等の製造の現場で求められる生産効率と経済性の両立に貢献します。
■エヌ・イー ケムキャット株式会社について:
エヌ・イー ケムキャットでは、プロセス触媒・自動車排出ガス浄化触媒(三元触媒・ディーゼル自動車触媒等)・燃料電池触媒等の開発・製造・販売や貴金属触媒の回収精製を行っています。
【本社】〒105-5127 東京都港区浜松町二丁目4番1号 世界貿易センタービルディング南館27階
【沼津事業所】〒410-0314 静岡県沼津市一本松678
【つくば事業所】〒306-0608 茨城県坂東市幸神平25番3号 【代 表 者】 代表取締役社長 遠藤 晋
【設立年月】 1964年4月 【資 本 金】 34億2,350万円
【U R L】 https://www.ne-chemcat.co.jp/
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